月末最終日でいろんな集計作業が目白押しだったのでいつもより少し長めの残業をして帰宅。その後、植木のタオカフェに行く。ここのマスターを中心に数名でカメラ談義をする。ここ数年、新たな趣味を共有する仲間を探すことが少なくなった。もともと趣味で始めた芝居も今ではライフワークの色合いが濃くなってきて、気軽な趣味とは呼べなくなってきた。写真なら純粋に自己満足が許される世界だろうと軽い認識で望んでいたがどうやら甘かった。レンズの話だけで一晩語り明かせるほど奥が深い。果ては一枚の写真に対する様々な撮影効果を可能な限り数値化することで、同じ効果を再現する方法に話が及ぶ。まるでプロの発想ではないか。そう、実はこの同好会にはプロカメラマンの顧問がいるのである。たかが趣味だと思っていたがとんでもない世界に身を投じたようだ。談義の合間、マスターがエスプレッソを抽出してくれた。本場のエスプレッソを体感。めちゃくちゃ砂糖を入れるのね。スタバやドトールとは比べ物にならないほど美味だった。
新型インフルエンザの感染者数が全国で100万人を超えたという。この驚異的な感染率を考えたら、いわゆる伝染病となんら変わらない気がする。ぼくらにできることは、自分が感染しないために予防するしかないけど、感染者数や死亡者ばかりが報道されて、肝心な情報は知らされていない気がする。発生源や確実な治療法、そしてウィルスの弱点など、そういう基本的な情報はほとんど入手できない。自分の生活と直接関係ないどうでもいい芸能人のゴシップばかり報道されるメディアの存在を改めて疑問視してしまう。優れた情報収集能力がメディアの強みではないのか？それとも別の意志が働いているのか。情報過多な日本のような社会も、本当に知りたいことが分からない点においては、情報統制されている国家とあまり変わらない。むしろ何でも知っている錯覚に陥って危険だ。冒頭に話を戻すと、例年流行するインフルエンザだって、ある程度感染者や死者は出ているのに、そこばかり報道するマスコミの姿勢に恣意を感じずにはいられない。まるで脅威を煽っているかのようだ。
アメリカの某独立系メディアが個人情報について特集していた。法律上ではあれだけシビアに個人情報の取り扱いを規制しているのに、WEB上の電子決済では惜しげもなく個人情報がやり取りされ、巷に溢れるブログでは多くの人々は自分のプライバシーを晒け出している。改めて個人情報保護の必要性を考えてしまった。興味深い事例は、アメリカのある州では、裁判所の許可さえあれば、アプリの不具合を理由として、通信端末に搭載されたアプリを自動更新することができる。アプリと聞けば電源が入った状態を想像するかもしれないが、たとえば電源を切っても、マイク音声が切れないアプリを組み込むことも可能だという。こう考えると、個人情報保護法が国家にとっては都合良いものでも、国民にとってどれほどのメリットがあったのか疑わしい。
真夜中ミサイル稽古。最近残業気味で遅れて合流。少しずつ台本が進み、もうじき僕の出番が中心になるので心の準備を始める。毎度のことだが、自分の役割を考える。演出に直接訊いてもいいのかもしれないが、稽古場の空気で変わることもあるので稽古中に感じ取るようにしてる。その方が空気を読む訓練にもなる。で、何となく今回の作品の中での役割が見えてきた感はある。僕の場合、自分をアピールする類の演技を得意としないため、職人気質になって役に入り込む傾向がある。もし方向性を間違えそうな時は、演出が指摘してくれるのでそこはあまり心配していないし、そこに僕らしさを見出していると思うので、この傾向は今後も変わらないと思う。昔から器用な方ではないので、少しでもたくさんの角度で考えて、納得いくまで役と場面を作り込みたいなあと感じている。
仕事休み。夕方から習い事だったが少し時間があったので、いつも行く美容室で髪を切る。店長から国内でも指折りのラテン音楽を聴きに行った話を聞かせてもらった。以前はジャズ演奏を聴くために熊本のライブハウスによく通っていたらしいが、ラテン音楽を聴いてからは通わなくなったという。一流の演奏を知ったことが理由の一つだが、何よりもプロ意識の差を感じたことが大きかったらしい。観客を徹底的に楽しませるために、そのライブの瞬間を精一杯尽くす姿勢を肌で感じたという。一流と二流には迷いの差がある。店長も美容師としてのプロ意識があるので、そういう部分に共感しているのだろう。迷いとは少しニュアンスが違うけど、謙遜の姿勢も時に表現活動の妨げになる。もし自分の未熟さを人前に晒す恐れがあるなら、ステージに立つべきではない。そりゃどんなに成長したって向上心がある人間にとってはいつまでも未熟だろう。だけどステージに立つ瞬間に迷いや不安を見せてはいけないのだ。店長のようなプロ意識を知る観客はそういう内面を敏感に感じ取っているはずだ。
