勝手に思うままに 榊原秀光のブログ

日頃 思っていることや感じたことを思うままに書きます。

勝手に思うままに 57

2010-04-27 06:56:37 | 平和
東井義雄先生のお話 パート2です

 人間は五千通りの可能性を持って生まれてくる。死刑囚になる可能性も泥棒になる
可能性もある。その五千通りの可能性から、どんな自分を取り出していくか。
「世界でただ一人の私を、どんな自分に仕上げていくか。その責任者が私であり、皆
さん一人ひとりです」
私たちは眠っている間も息をしている。心臓の鼓動も自分が動かしているわけではな
い。死ぬほど辛いことがあっても、胸に手を当てた時、ドキドキしていたら、「辛か
ろうが、しっかり生きてくれよ」と仏さまの願いが働いてくれる、と考え直してほし
い。願われて生きている自分であることを忘れないでほしい。
講演の中で東井先生はそう語った。

勝手に思うままに57 自分は自分の主人公

 木村ひろ子さんは生後間もなく脳性マヒになった。手足は左足が少し動くだけ。
ものも言えない。しかも三歳で父が、十三歳で母が亡くなった。小学校にも中学校に
も行けなかった。わずかに動く左足に鉛筆を挟んで、母に字を習った。彼女の詠んだ
短歌がある。

不就学なげかず左足に辞書めくり漢字暗記す雨の一日を

左足で米をといでご飯を炊き、墨をすって絵を描き、その絵を売って生計を立てた。
自分のためだけに生きるのなら芋虫も同じと、絵の収入から毎月身体の不自由な人の
ために寄付をした。

彼女は言う。
「わたしのような女は、脳性マヒにかからなかったら、生きるということのただごと
でない尊さを知らずに過ごしたであろうに、脳性マヒにかかったおかげさまで、生き
るということが、どんなにすばらしいことかを、知らしていただきました」 以上

最後に、東井先生の言葉をもう一つ。
「自分は自分の主人公
       世界でただひとりの自分を創っていく責任者」

卓越した教育理念に裏付けられた言葉は、深く心にしみこみます。 拝