将棋ソフト生活

将棋ソフト・コンピュータ将棋の話題

将棋ソフトの弱点は何か

2011-11-27 15:59:48 | 将棋ソフトについて考える
ボンクラーズが将棋倶楽部24を席巻していますが、10回に1回は負けています。
負けたときの棋譜をいくつか見ました。

すると持将棋で負けた対局があります。
(実際は、持将棋の計算まで行かず、ボンクラーズ側の駒数が足りないので入玉を諦めて投了)

その対局は、人間の対局者が最初から入玉を狙っているようでした。
ボンクラーズの玉を攻める気がまったくなかったようです。
(ボンクラーズ相手に入玉するには、相当の棋力が必要ですが)

数年前だったと思いますが、「コンピュータ将棋の弱点は入玉戦ではないか」という話が2chで議論されたことがあります。
相手を詰ますことを前提にプログラミングしていますので、最初から入玉狙い(持将棋狙い)で行くと勝率が上がるという話です。

さすがに最近の将棋ソフトなら対策が取られているとは思いますが、それでもまだ弱点と呼べるかも知れません。

相手の玉を詰ますことを諦めて、持将棋狙いの入玉にする。
あるいは、相手にその意図があることを察して、駒得を重視する。
この判断をプログラムするのは難しいような気がします。
となると相手を入玉させないことを重視するプログラムになり、結果として、持将棋での勝ち筋を逃しやすくなると。

それにしても、コンピュータの弱点を見抜いて最初から入玉狙いにするというのは、まるで将棋とは別のゲームになってしまいそうです。
こういう駆け引きも新しい将棋の魅力になるかも知れませんね。

来年1月の対局で米長会長がこんな作戦をとるとは思えませんが、泥沼流の会長のことなので、もしかしたら・・・・(笑


ボンクラーズが将棋倶楽部24でトップ

2011-11-24 23:52:51 | 将棋倶楽部24VS将棋ソフト
今現在、将棋倶楽部24のレーティングで、将棋ソフトのボンクラーズがトップです。

ボンクラーズは今年のコンピュータ将棋選手権で優勝したソフト。
来年の1月には米長会長との公開対局が予定されています。

将棋倶楽部24はソフト対局が禁止ですが、半年前のponanzaと同様、公認のうえで対局が続いています。
bonkrasというハンドルで対局者のトップに位置しているのですぐに見つかると思います。

現在、11月25日0時の段階で、ボンクラーズのレーティングは3236(8段:トップ)。
585勝50敗。実に勝率9割2分1厘。

名簿を見ると明らかですが、8段の上位者たちの勝率は5割から7割のあいだです。その中で、ボンクラーズとponanzaが9割を超えていて特異な印象を与えています。

レーティングが3000を超えるようなレベルの中で、将棋ソフトは勝率が9割というわけですから、これはもうコンピュータ将棋が人間より強いということで間違いないでしょう。
ただ、将棋倶楽部24は早指しなので、人間に不利という面もあります。ごく短い時間内で最善手を指すのは、どうしたってコンピュータが強いですから。

10局ほど観戦しましたが、ほんとに強い。
特に中盤から終盤の強さが半端じゃないです。

意外だったのは、序盤は人間側が指せそうな局が多いことです。
コンピュータ将棋の課題は、序盤の変化といえそうですね。

たとえば、序盤でボンクラーズが銀損した対局がありました。
普通だったら投げやりになりそうな対局。プロなら投了もあり?という序盤でした。
しかし、そこから逆転して勝ってしまう。

これで序盤の強さが加わったら、もう人間は勝てないですね。

ということで、来年1月の対局が楽しみです。
いくら最強ソフトであっても10回に1回は負けていますし、持ち時間の長い将棋なら終盤に近くなっても人間側が善戦できるかも知れません。


米長会長がコンピュータ将棋と対戦

2011-11-17 17:50:59 | 電王戦
来年2012年の1月14日に米長永世棋聖とボンクラーズの対戦があります。

ニコニコ中継

ボンクラーズは、今年のコンピュータ将棋選手権で優勝したソフトです。
現在の最強ソフトといえると思います。

コンピュータ将棋とプロ将棋界との対決といえば、昨年の「清水市代女流VSあから2010」が思い出されます。昨年2010年の10月でした。

あから2010は、激指、GPS、Bonanza、YSSというコンピュータ将棋の定番たちによる合議制ソフトでした。

結果は予想通り。一方的とも言える将棋であから2010の勝ち。
女流棋士は奨励会の2~3段といわれますので、現在のコンピュータ将棋ソフトは厳しい相手だったかも知れません。コンピュータ将棋はすでにトップ棋士の強さに達していると思われます。

その後、プロ棋士とコンピュータ将棋との対局を期待する声が多かったのでしょうか。
次の対局は、なぜか米長会長が直々に対局するそうです。

米長永世棋聖は2003年に引退してから、もう8年以上たっています。
引退後は現役棋士のように将棋に打ち込んではいないでしょうし、歳とともに棋力が落ちるのが将棋ですから、ちょっと無茶かなという印象は拭えません。

「なんで引退した棋士が?」という疑問がわいてきます。

もしかしたら、現役棋士はコンピュータ将棋との対戦をしり込みしているために、会長自ら前線に出てきたのかも知れません。
今のコンピュータ将棋の強さから言って、現役棋士は負ける可能性があることを知っているはずですから、派手なイベントで対局するは嫌がるでしょうね。負けたら後々までレッテルはられそうで。

将棋連盟は、これからコンピュータ将棋との付き合い方に苦労しそうです。
今さら放置することはできない段階に来ています。
かといって、トップ棋士が負けたら将棋界のイメージダウンは避けられません。

女流棋士とか、引退棋士とか、フリークラス棋士とかで時間稼ぎするしかないかも知れません。しかし、時間がたてばたつほどコンピュータ将棋は強くなっていきます。
終盤でのコンピュータ将棋の強さは反則級ですから、ちょっと人間が気の毒という気がします。

個人的には、トップ棋士とコンピュータ将棋の対戦を完全にシリーズ化して、「負けてもリベンジ」という形にすれば良いと思っています。一度の勝負という形にすると「結論」が出たと印象づけてしまいますが、たくさん対局してときどき勝てれば権威を維持できるのではないでしょうか。