こんにちは
いよいよ夏本番さながらで、「暑いですね~。」という挨拶言葉があたりまえのようになってきました。
そんな季節ですので、洗面を使用する機会も増えると思いますが、今回は洗面化粧台ではなくてカウンターのみの交換という施工のワザを紹介したいと思います。
内容は、洗面化粧台の洗面器にヒビが入ってしまって、洗面化粧台全部ではなくて、洗面器部分だけの交換を希望されているとのこと。
そのお客様は一度、メーカーのショールームに同様の件で問い合わせをしたようですが、「出来ません」というつれない返事だったそうです。
今回は、私どもでリフォーム工事をさせていただいたお客様が、私どもの仕事ぶりを気にっていただいて、困っている友人の方を「きっとこの方だったらなんとかしてくれるわよ」というこでご紹介にいただいたことです。
そしていよいよ現場へと下見に伺うと…
まず現状の洗面台は、洗面器ボウルと洗面カウンターを組み合わせたシステムのものでした
洗面ボウルの形状にくり抜いたカウンターを取り付けたキャビネットに洗面ボウルを取付けしているというものですので、当然洗面ボウルだけの交換は可能なので「洗面ボウルだけの交換は可能ですよ」とお伝えしましたが、ふと、その時なぜ、メーカーのショールームは簡単に出来ないという返事をお客様にしたのだろうと思い、持参したメーカーのカタログをめくって洗面器ボウルを確認したところ、同様の形状または排水の位置の合うものが見当たらない…ということは、既に廃番になっているということ…これが「出来ない」ということだったのか。
とりあえず、その旨をお客様にお伝えして、洗面ボウルの細かいサイズを測って在庫の確認とそれに合わせられる洗面ボウルを探すことになりました。
と、それで今日のところは終わりと思ったところで、お客様からもうひとつ依頼がありました。
それは、「洗面ボウルをこのまま交換出来たとしても、カウンターと洗面ボウルの接合部掃除がしにくく、カビまで出てしまっているので、最近よく見かける洗面ボウルカウンター一体型のに交換出来ませんか?」ということでした。
うーん…、それは洗面器ではなく、洗面化粧台セットがそうおうモデルになってきていることがわかっていたので、出来るとしたら、洗面化粧台キャビネットごとの交換しかないのではなかと。
それで、キャビネットのサイズを測ってみると、あれ、なんか低い…、そうなんです、こちらの商品は特注で製造され納められていたものでした。マンションなど戸数が多く配管の関係上こういったケースはたまに見られます。
とりあえず詳しく探してみないとわかりませんので、後日の回答を約束してお客様のところを後にしました。
まずは、洗面ボウルですが、こちらは受注生産で同様の形状のものがメーカーで提供してることがわかりました。おそらくメーカーのショールームが出来ませんとお客様にお伝えしたは、お客様は品番もわからず、正確な寸法もなく形状を口頭で伝えたので、情報が少なかっためかなと推測されます。ですが、品番のシールがないか、細かい寸法や写真などの情報を再お客様に確認してもらえるようお伝えしておけば、良かったのかなと思ったり…。
今度は洗面台キャビネットですが、メーカーからの回答は不可でした。特注での製作なども問い合わせしましたが、全てノーで、特注は受けられないとのことでした。
やはり無理か…とあきらめかけた時、洗面台キャビネットはそのままで、洗面カウンターだ交換というのは出来ないだろうかとふと思い、カウンターのサイズを確認し、メーカーの洗面一体型のカウンター規格と比較してみると、ほぼ大きさが同じなものがあるということがわかりました。
これならと思い、再度メーカーの技術に問い合わせしたところ、回答は以下のような内容でした。
「こちらのシステムのカウンターは選べるようになっていますが、あくまで、洗面キャビネットにカウンターを取付しての出荷商品です。カウンターのみを既設のものに交換というのは、現の規格には合わないと思われますので、こちらとしては不可とさせていただきます。現場対応お願いします。」…なるほど、メーカーサイドとしては、規格外のものに対しては対応しないということ。
だからと言ってお客様の望みをかなえてあげたいという気持ちは強く、簡単にはあきらめきずに再度お客様のところへ訪問させていただき、キャビネットとカウンターがどのように取付れているかを確認しました。するとL字の金具で留められていることがわかり、これなら出来ると確信しました。念のため、その部分の写真を施工担当の大工の棟梁に確認してもらったところ、同様に大丈夫という太鼓判を押していただき、お客様にお伝えし、施工の依頼をいただきました。
その後、メーカーとしては想定外のケースでしたので、部材だけ出荷してもらうのに苦労いたしましたが、無事出荷してもらい、いよいよ工事にかかりました。
施工中です。やはりすんなりとはいかず、一部カウンターエッジの裏側にある下地を現場加工してもらいました。さすが、棟梁。
交換完了しました。いよいよ不可能が可能となった瞬間の写真です。
洗面化粧台セットを入れ替えるより半額以下で済んで、しかも望み通りの洗面にお客様も大満足していただきました。
時間も手間もかかりましたが、今回の対応に対してお客様より感謝の言葉があり、この仕事してて良かったなと思える瞬間でした。
千広(せんひろ)デザインサービスでは、26年の経験を生かして、出来る限りお客さまのご希望に添えるように相談や提案など最大限努力させていただいております。
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