健康相談ブログ

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ジストニアは治りますか?

2016-06-15 16:07:56 | 脳神経外科

質問

ジストニアは治りますか?数年ほど前から目が閉じやすくなりました。眼科で眼科で、「眼瞼けいれん」と診断され、ポトツクス注射などの治療を受けてきました。ところが、半年ほど前から、顔や首、肩の筋肉が緊張して話がしにくい、物が食べにくいなどの症状が現れ、神経内科を受診したところ、「局所性ジストニア」と言われました。

インターネットで調べて鍼を打っていますが、効果がありません。この病気は治るのでしょうか?

答え

「ジストニア(dystOnia)」とは、dys(異常)+tOnia(緊張)という意味で、中枢神経系の障害による筋緊張の異常により、しばしば捻転性または反復性の運動(ジストニア運動)や異常な姿勢(ジストニア姿勢) を来す病態です。症状が目だけではなく、顔面や首、肩という隣り合う複数の部位にまで広がっていることから、「局所性ジストニア」でなく、「分節性ジストニア」と考えます。

ジストニアの発症原因として、過度の負荷、激しいスポーツ、不眠、職業上の反復動作、心的なストレス、外傷、遺伝などがありますが、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を内服されていることから、不安やストレスが背景にあることが疑われます。鍼には交感神経の抑制作用があり、ジストニアに対して有効な場合がありますが、

欧米では通常、医療の代わりに用いられる医療(代替医療) に分類されています。筋肉の緊張を和らげる作用のある中枢性筋弛緩薬を内服されているようですが、そのほかにも、脳のバランスを整える作用のある抗コリン薬、脳からの異常な信号を抑える作用のある抗てんかん薬などが有効な場合があります。

 

また、「眼瞼けいれん」と診断されて、眼科でボトックス注射を日周囲に打たれているようですが、目だけでなく顔面、首、肩にもボトックス注射を打つことにより症状を競和させることができる場合がありますので、内服薬の件と併せて担当の神経内科の医師に相談なさってみてください。

 

ジストニアは完治することがありますが、治療を継続しなくてはならない場合も少なくありません。「高尿酸血症」の治療と同様に、「病気とつきあっていく」という考え方で、内服やボトックス注射を継続していく必要があるかもしれません。ストレスが背景にあるなら、それを解決する方策を見つけることも必要です。目から始まり顔面、首、肩にまで広がってきていますが、場合によっては「全身性ジストニア」に移行することもありますので、この病気に詳しい医師を紹介してもらうことも視野に入れてよいと思います。