コリアンジャパニーズ

韓国系日本人のひとりごと

私は日本人

2008-09-23 18:19:22 | インポート

私は日本人だと思っていた。というより、韓国人であることを意識したことはなかった

我が家にもエスニックな習慣があったと思うが、それはたぶん、日本人ながら新興宗教にどっぷり浸かった人の奇異さよりもずっとまともなエスニックだったろう

小学校6年のとき、担任の青山昭吉(仮名)という先生から怒られたことがある

同級生にイジワルした私に、先生は「お前も朝鮮人だと言われたら嫌だろう、だったら人のいやがることをするな」と言った。もっとも朝鮮籍ではなく韓国籍だったが。このことがあって、私は自分が日本人ではないと意識するようになった。通名だったし、自分自身も、クラスメイトも私が日本人だと思っていたのに、先生の大声でクラス中に知れ渡り、友人達は私を「みんこく」とからかうようになった。

中学になると指紋をべっとりととられ、外国人登録証を持たされた。それからようやく韓国人なんだとわかった。とはいえよく忘れた。中学、高校と友達は代わり、彼らはやはり私を日本人と誤解した。私も私で祖国への愛情がなにもなかった。行ったこともない場所に愛など芽生えない。大学を出るまで外国人意識はなかった。大学を卒業して就職するときにようやく意識する程度だった。そしてそれもすぐに忘れ、やがて帰化した。

帰化したときも、特別な感慨もなかった。もともと日本人なのに、籍だけ違ったのを正常化したという感覚だ。日本人に、この感覚がわかるのだろうか? わからないかもしれない。わかってくれるかもしれない。もう、どうでもいいけれど。