-中途失聴者のSilent Life-


聾者とも違う、難聴者とも違う。
ある日突然、音のない世界に生きることになった中途失聴者のたわいない日常です。

日常生活で困ることその② 緊急時

2009-12-01 13:09:53 | 聞こえない生活ってこんな感じ。
日常生活で困ること、その②。

緊急時です。

…緊急時を「日常生活」というのかどうかは置いといて(笑)


たとえば、急に倒れて動けなくなった時、電話で救急車を呼ぶことができません。
火事や事件の場合も同様です。

非常ベルのサイレンも聞こえません。
隣の家が燃えていて、消防車が来てあたりが騒然となっていても、
煙の匂いでもしない限り、聴覚障害者が気付くことはできません。

火災に付いては、来年から住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。
一般の家庭向けであれば、高くても1個5000円もあれば取り付けることができます。

ところが、この一般用の火災警報機では、聴覚障害者は火災の発生に気付くことができません。
そのために、光や振動で知らせるタイプのものがありますが、
こちらは1個5万円程度するものばかりです。

障害者手帳を所持していれば、聴覚障害者用の火災警報器が支給されると思っていたのですが、
実はこの支給対象になるのは2級以上の人だけ。
しかも、「一人暮らしまたはそれに順ずる世帯に限る」とされています。

聴覚障害者の2級といえば、両耳100db以上の最重度障害で、音がまったく聞こえない人です。
一般の火災警報器のサイレンは70~80db程度。
つまり、手帳の等級が4級以上の人にはサイレンが聞こえないのです。
なのに、支給されるのは2級の、しかも一人暮らしの世帯だけ。

家族と一緒に住んでいても、常に家族が一緒にいるわけではありません。
家族が留守にしている間に火災が起きたら誰も知らせてはくれません。
火事になれば、家族だって自分が逃げるのに必死です。
それなのに、聞こえない人は、誰かが起こしてくれるまで煙の中で眠っているしかないのです。

火災警報器の購入に補助を出したり、給付している自治体もありますが、
聴覚障害者向けの給付を行っているところはごく少数です。

義務化されるからという理由で、役に立たない一般向けの火災警報器を購入するのは無意味ですし、
補助なしで購入するには5万円の出費は大きすぎます。

生死にかかわることですから、このあたりにはきっちりと公的な補助を付けていただきたいものです。



さて。
110番や119番などの緊急通報の対応は、自治体によって異なります。

119番をメールやFAXでも受け付けてくれる自治体もありますが、
どこまでリアルタイムに対応してくれるか分かりませんし、
急病でに死にそうになってる時に、メールを打つ余裕がはたしてあるかどうか。。。

ちなみに、私が住んでいる地域の消防署には、
メールやFAXでの通報システムはないようでした。

最悪の場合、「聞こえないので一方的にしゃべります」って言って、
一方的に伝えることだけ伝えるしかないですね。
そのためにも、いざというときに何を言わなきゃならないのか、
事前に考えておいたほうがいいかもしれません。

ちなみに…

★119番の場合
・火事か、救急か
・住所、近くの目印など
(火事の場合)
 ・何が燃えているか(ビルの何階かなど)
 ・逃げ遅れた人はいるか
(救急の場合)
 ・誰がどうしたのか(病気か、事故かなど)
・通報者の氏名

★110番の場合
・事件か、事故か
・住所、近くの目印など
・発生時刻
・犯人の様子(人数、服装、逃走方法など)
・現在の状況(けが人の有無、事故状況など)
・通報者の氏名


だそうです。
どちらも通報後は、電話の発信地から現在位置を特定することがあるので、
電話を切らずにおいてください。


ちなみに、119番通報をメールやFAXで受け付けている自治体でも、
いたずら防止のために事前に申請・登録が必要なところが多いので、
事前に各自治体に確認してみましょう。

ただ残念なことに、緊急通報のFAXに気付かず、
救急車の出動が40分以上遅れたとかいう事例も起きているようです。
さらなる改善を望みたいとところですね。


警察のほうはかなり進んでいるようです。
ちなみに兵庫県警ではFAX・メールはなぜか有料とのこと。

・兵庫県警FAX110番 078-382-0110
・兵庫県警メール110番 http://hyogo110.jp
(携帯電話からのみ利用可)

メールはともかく、FAXくらい無料にしていただきたいものです。
好きでFAXしてるわけじゃないんですから・・・。


もちろん、緊急通報などしなくてすむのが一番なわけですが、
いざというときのために、地元の自治体の緊急通報先を確認しておくのも必要かもしれませんね。


ただし・・・
110番も119番も現在は自治体や管轄によって、FAXやメールアドレスが違います。
これでは、外出先で速やかな通報ができません。
遠出する時に、通過するすべての地域の警察や消防の連絡先を調べたり、事前に登録しておくのは不可能です。

利用者の立場から考えれば、こんな不自由な制度はないと思うのですが・・・。
今後さらなる改善を望みたいところですね。



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