仕事を終えて帰宅する途中にパソコンの調子が悪いということで、職場の元上司の知人宅に立ち寄り診断を済ませる。その後、先日完成したシャインクラブの新作を届けるため植木のタオコーヒーに行く。ここのマスターＳ氏も映像作品を作るので、見てもらって感想を聞かせてもらうつもりだ。いつも予告せず行くので（まあ、客だからそれが普通なんだけど）マスターが他の客と話している時もある。今日はバリスタの資格を取得するために埼玉から来熊した同業者がいた。一眼レフカメラの話なども盛り上がったが、自営業を営む職人の話が新鮮で面白かった。マスターもたぶん同じ苦労を味わっている。僕は苦労なんて味わいたくないと思っていたけど、価値観を共有し合える仲間というのは同じ苦労を味わっている気がする。だとしたら、多くの苦労を知っている人ほど深く付き合える仲間も多いのかもしれない。
熊本に住み始めて１７年経つ。大学時代から人形劇・演劇・映像作品に携わってた。思い返せば熊本に来てからずっと何かをやっていたのだけど、今でも熊本で著名な演劇人のことはほとんど知らない。今朝、熊本演劇人協議会の渡辺会長が亡くなられたと連絡を受けた。以前からお名前は聞いていたが一度もお会いしたことはなく、恥ずかしながらどのような方なのか全く存じ上げなかった。しかし熊本演劇の活性化に尽力された方だったことは想像に難くなく、僕がこれまで熊本の演劇活動に携わることができたのも、どこかでこの方の恩恵を受けていたからに他ならない。諸先輩方の尽力があって今の自分があるというのに、僕は自分のために芝居をしていた気がする。これから先もそのままか、あるいは心境が変わり行くのか・・・。今後のことは分からないけれども、今日は過去を振り返るきっかけの一日だった。渡辺会長のご冥福をお祈りします。
仕事休み。昼から習い事に行き、16時過ぎに熊本を出発する。シャインクラブ第4回作品『ゴー！ゴー！トレジャーハンティング』のDVD完成記念打ち上げが催されたのだ。会場は大分市内。この時間だと3時間掛かる。しかし僕はメンバーだから行かなければならぬ。19時頃大分に到着。男ばかり総勢8名で市内の焼肉屋に入る。僕以外のメンバーは全員先に見ているのでいろいろ話が盛り上がるが、僕はまだ見ていないので話に付いていけない。どんなにインターネット環境が発達しても、雰囲気を含めてこの距離の差を埋めるのは難しい。それに僕以外みんな映像組だから、そういう部分での温度差もある。まあ、仕方ないわな。22時過ぎに散会。泊まりたかったけど明日も朝から仕事なので熊本に帰る。信号以外はノンストップでかっ飛ばしたら1時間45分で自宅に到着した。『ゴー！ゴー！トレジャーハンティング』の作品紹介：上演時間は20分。前作を遥かに凌ぐハイスピードノンストップコメディです。30本ほど手元にあるので、見たい方はご一報を。
仕事の後、雨傘屋開店公演『２０９０年子どもの領分』を見た。夕辺東亜さん作・演出の旗揚げ公演。物語の骨格がしっかりして配役が良く、面白い芝居に仕上がっていたと思う。「夕辺さん、こういうの作りたかったんだ」というのがよく伝わった。しっかりした骨格の理由が後で分かって、個人的には戯曲を作る参考になった。一つ難点を言えば、旗揚げアトリエ公演で２，０００円という料金設定は高いと思った（店舗貸切だから賃料が高く付いたのかもしれないが）。でもまあ、こういう芝居がもっとあってもいいんじゃないですか。好き嫌いはあるかもしれないけど、観劇人口の絶対数が増えればそれも強みに変わると思う。熊本はまだまだバリエーションが足りないと思うから、僕はもっともっと増えて欲しいと思う。
