小恵(しょうけい)を私(わたくし)して大体(だいたい)を傷(やぶ)るなかれ
――毋私小恵而傷大体
『菜根譚』
小さな私恩を売ることに汲々として全体の利益を犠牲にしてはならない、ということだ。これはとくに組織のリーダーが自戒しなければならないことである。
たとえば政治家である。国の予算をぶんどってきて自分の選挙区に橋をかけてやった、道を舗装してやったというのは「小恵を私する」たぐいである。ある程度はやむをえないかもしれないが、そういうことにばかり頭を使っているようではやはり困るのである。さらに、きびしい言い方をすれば、バラマキ福祉で財政破綻を招くのも、「小恵を私して大体を傷る」たぐいだと言われてもやむをえないかもしれない。
政治家だけではない。会社などでも自分の勢力を扶植しようと、あの手この手で私恩を売っているリーダーを見かけるが、それもこのたぐいである。こんなリーダーが幅をきかすようになると、その組織は危ない。
「大体」を傷っては、リーダー失格である。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
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