ある知り合いの管理職者の話です。
かつて何度か自分の部下を、
いろいろな事情から、地方へ転勤させなければならなくなった時の
説得のコツを次のように話してくれました。
まず始めに、転勤先の営業所のことをぼろくそになじるそうです。
そして、
「このままではあそこは閉鎖されてしまうだろう。
今のうちに手を打たなければならない。
しかし、誰でもいいという訳にはいかない。
それなりに実行力やバイタリティーのある者でないと。
そうでなければわざわざここから出ていく意味がないんだ。」
と強調し、
「そこで重役達ともいろいろ相談をしたのだが、″
君しかいないんだ!」
と結ぶというのです。
アメリカのデ―ル・カーネギ―が言った有名なことばの一つに
「相手を重要人物として扱い、誠意をもって協力を要請すれば
敵対者も友人にすることができる。」
という一説があります。
やはり人間誰でも、他人から信頼されたり、尊敬されたりすれば
悪い気はしないもの。
たとえお世辞とわかっていても、
ほめられることは気持ちのいいものです。
そのためにはなによりもまず
「君ならきっとやってくれると思って」
ということばを使うと、大いに効果を発揮するように思います。
冒頭のようなケ―スは『都落ち』のイメージに取られても、
話を聞いているうちに最終的にはやる気になって、
転勤先でも素晴らしい実績をあげている人が多いという。
これは人間の心理をついた見事な管理術といえるでしょう。
管理職に特化した養成講座を、
8月に夏季集中セミナーとして個人ご指導で行います。
詳細はまたお知らせいたします。
今日の日がコロナに負けない日でありますように。
そして明るい心でありますように。
湘南話し方センター
所長 松永洋忠