春宮のひとり言1011

3.11の日、春宮は母の入院先の病院にいました。父も妹も一緒に、ディルームにいたら、ブラインドがユサユサ揺れるような地震でした。停電にもならなかったのですが、大きな揺れでした。妹が車で来ていたので、父を自宅まで歩いて帰れるスーパーの前で、降ろし、妹が春宮の自宅まで、送ってくれました。海岸添いの134号線（正月駅伝が通る道）を走行したのですが、空いていて、サーッと自宅まで送ってもらえました。帰りも、妹は、さっさと自宅に帰れたそうです。134号線、海岸添いなので、津波を警戒して、通行止めだったようですが、脇道から入ったので、通行止めというのも知らず、ピューンと車が飛ばせ気分がいい…などと、妹と呑気な事を言っていました。

義父は、施設に入所していましたし、飼い犬は、自分の寝床で眠っていました。我が家は、二階の古い木製の本棚が倒れていたくらいでした。電気もガスも水道も使えましたので、東北の被害が、あの様に悲惨とは思ってもいませんでした。

春宮夫は、勤務先で、当時の規制で13階の建物の中にいた様ですが、かなり揺れたそうです。電車が不通でしたので、帰宅出来ず、会社で一夜を明かしました。その直前に、帯状疱疹になり、入院と言われたのを薬服用で済ませましたが、予備の薬を持って行っていなかったので、帯状疱疹部分が痛かったと言っていました。それから、服用薬は、予備も持ち歩くようになりました。

飼い犬がいましたので、春宮は、犬と一夜を過ごしました。あまり『生きる』という事に、望みを持っていませんでしたので（常々）、淡々としていました。

春宮夫が、翌日、帰宅して、食パンや牛乳が、手に入らないのに困りました。マクドナルドが営業していて、ハンバーガーを買い物帰りに求めた記憶があります。米は、常時、予備に5㎏は購入していますから、パンと牛乳以外には、困りませんでした。親世代から何でも余分に買い置きしていましたので、その習慣がありました。

悲惨な被害の映像を見るのは、嫌です。母の意識が戻らなかった事、当時は、父も生きていた事を思い出します。父母が生きていた事、とても懐かしく思い出します。月日が経ちました。義父も父母も飼い犬も、あの世です。春宮は、『生きる』という事に執着がまるでありませんので、早く、皆のいる世界に行きたいなあ～と、常々、思って生きてしまっています。