地球生物会議ALIVE代表の野上ふさ子さんが10月10日に永眠されました。
動物を愛する人なら、皆ご存じだと思いますが、
地球上のあらゆる動物たちの環境改善のために一生を捧げられた方で、
まだまだ、ご活躍が望まれたのに、大切な方だったのに・・・
本当に、本当に…残念です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
☆野上さんを知るきっかけになった「実験犬シロの願い」
☆以前、ここでもお勧めの犬の本(2007・6・8)紹介しましたが、
野上さんが紹介文を書かれてる「この子達を救いたい」
☆野上さんの遺作になりましたが、最新の本「いのちに共感する生き方:人も自然も」
以上、三冊を紹介しておきたいと思います。
『実験犬シロの願い』
紹介文 転載
1匹の白い犬が星になりました……。
その犬の名は、シロ。
1年前、ある病院の実験犬として脊髄を削られ、手当もされずに、
死を待つばかりだったところを保護された犬でした。
テレビや新聞に、そのことが大きく取り上げられると、
日本中からシロへの励ましと、
病院への抗議が殺到したのです……。
これは、捨てられ、実験される犬たちと、
そうした不幸な犬たちを救い続ける人々の実話です。
実験室という密室の中で何が行われているのか、ほとんどの人には知られていないのです。
皆さんと同じように、私も初めて実験される動物たちの姿を見たときのいい知れぬショックは、
現代社会はあまりに複雑になり、さまざまな事柄において
ハンバーグやソーセージが肉で作られていることを知らない若い世代は、
勇気を持って事実を知ること―それが意識の変革の第一歩だと思います。
動物実験の問題は、「かわいそう」と言うだけに止まらず、動物実験がもたらす医療の間化、
苦しむ動物の姿は私たちの人間の姿なのです。そのような全体像が理解されるようになれば、
人の世の中には、受け入れがたい不運や不幸があり、数え切れない苦しみや涙があります。
実験室の動物たちには、自らの痛みや苦しみを訴える術がありません。
私たちは、人から人へ伝える言葉を持っています。その人間だけが持つ力を使いましょう。
井さんはまさにその力をふるって、パネル展を開催し、またこの本を通じて、
動物実験の削減と廃止に向けての活動の中でも、もっとも大切な部分は
「動物を犠牲にし、自然を破壊し、環境を限りなく汚染していく現代の社会はこれでいいのだろうか?」
「動物実験などに依存しない医療はないのだろうか?
動物実験について考えることは、ひいてはこのような問題に目覚めることでもあります。
紹介文 転載
動物・野生生物の福祉と保護、動物実験の問題に生涯をささげた
野上ふさ子氏の思想と人生、の軌跡。
死の直前まで筆を取った自伝。先入観をとっぱらうほどの面白さ。
おどろきと感動にあふれた、真に美しい生き方の見本がここにある。
私は、人間の行動の原点には、共感というものがあると考える。
共感こそ、人間を人間足らしめる最も大きな本質的な能力のひとつである。
・・・自分という小さな枠を超えて、自分を越えるより大きなものに
共感していく、これが人間の知性や理性の源泉でもある。
・・・少なくとも私は、どんな小さなことでも闘おうとしてきた。
もし、自分が行うことが、正しいものであると信ずることができれば、
この世の中に怖いものはなにひとつない。
動物ではない人間であるからこそ、動物のために動物のことを理解し、
動物に共感し、動物の苦しみを救いたいと考えることができる。
自然は私の一部であり、自然破壊は私の一部分の破壊である。
・・・自然に共感するからこそ、山の木が切られたりダムで埋め立て
られたり、干潟が潰されたりしていくことが耐えられないからこそ、
自然保護運動を行っている。
すべて、共感というものの上に成り立っている。
共感は、人間の社会活動の源泉であるということが言える。
(本文より)
☆この『実験犬シロ』のお話は、できれば世の中のすべての人に見ていただきたいです。
実験犬シロのねがい―動物実験の無益さを社会に問いかけた犬の物語。YouTube