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心人-KOKOROBITO-

亡き先人と今を生きる人に想いを馳せて
慰霊活動や神社参拝で感じ取った事を書き綴った日記と日々の雑感コラム

賠償から見えてくるもの

2012年06月27日 | 震災
原発事故が起きた平成23年3月11日から、1年3ヶ月と16日が経ち、今日、実質的に東電が国有化となった。 そして今日、何の前触れもなく、関西電力から1通の葉書が届く。万が一計画停電を実施した場合、細かな日程と実施エリアを示す番号が書かれていた。なんだか、脅迫されているかのような不快感を感じずにはいられなかった。 皮肉にも、今日こんな話しも耳にした。それは、著名な方のオフレコ発言の一部だが、 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅19 【あとがき】

2012年06月20日 | 慰霊
あとがきの長文を書き記す前に、まず、はじめに、この旅に同行してくれた二人の仲間と相方、そして一緒に行かぬとも、想いを重ねてくれてた仲間達に、こころから感謝している。そして、白梅同窓生の方々にも、受け入れて頂き、貴重な時間を共にして頂いた事に、深く御礼を伝えたい。 同時に、慰霊に関心を寄せられる全ての方々に、この旅を一つの区切りとし、感じ取ったこと、全てをお伝えてしておきたいと思う。【幸多 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅18 【その後の便り】

2012年06月19日 | 慰霊
自宅に戻ってから、わたしは同行してくれたカメラマンの仲間からこの両日の写真データを頂いた。膨大な枚数だ。10日にお食事をご馳走して下さったきくさん達のために、その中から選び、小さな写真のアルバムを作った。そして、音源を持っていないきくさん以外の方々には、『白梅の少女達』という1曲収録したCD-Rを作り、全員にお礼状を添えて、お送りした。 1週間ほど経った頃、わたしの所に、白梅同窓会の我喜 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅17 【また6月に】

2012年06月18日 | 慰霊
完全にやられていたわたしは、仲間と共に再び眞山之塔の慰霊碑前へと歩いて行った。持ってきた荷物を各々が手に持ち、片付けていく。 『お鈴の音で、めっちゃ空気変わったなぁ~。』 『うん・・・。この場所は、壕どころの話しやないわ。もう、完全に覆いつくしてたで。お鈴がなかったら、完全にアウトや。○○(相方)、大丈夫やろか・・・苦笑。』 わたしは、カメラマンの仲間の一言に、そう答えた。相方 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅16 【得体の知れないエネルギー体】

2012年06月17日 | 慰霊
わたしが祈りを奉げた後、順次仲間達それぞれが御参りを行った。祈りが終わった後、わたしは、手に持ったチベットのお鈴をいつもに増して、止める事なく、鳴らし続けた。辺り一帯を覆い尽くした何か、その何かに向け、払う作用を期待し、このお鈴の音色に全てを託した。 正直、この場所は、とても歌を唄える状況ではなかった。御霊の想いを覆い隠すように阻み、得体の知れないエネルギー体の塊が気の流れを完全に封印し . . . 本文を読む

もうひとつの白梅15 【落差】

2012年06月16日 | 慰霊
わたしは入口の前まで徒歩で行き、ようやく辿り着いた。閑散とした全体像である。人は誰一人としていない。ゆっくりと、並びにある山形の塔に礼拝をしてから通り抜け、正面の眞山之塔の慰霊碑前まで歩いた。空気はぐっと重くなる。 眞山之塔と刻まれた慰霊碑は、素材の材質によって、雨風の影響を受けたせいか、全体が赤く錆びたような色合いにまで汚れが付着し、風化の一途を辿った様相で、わたし達を迎えてくれた。遠く . . . 本文を読む

もうひとつの白梅14 【はやちかぜのかみ】

2012年06月15日 | 慰霊
仲間にカセットデッキの入ったカバンを持ってもらいながら、わたしはお鈴を手に、壕の入口前で再びお鈴を鳴らし始めた。外から鳴らしただけで、壕の中はまた明るくなっていく。カバンの中からカセットデッキを取り出し、音源を鳴らす準備をした後、階段をゆっくり下りていった。先に、合流した仲間にお参りをしてもらい、わたし、相方、カメラマンの仲間と続いた。 この日は、わたしは般若心経を唱えた後、右側の方向に . . . 本文を読む

