村上春樹さんの本に癒されて以来、とにかく本を読んでいる。予約した本を図書館で受取って近くの喫茶店に入る。
最初のうちは手垢で茶色になった本を触るのが嫌だった。だけど、それだけその本を読んだ人が多いのかもしれないと思うと、目に見えない同志がいるような気になって、何となく落ちつく。
スティーブン・キングが好きだ。だから、彼の『書くことについて』が文字通り手垢で茶色なのは我慢に値する。買えって?いやいや、借りる本の楽しみは、誰かとその本を共有したっていう既成事実にある気がするのだ。
彼の『書くことについて』を読むと、村上春樹さんの書くことについて語った内容と類似点があって非常に興味深い。(この二人はきっと、非常に興味深いなんて書き方をしないだろう。)
同時進行で読んでいるのは、レイモンド・カーヴァー。こちらは手垢がほぼないきれいな本。おかしいな。最近図書館が再購入したに違いない。
海外の作家の作品を理解できたとき、ひょっとしたら世の中から戦争がなくなる日が来るかもしれないと思って、また外国作品を読もうと思う。できれば手垢まみれのきったないやつを。