自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

「てだのふあ・おきなわ亭」のふうちゃん 『太陽の子』

2011-12-13 07:16:27 | 児童文学
ボクが初めて沖縄に行ったのは、2003年だからもう9年前。


目的は石垣島に知り合いができて、案内してもらったのが最初。



島の美しさはもちろん、海や空、島の人たちや見知らぬおばあまで、どこまでもあったかい。


翌年、娘を連れてダビングのライセンスを取りに行って、その後何度も・・・・




沖縄は大好きです。


青い海と、青い空と、とくに八重山の蕎麦がうまい。



でもその陰には、米軍の基地の問題やら、米兵が侵す犯罪や、悲しい現実と語りつくせない原因が隠れている。



そういったところには、どう目を向けていっていいのかわからないし、触れてはいけないような気もしてしまう。



『太陽の子』灰谷健次郎





『兎の眼』を読んだ後に、何人もの人たちにこの『太陽の子』を薦められました。



 ―――てだは太陽、ふあは子
 ・・・てだのふあはふうちゃんのことなんや
 太陽の子ふうちゃんというわけよ。
 ・・・な、オジやん。
      (てだのふあ・おきなわ亭にて)


こんな扉の文章から始まる、ふうちゃんとふうちゃんを取り巻く家族や愛すべき人たちの物語。



あったかくて、読んでいるだけで沖縄びとたちの人への想いや優しさが伝わってくる。



ふうちゃんがいい。


ふうちゃんが、本当に子供らしくて、輝いている。



太陽の子だから。


喧嘩する常連さんを叱り飛ばしたり、不良少年にからだごとぶつかって面倒見たり・・・小学校6年生のふうちゃんは、本当に素直でキラキラしています。



でも、ふうちゃんが輝いているからこそ、沖縄の悲しみがそこここにあふれだす。


そして、深い悲しみを持っている人たちは、どこまでもやさしい。


大好きだけど笑わないお父さんと手をつないで散歩するふうちゃんは、その悲しみを知らずに輝いている。


生きることは、輝きばかりに目を向けることではなく、目を背けたくなる闇に正面から向き合うこと。


だからこそ、その輝きが増していく。


てだのふあ・おきなわ亭は、ふうちゃんのおとうさんとおかあさんが営んでいる神戸にある沖縄料理店。


そこに集まる、常連さんたちと織りなす、ふうちゃんの日常は本当にうらやましいほど。



ピクニックでふうちゃんが食べてた重詰料理・・・・うまそうだったなぁ。









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