-中途失聴者のSilent Life-


聾者とも違う、難聴者とも違う。
ある日突然、音のない世界に生きることになった中途失聴者のたわいない日常です。

再就職。

2009-12-04 20:10:42 | 聞こえない生活ってこんな感じ。
失聴してから4ヶ月。
ようやく、仕事に復帰しました。


復帰したといっても、元の職場ではなく。
ハローワークの障害者求人で入った会社です。

就職決まるまでに、長い長い苦難の道のりがあったわけですが、
まぁその話は今は置いといて。


聴覚障害者を雇うこと自体は簡単です。
肢体不自由者仕様にオフィスを改装する必要もないし。

でも、聴覚障害者が仕事するというのは、考える以上になかなか大変です。


電話ができないから、自分の担当業務の問い合わせがあっても答えられない。
内線でちょっと聞けば済む内容でも、
いちいちメールするなり、相手の席まで行かなければならない。

朝礼やミーティングの内容は、あとで同僚に聞かないと分からない。
社内放送やチャイムが聞こえない。

同僚とのちょっとした会話にも、めちゃくちゃ集中しなければならないので、
休憩時間にも休憩した気がしない。

入社直後は、社内の慣習がわからない。
たとえば、すれ違った時の挨拶は「こんにちは」か「お疲れ様です」か、
社内の人間は役職で呼ぶのか「さん」で呼ぶのか、
などなど。



幸い、今のところ私の職場では、向かいの席の人が何かある度に教えてくれるし、
朝礼の内容は上司からメールで送っていただけることになっています。

入社前に私からお願いしていたことを、部内で周知してくれていたらしく。
皆、話しかけるときはゆっくり、口を動かして話してくれるので、
会話もなんとかついていくことができています。
たまにとんでもない聞き間違いをするので、天然キャラだと思われてますが(笑)
それくらいはいいかなーと。
仕事の用件以外でも気軽に話しかけてくれるのがありがたいです。

決まった時間に鳴るチャイムは、携帯にアラームをセットしておいて、
時間になるとバイブで分かるようにしてあります。

まだ入社して3日なので、この先どうなるかわかりませんが、
今のところ、快適に受け入れてもらっていると感じています。


ただ。
今回の私のように、最初から聞こえないと分かって入社しているのでいいけれど、
同じ職場にいながら、だんだん聴力が悪化していく人は大変だろうと思います。
今まで普通にできていたことを「出来なくなったからやってください」と頼むのは、
本人にとってもすごく言いづらいし、ストレスだろうと思います。

もっとも、最初から聞こえない上体で入社すると、
仕事を教えてもらうのがものすごく大変だというデメリットもありますが。。。



私の場合、読話がかなりできるので、何とかなっているけれど。
中途失聴者には読話が全く出来ない人も多く、
そういう人は仕事は本当に大変だろうなと思います。


聴覚障害は、コミュニケーションの障害であるゆえに、
周囲との人間関係に影響するという、他の障害にはない性質があります。
だからこそ、職場での周囲との関係は良いものにしておきたい。

今回、聴覚障害は初の採用だということなので、
後に続く人がいれば嬉しいなぁ…と思っています。


なんだか上手くまとまらなかったけど、そんな感じで近況でした。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
就職おめでとう (ぷーどる)
2009-12-07 09:02:48
いい会社のようで、みなさんいい方のようで、良かったですね。

Ayamiちゃんの明るさのおかげもあるんでしょうね。

聴覚障害者の就職についてのお話は読んでいて頷くことばかりです。

初めてのことを聞こえない状態で教えてもらうのはそりゃ大変な事だろうと思います。

ただAyamiちゃんはホントに読話ができますね。

私は教室で勉強したけどさっぱりだけど・・

Ayamiちゃんと話してたら、聞こえてる人・・と、錯覚してしまいそうなくらいでした。

仕事覚えて慣れるまでは大変でしょうが、
がんばってくださいね
返信する
ありがとうございます (Ayami)
2009-12-07 22:01:22
ぷーどるさん、ありがとうございます♪

たぶん、聴こえにくくなってからずっと独和に頼る部分が大きかったことと、
話す仕事をしていたので自然と普段から口型を意識していたんではないかと思います。

でも、相手によってはまったく理解できないことも多いので大変です(笑)

仕事を教わっていると、資料を見ながら口も見ながらメモを取りながら…
無理ー!

…と叫びたくなります(笑)
返信する
Unknown (いとちゃん)
2013-02-10 13:14:09
初めまして、伊東と申します。
障害者について検索していて、本日、初めて拝見致しました。

苦労は多いと思いますが、明るい語り口で楽しく拝見致しました。

私は失聴はしておりませんが、両耳の聴力が平均69と障害者一歩手前です。
補聴器がなければほぼ会話は不可能で、年々聴力は弱っているので、このまま生き続けるとしたら、いずれ失聴するのかな…と漠然と考えております(^_^;)

今回、失明と失聴を同時に検索していて思い出すのが、以前、ルームメイトが私に教えてくれたのですが(確か『徹子の部屋だと言っていたような』)、失聴と失明を経験した元健常者に、どちらがショックだったか聞いたところ、失聴した時の方がショックが大きいと答えていたそうです。

失聴や失明だけでなく、どんなことも自分が経験しなければ分からないの一言につきますね。

私は30年以上、補聴器が必要な状態でしたが、未だに家族はそのことを忘れて『聞いてないの?』などとなたまうので、『聞いてないんじゃなくて、聞こえないんだよ!』とキレてます(^_^;)

これからの自分の仕事のことを考えていたら、障害者や障害者になった時の自分の在り方を考え直さなければいけないなと感じて、先ずは失聴者について検索してみました。

お忙しいでしょうが、是非、ご協力お願いします(^∇^)

伊東



返信する