骨折日記

左手骨折から本日で13日経過。

日常のちょっとしたことが出来なくて、情けないやら、面白いやら、何やっても痛いんですよこれが。

左手母指が整復のために開いたまま固定されているんで、人差し指とOKの丸がつくれないんです。

要は摘むことができず、ボタンやチャックを上手く留められないのです。

握ることも支えることも出来ないので、茶碗も持てず、つり革も持てません。

両手を使っての作業、例えばスクリューキャップを開ける、トイレットペーパーを幾重かに重ねることさえままなりません。

こんなトホホな状態です。


ところで、私、毎日、地元藤沢駅から東京駅まで、湘南ライナーに乗り通勤しています。車両はあの踊り子号ですね。

さて、昨日のことです。

〈第1ラウンド〉

そのライナーで急な便意を催し、慌てて洋式トイレに駆け込んだのです。

背に腹を変えられない私は、痛みに悶絶しながら、コートやスーツを脱ぎ、泣きながらベルトを緩めチャックやパンツを下ろし、冷たい便器にお尻を載せた途端、一気に炸裂！

間一髪セーフ！

このラウンド、急な便意の攻撃に耐え、不自由な左手の痛みを堪え、作業をギリギリながら終えたことで、10対9で私のポイント！

〈第2ラウンド〉

安堵感と排泄後の陶酔感に包まれ、しばし冷たい便器上でスタンディングノックダウン！

尻を剥き出しにしたままライナーは横浜辺りを通過！

このラウンドは10対9で便意の余韻にポイント！

〈第3ラウンド〉

さて、お尻を拭かなくてはなりませんが、トイレットペーパーホルダーがこれまた左側にあるのです。

右手しか使えない私にはとても不都合なんです。

とは言え、尻洗浄器があるわけでなし、右手一本でペーパーを幾重にも折り畳みお尻を拭いたその時です！

キチンと折り畳めなかったことが原因なのでしょうか？

右手の人差し指と中指に、不覚にも緩めの排泄物がたっぷりと着いてるではありませんか！

検便の時にもじっと見ることのない自らの排泄物が自分の指に、鼻先にたっぷりと着いてる様にダウン寸前です。

左手でズボンは上げられず、排泄物が着いている右手は使えず、尻を剥き出しにしたまま呆然と川崎辺りを通過。

ペーパーはホルダーにもうありません。完全にスタミナを使い果たしました。

〈第4ラウンド〉

ふと気がつくと、左足付近にペダルを発見。よく見ると飲料用と書かれているものの、トイレで水を飲む人がいるとも思えず、手を洗うためのボールがあるのです。

私は、排泄物がたっぷり付着した指を蛇口下に置き、ペダルを踏んだのです。

果たして

一滴の水も出ないのです。

こうなれば、私には反則しかありません。

バッティング、サミング、キドニー、肘打ち、なんでもありです。

私はトイレの壁の下方、絶対に人が手を触れない場所を選び、なすりつけるように壁で指を拭き取ることにしました。

およその物が取れたことを確認し、ズボンは上げられず、手にスーツとコートを抱いたまま、コーナーからの脱出に成功。

トイレの通路を挟んだ洗面台に駆け込み、泣きながら指を洗った次第でございます。

このラウンド、判定不可能です。

結果、この糞試合便意の勝利で幕を閉じました。

あ～

先が思いやられます。