文在寅大統領の誕生で韓国はどう変わるのか
朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免にともなう大統領選挙が韓国で5月9日に行なわれ、
文在寅(ムン・ジェイン)氏が圧倒的な得票を得て当選した。
9年ぶりの政権交代となった韓国。果たして、どのように変わっていくのか。
第一の変化は北朝鮮問題
通常なら、
大統領選挙に当選しても実際に就任するまで2カ月の準備期間があった。
しかし、
今回は朴槿恵前大統領の罷免にともなう選挙だったので、
すぐに文在寅大統領が誕生する。
任期は5年間。
現在の韓国は内外ともに課題が山積しているが、
今後の舵取りは文在寅大統領が担っていくことになる。
彼の大統領就任によって韓国が劇的に変わる。
その最たるものが北朝鮮との関係だ。
李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵と続いた9年間の保守政権では、
北朝鮮と対話をせずに対立が続いた。
それ以前の金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)の革新政権が
北朝鮮との融和をはかる太陽政策を掲げていたのとは、
あまりに対照的だった。
日韓合意の見直しに言及
文在寅大統領は盧武鉉政権で大統領秘書室長を務めた人物。
太陽政策を受け継いで北朝鮮との対話に乗り出すことになる。
アメリカや日本は北朝鮮に圧力をかけて核開発を放棄させようとしているが、
文在寅大統領のスタンスが違うのは明らか。
安全保障の面でアメリカ、日本、韓国の同盟関係に変化が起こるのは間違いない。
ただし、
李明博と朴槿恵の保守政権が南北関係を悪化させたのは事実であり、
対話を重んじる文在寅大統領の政策が北朝鮮を軟化させる可能性がある。
分断国家の韓国にとって、
北朝鮮政策は一番重要な政治課題。
新しい大統領もこの問題に最大の情熱と努力を注いでいくだろう。
一方、
日本にとって最も気になるのが、文在寅大統領の対日政策。
彼は選挙期間中に、
「従軍慰安婦問題の日韓合意は間違いだった」と語り、
日韓合意の見直しに取り組むことを宣言していた。
しかし、
この問題で日本側は絶対に譲歩しない。
日韓合意において完全決着を日本側が強調していたのも、
その後の見直しに応じない強い決意を示したものだった。
日韓関係の改善に取り組むか
文在寅大統領もやがて日韓合意を認めざるをえなくなる。
国民は強く見直しを求めてくるだろうが、
外交には妥協が必須なのである。
果たして、
文在寅大統領はどう対処しようとするのか。
幸い、
彼は日韓関係において、
歴史問題とその他の問題を分けて考えるべきだという意見を持つ。
朴槿恵前大統領のような「能力のない指導者」ではない。
大統領官邸の秘書室長時代にはあらゆる政策に熟知していた。
そういう人が大統領になった以上、
日韓関係も今のままでいいということにはならないだろう。
戦後の日韓関係が最も良好だったのが、
1998年に両国が「日韓パートナーシップ宣言」を結んだときだった。
そのときの韓国の大統領は金大中。
その彼の功績を無にしたのが李明博と朴槿恵であり、
その保守政権を終わらせた文在寅大統領が、
日韓関係の改善に成果を見せるのではないだろうか。
今の日韓関係は難しい問題を抱えているのは確かだが、
韓国の新しい大統領に期待したい。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
私は難しい政治問題は全く分かりませんが
韓国と摩擦がない様に仲良く出来る様にと
願うのみであります~~