ミクシィを始めてかれこれ３年近く経過した。もっぱら知人や友人の近況を知るためのツールだったけど、最近はいろんなアプリが充実して、多彩な情報発信が出来る優れモノだと実感し始めた。そこで今日、過去に撮った写真なども掲載してみた。このブログも舞台に立つことも実は同じだけど、自分の何かを人に見られるのはとても恥ずかしい。それでも見せる必要のない自分を敢えて晒すのは、舌足らずな自分の思いを上手に伝える技術を磨くためである。「下手だから人には見せられない」と考えるのが正論かもしれない。でも人に見られた方が上達は早い。腕を磨きたいことはどんどん人目に晒すべきだと思い始めた。しかし年齢を重ねるほど、恥を晒すのが怖くなる。おそらくこれから先、その恐怖心と向上心とのせめぎ合いが続くのだろう。
真夜中ミサイル稽古。いつもの肉練の後半立ち稽古。他の役者を袖から見守っていたら代役を自分に振られた。出来なかった。完全な観客モードだったので油断してたのもあるけど、実は少し怖気づいてた。得意分野や不得意分野があるにしても「出来ない」を言ったら役者としてはおしまいなんだな。帰宅してからもしばらく凹んでた。
仕事休み。先日結成された一眼レフカメラ同好会のメンバー４人で写真撮影に行く。いつもより早起きして大宰府天満宮までドライブ。演劇関係者同士なら話題には事欠かないが、今回は芝居や仕事とは違う立場のメンバー。４人中２人は初対面で、多少不安もあったが、同じ目的だったことが幸いして打ち解けるのは案外早かった。この歳で新しいことを始めるのは刺激的だ。何事にも深入りできない飽きっぽい僕のような性分でも、同じ目的を持つ仲間に恵まれると案外飽きることなく続けられると思う。不安もあるが何よりも新しい価値観に出会う楽しみが大きい。撮影を終えた後はお互いの写真を見比べる。人の写真と見比べると面白い。僕は撮り方のバリエーションすら知らないから、いろいろ試すだけで十分楽しいけど、上手い人の写真を眺めていると、撮影の時から作品にする意志を感じる。完成予想図を想像しているようだ。技術も大事だけど、個性は視点や想像力の差かもしれない。
連休のツケが回ったと痛感した一日。事前の段取り不足で一日バタバタしてしまう。残業の後、帰宅。ふと思い出したように、押入れの奥に収めたままだったアイロンと裁縫道具を取り出し、借りていた衣装のアイロン掛けと手直しをする。手直しついでに、穴が開いた靴下も縫い合わせてみた。捨てるつもりだったが少しの手直しで再利用可能だった。靴下一足なんて買えば安いものだ。しかし僕が一日針仕事をしたって靴下一足縫い上げることすらできない。もしかしたら僕の一日分の労働など、靴下一足分にさえなっていないのかもしれない・・・そう考えたらモノに対して謙虚な気持ちになれる。所有権なんて誰一人持ってない。自分が生きている間、地球上の物質を勝手に加工して使用しているに過ぎないのだ。労働の価値とか所有権などというものは、あってないものかもしれない。
仕事休み。久しぶりの二連休。連休だと仕事のことを忘れられる。だけどそれは職場から電話が掛かってこなければの話だが・・・。実家に保管してあったバイクのバッテリーが不調だったので交換を済ませてエンジンを始動。無事始動したので、カメラを持って熊本新港まで往復する。低速での加速があまり冴えなかったのはまだ完全に目覚めていない証拠かもしれない。目覚めの悪いところは僕と似ている。
仕事休み。昼から習い事に行きドトールで読書をしようと思ったが人が多すぎたのでミスドに行く。男一人で立ち寄る雰囲気の店ではないが、ミスドのコーヒーは意外と美味しいのである。意外と美味しいと言えば、高速道路のサービスエリアで食べるラーメンとコンビニ弁当もそう思う。喫茶店やラーメン屋と言えば必ず口コミで挙げられる店があるが、チェーン店の方が安心する。もちろんお気に入りの喫茶店が何店かあるけど、旅先では店選びに手間を惜しむことがあるので重宝する。でもチェーン店だからこそ難しいと思うのは味の均一化だと思う。関西と関東では水質が違うというし、熊本市内と市外でも水質が違うらしい。水質で味が変わるのだから、同じ味覚を出すために味付けを変える必要がある。確か味覚を数値化する計測器があると聞いたことがある。でもこういう機器が使えるのは全国チェーンを展開する大企業くらいだから、複数店舗を経営する個人経営者にとっては自分の味覚が全てであり、職人技の一つだと思う。チェーン店と違ってそれはそれで魅力的である。