もうひとつの白梅13 【もう一つの慰霊ユニフォーム】

2012年06月14日 | 慰霊
移動をゆっくり始めた時、後ろの席に座っていた合流した仲間に向け、わたしは声をかけた。 『これ、お子さん達に。まだ○○君にはランドセルは早いかもしれへんけど、この春から保育園やったよね?初めて母親と離れる環境になるからね。○○様の方は、小学校なので、丁度いいね。また二人に、こないだの絵の御礼も伝えておいてね。』 そう言って、先ほど手にしたランドセルの御守を手渡した。彼が2月にわたしの地 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅12 【海の神】

2012年06月13日 | 慰霊
この日眠りに就けたのは2時回っていただろうか。昨夜の食事で得られた満腹感と共に、眠りに就いたが、爆睡後の目覚めはあまり宜しくなかった。シングルを取っていたため、自力で目覚まし時計に頼り、起床したが、ぐずついた朝だ。空は曇が多めだったが、雨は降っていない。時計を見れば、約束の8時前である。慌てて、身支度をして1階へ下り、約束の場所へと向かった。 すでに、全員が外で朝食を食べている様子で、 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅11 【もう一人の仲間との合流】

2012年06月12日 | 慰霊
きくさん達と別れた後、わたし達は急いでもう一人の仲間を向かえに、那覇空港へと向った。時間的にあまり余裕もない中、道もすっかり覚えた仲間の達者な運転に身を委ね、先ほどの会話を思い返していた。 合流する仲間に対し、あの席を一緒に出来なかった事に対する罪悪感も増し、同時に、おなかも増したわたし達は、夕食の時間を少し遅く摂る事を思案していた。おそらく、これから合流する仲間は、食事よりもお酒を優先さ . . . 本文を読む

もうひとつの白梅10 【わたしもおおいに語る】

2012年06月11日 | 慰霊
観光地の話しから、今度はきくさんからわたしに質問が向けられた。 『ところで、○○さんは、沖縄でも演奏なさるの?』 『え?演奏会?いや、沖縄はないですね。』 『演奏は、国内でもなさるの?』 『ええ、しますよ。』 『ほー。そしたら、ほら、前に戴いた、白梅の曲。あれ、聞いても、言葉分からないから。あれ、特殊な言葉?』 『特殊な言葉?どちらかと言えば言葉に意味がなくって。憑依 . . . 本文を読む

もうひとつの白梅9 【きくさんがおおいに語る】

2012年06月10日 | 慰霊
”失礼します”と室内に向け声を発し、店員の方が料理を運んできてくれた。それぞれに配膳され、軽めの食事と思っていた事とは裏腹に、随分ご立派な様相であった。 きくさんは、明るい声色で、『アグーですって。』と大きな声を発し、笑いの渦を巻いた。 『アグーって、沖縄の豚の事ですよ。』 『大好きです!』 おなかをすかした仲間が、元気たっぷり愛情込めてこう発し、また笑いを誘う。 『じゃぁ、お . . . 本文を読む

もうひとつの白梅8 【食事へのちょっぴり強引なお誘い】

2012年06月10日 | 慰霊
自決の壕を出たわたし達は、広場に集まった。タクシードライバーの方も、ここで別れの挨拶があり、わたし達全員も声に発し、御礼を伝え、一礼をし見届けた。 そして、この白梅之塔を後にする前に、最後にカメラマンの仲間の一声で集合写真を撮影することになった。慰霊碑前の献花台の後ろに立ち、同窓生、そしてわたし達と並び、セルフタイマーを使い、写真を撮影した。どこか、ほんわかとした雰囲気に包まれ、最後には . . . 本文を読む

もうひとつの白梅7 【歌は歌わぬとも】

2012年06月09日 | 慰霊
皆、慰霊碑前で祈りを奉げた後、わたしと相方と仲間は、納骨堂へ繋がる階段を駆け上がり、納骨堂前で祈りを奉げた。それが終わると足早に、自決の壕で祈りを奉げるべく、広場へと引き返した。 歩いている時に、会計の我喜屋さんが、目をぱちくりさせながら、話しかけて来られた。 『今日は、お歌を歌われるんですか?』 わたしは躊躇しながらも、 『そうですね、時間的にも押し迫っているので、歌はご遠慮し . . . 本文を読む

もうひとつの白梅6 【みなさんご一緒に】

2012年06月09日 | 慰霊
清掃も、御供物もセットし終えたわたし達は、声をかけぬとも広場へ集まっていった。御供物を献花台に置いていく際、来て下さったきくさんをはじめとする同窓生の方々が、じっと見つめている。夕暮れと言っても、まだまだ空色が変わらぬ中で、美しき光だけが、木々から漏れていた。 改めて、沖縄県立第二高等女学校の先生方や同窓生の名前が刻まれた名簿碑に、持ち込んだご神水を丁寧にかけ、洗い流しふき取っていく。こ . . . 本文を読む