往(ゆ)く者は追わず、来たる者は拒まず
――往者不追、来者不拒
『孟子』
去っていく者は去るにまかせて後を追わない、来る者はどんな相手でも拒まずに受け入れる。こだわりのない自由闊達な人間関係を語ったことば。ふつう「去る者は追わず、来る者は拒まず」で慣用されている。
孟子が滕(とう)の国を訪れて迎賓館に宿泊したときのこと。館の役人がつくりかけのわらじを窓際に置いておいたところ何者かに盗まれてしまった。役人が孟子に向かって、
「あなたのお供の方もやりますな」
と皮肉を言ったところ、孟子はこう答えたという。
「連中がわらじを盗むために、わたしについてきたとでもいうのですか。あるいはまあ、そうかもしれません。わたしは弟子をとるとき、“往く者は追わず、来たる者は拒まず”で、学ぶ意志さえあれば誰でも弟子にしているものですから」
こういう境地に達すれば、人生もいちだんと味わい深くなるかもしれない。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
6月になりました。
今月も宜しくお願いいたします。
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