早くマスクを外したい。
15年ぶりくらいに会った人がいる。
「お疲れ様です。ご無沙汰しております。」
しかし、相手から反応がない。
しばらく考えている様子。
「ああ、マスクしているから
一瞬わからなかったよ。」
そうだよな。
そんなこともあるんだよな。
真面目な管理部門の私だが、
ヒゲがトレードマーク。
大した特徴もないし、
何処にでもいる顔なのに、
トレードマークを隠しちゃってんだもんな。
逆にアフターコロナ直後では、
逆パターンでこんなこともあるんだろうな。
殺し屋が依頼人から
ターゲットの写真データを受け取る時。
組織の幹部と思われる男たちが
何人か写っている。
添付ファイル付きのメールには
一文が添えられている。
「明日の幹部会。
ターゲットは右側のマスクの男。」
冷徹な殺し屋が悩む。
「うーむ、みんなマスクしてるし。
間違えたらどうしよう。
コロナ禍の社員送るなよ。
どれですかなんて聞き返したら
商売あがったりだ。」
それでも殺し屋には、
この世界で名を上げたプライドと
経験に基づく勘がある。
幹部会当日。
会合場所に続々と幹部たちが集まってくる。
殺し屋は、少し離れた高層ビルで、
ライフルのスコープを覗き込む。
そこから見えた光景に殺し屋は愕然とした。
「誰もマスクしてないじゃないか。
マスクを外した顔がわからない。」
「もう、いいや。全員撃っちゃえ。」
ニュース速報が乱れ飛ぶ。
「◯◯組幹部会にて銃乱射事件。」
翌日、依頼人からのメール。
「やり過ぎだ。マスクの男と依頼したはずだ。
この契約はなしだ。」
ターゲットは鼻炎持ちで年中マスクが手放せない。
殺し屋はマスクの男は撃たなかった。
殺し屋の逃亡生活が始まった。
「コロナ終わったら、
みんながマスク外すわけじゃないのか。
やっちまったな。」
久しぶりにNRで外出で
せっかく早く帰れそうだったのに、
歩道橋から人が転落したらしく、
横浜で足止め。
私は早く帰っちゃいけないのか。
どうもジョです。
もういいや。
せっかくのグリーン車だから寝まくろう。
開設3,650日。
閏年を考慮しなければ、
3,650÷365で、10年てことか。
おわり
またひとつ名作コント曲ができるではないか、Lowblows
シリアスなラブソングを書いてみたいな。