色々な要望の中に、公演の台本が欲しいとよく言われます。
そこで、今回の公演の「マジシャンズ11」の冒頭の台本をお見せします。
最初に言っておきますが、読み物として面白いモノではありません。
プロローグ
都内郊外の某所(夕刻)。古びた雑居ビル。そこの二階の一室には、常設の小さなステージと数十人が収容できる客席があり小劇場のようである。
人気はな く、殺風景な空間に、かつてその店の外に飾られていたであろう、壊れたネオン管の看板。ホコリを被ったワゴン。そして店で使用されていた備品などが 無造作に入れられた色褪せた段ボールが数個ステージ上に点在している。それらの取り残されたモノ達は、その店かなり前から営業していない事を語っている。
一人の青年が客席から現れる。その空間を見渡しながら、ゆっくりとステージの方へ。青年の表情は感慨深げでもあり、不安げでもある。
黒いシャツに黒いジャケット、そして黒いズボン。全身を黒で纏った服装は決して地味なものではなく、一つ一つがとてもお洒落で高級感がある。が、そのセンスは微妙である。全身黒ずくめの青年の出で立ちは、小柄な身体をより一層小柄に見せ、身につけているトランプをモチーフにした 時計とネックレスは、微妙なセンスをより一層微妙にしている。そんな青年からは、明らかに一般人ではないオーラを醸し出されている。
室内を見渡す青年、そして一つの段ボールに目がとまる。何個かある段ボールの中に一つだけ封をされていない段ボール。青年はその中から何やら棒のようなモノと帽子を取り出す。それはマジックで使うシルクハットとステッキである。
青年 「(しみじみと見つめる)」
段ボールの中には、数々のマジックの小道具が詰め込まれている。それを一つ一つ手に取る青年。カードケースを手にする青年。ケースからカード(トランプ)を取り出すと、じっくりと観察、そして感触を確かめるようにカードを切りはじめる。その手さばきは華麗である。カードをケースに入れ、段ボールに戻す青年。そして壊れた看板の方へ。看板から伸びた電源コードを発見するとコンセントを探す青年。コンセントを見つけ、電源コードをそこへ差し込む。何の反応もない看板。
と、舞台奥から声。
声 「つかないよ、それは」
青年 「?」
声のした方向に反応する青年。
ステージ上手にある一階へとつながる階段から一人の老婆が現れる。
と、こんな感じで本は進んで行きますが、僕の本はかなりト書きが多いので、普通の台本の二倍から三倍のページ数になります。
では、またの機会に。
そこで、今回の公演の「マジシャンズ11」の冒頭の台本をお見せします。
最初に言っておきますが、読み物として面白いモノではありません。
プロローグ
都内郊外の某所(夕刻)。古びた雑居ビル。そこの二階の一室には、常設の小さなステージと数十人が収容できる客席があり小劇場のようである。
人気はな く、殺風景な空間に、かつてその店の外に飾られていたであろう、壊れたネオン管の看板。ホコリを被ったワゴン。そして店で使用されていた備品などが 無造作に入れられた色褪せた段ボールが数個ステージ上に点在している。それらの取り残されたモノ達は、その店かなり前から営業していない事を語っている。
一人の青年が客席から現れる。その空間を見渡しながら、ゆっくりとステージの方へ。青年の表情は感慨深げでもあり、不安げでもある。
黒いシャツに黒いジャケット、そして黒いズボン。全身を黒で纏った服装は決して地味なものではなく、一つ一つがとてもお洒落で高級感がある。が、そのセンスは微妙である。全身黒ずくめの青年の出で立ちは、小柄な身体をより一層小柄に見せ、身につけているトランプをモチーフにした 時計とネックレスは、微妙なセンスをより一層微妙にしている。そんな青年からは、明らかに一般人ではないオーラを醸し出されている。
室内を見渡す青年、そして一つの段ボールに目がとまる。何個かある段ボールの中に一つだけ封をされていない段ボール。青年はその中から何やら棒のようなモノと帽子を取り出す。それはマジックで使うシルクハットとステッキである。
青年 「(しみじみと見つめる)」
段ボールの中には、数々のマジックの小道具が詰め込まれている。それを一つ一つ手に取る青年。カードケースを手にする青年。ケースからカード(トランプ)を取り出すと、じっくりと観察、そして感触を確かめるようにカードを切りはじめる。その手さばきは華麗である。カードをケースに入れ、段ボールに戻す青年。そして壊れた看板の方へ。看板から伸びた電源コードを発見するとコンセントを探す青年。コンセントを見つけ、電源コードをそこへ差し込む。何の反応もない看板。
と、舞台奥から声。
声 「つかないよ、それは」
青年 「?」
声のした方向に反応する青年。
ステージ上手にある一階へとつながる階段から一人の老婆が現れる。
と、こんな感じで本は進んで行きますが、僕の本はかなりト書きが多いので、普通の台本の二倍から三倍のページ数になります。
では、またの機会に。