goo blog サービス終了のお知らせ 

野球日誌

プロ野球を始め、野球に関する私的日誌

野球留学について

2006-07-30 23:10:43 | 高校野球に関して思う
全国高校野球選手権大会の地方予選がたけなわで、各県代表が次々と決まっている。今年も高校野球の季節、“暑い夏”がやってきた(7月28日)。

高校野球の野球留学について反対の意見はよく聞く。北国の代表なのに大阪出身者ばかりがいるとかそういう批判で、そういった学校を批判している。「もう地元代表じゃない」とかがこの野球留学に反対している人たちの意見だ。

はたしてそうだろうか?居住している都道府県の学校以外に進学してはいけないのだろうか?
そもそも地元の定義が曖昧である。生まれた都道府県と高校生の現在住んでいる都道府県が一緒とは限らない。生まれたのはA県で、育ったのはB県というのは珍しくないだろう。この場合野球留学反対論者はどちらの県の高校に進学すべきと考えているのだろうか?
では、義務教育を終えた県が地元なのだろうか?確かに殆どの人は小学校から中学校まで同じ都道府県の学校であると思う(筆者推定)。しかしだからと言って高校から別の都道府県にある学校に通って悪いのであろうか?というか首都圏に住んでいれば東京の周りの県から東京の学校に通うのは珍しくないだろう。
確かに田舎では高校まで同じ都道府県に通うのが一般的だ。交通の便が悪いし、学校の数も少ない。特に隣県でも受け入れる私立学校の数が少ない。否応なしに地元の高校に通うだろう。
しかし首都圏は違う。交通の便も良く、私立学校の数も多い。そんな環境の中で卒業した中学のある県の高校に進学する事に拘るのがおかしい。市川市に住んでいる生徒が江戸川区の高校に進学して野球部に入部したら野球留学なのだろうか?これは名古屋圏や大阪圏にも言えるだろう。
田舎でさえ県境に住んでいると隣県に進学するケースはある。事実私の場合、県北に住んでいたので両県の公立高校の受験が可能であった。現在は試験日を統一したそうだが私たちの時は数日ずらして両方受験可能にしていた。このケースで隣県に進学して野球を続けたら野球留学なのであろうか?

そもそもどこの学校に進学しようが生徒及びその家族の自由だ。沖縄の中学生が北海道に行こうが、その逆であろうが学校が入学許可をしているのだから他人が口を挟むものではない。それでそこの学校の野球部が強くなったからと言って批判される事でもないし、それを批判するのはやっかみにしか取れない。
大学なら全国各地に進学しても当たり前だ。それなのに何故高校は駄目なのだろう?野球(または他のスポーツ)の才能があり、それを武器に遠い強豪高校に進学するのが何故悪いのだろうか?学校側は名前を売り出したい。そのためにはスポーツで知名度を上げる。とりわけ野球が一番人気があり、甲子園に出場するのが一番効果的だ。学校側は宣伝になる、生徒側は憧れの甲子園に出場できる(かもしれない)。中にはその学校への進学が将来のプロ野球への第一歩と考えている生徒だっているはずだ。それと授業料免除などの得点もあろう。両者の思惑が一致したのだ。何の問題もあるまい。

学業優秀な中学生が田舎から出てきて都会の有名私立高に入学する場合もあるだろう。それと同じで、武器が学業かスポーツかなだけだ。

そもそも野球留学への批判の根底には「地元出身者じゃない」という意識がある。これ自体がおかしいのだ。別に甲子園に行くのは地元を代表して行っている訳ではない。勿論何々県代表ではあるのだが、地元の名誉を背負って戦場に行って来る訳ではない。「おらが村の英雄」みたいな感情を代表校に抱くから「留学がおかしい」なんて意識が起こるのだ。甲子園出場は単なる高校の部活動の中の野球という種目で代表になっただけの話しで、決して地元住民や都道府県の住民を代表して出場しているのではない。
だから派手な壮行会は不要だ。仮に優勝したとしても甲子園から帰ってきての凱旋パレードなんかも止めた方が良い。どちらも校内だけで生徒や父兄、関係者がお祝い行事をすればよい。市長への報告も無意味だ。他のスポーツも、特に人気のないスポーツも全てこうしているのだろうか?文化系の部活動でもそうしているのであろうか?甲子園出場校を郷土の代表に祭り上げる風潮はもういいかげんに止めにしたらよい。

高校野球

2006-07-26 00:15:41 | 高校野球に関して思う
 この記事は作成中です。記憶だけで書いているので間違っている箇所もあるかと思います。調べながら逐一直していきます。
 
 またぞろ高校野球において変なニュースが飛び込んできた。夏の高校野球選手権大会秋田県予選の準決勝、本荘高校対秋田高校戦において勝利チームの本荘高校監督が打者に対し故意の三振を指示したというのだ。これに対し秋田県高野連はこの監督に対し始末書、しかも部長や校長連名の始末書の提出を求めているという。全くもって呆れてしまう。高野連という組織は一体高校野球にどんな精神を求めているのだろう?(決勝戦が終わった直後の記事です)

 記事を読んでみると試合は7回の裏秋田高校攻撃途中で12対1と本荘高校が圧倒的リード。このままでは本荘高校の7回コールド勝ちが濃厚であった。しかし季節はあいにくの梅雨、空は雨模様で降雨コールドゲーム(またはノーゲーム)の心配もあったらしい。そこで秋田高校側は不自然な投手交代や意識的と思われるボールの連発で試合を遅らせ、ノーゲームに持ち込もうという遅延作戦に出た。これに対し本荘高校側が取った対抗手段が”故意の三振”だったわけだ(それを注意されると今度は三塁走者のホームスチールでのタッチアウト)。

 ここで野球の詳しくない読者のためにコールドゲームの説明をしておく。コールドゲームとは試合の途中でその試合の終了を宣告するゲームのことで、そのコールドゲームには2種類あり、一つは点差によるコールドゲーム、もう一つは天候など自然条件によるコールドゲームがある。

 前者は両校に圧倒的力の差があり「9回まで待たなくても勝負は決まった!」という場合に宣告され、主に高校野球などの予選に適用される。高校野球のレベルの格差には天と地程の差がある。片や甲子園常連校でエースや4番は秋のドラフトでプロに指名される学校もあれば、部員が満足に集まりもせず、予選直前になって陸上部などから臨時の助っ人を借りてやっと出場する学校もある。実績のある学校・甲子園を目指す学校はシード校に指定されたり、相手が無名の学校の場合エースを温存したりするが、それでも力量の差は如何ともしがたくプロに指名を受けるようなピッチャーからは完全試合やノーヒット・ノーランを食わされてしまうのもしばしある。こういった場合9回を待たずとも試合結果は見えている。また、試合を終わらせようにも実力校の攻撃は打者一巡などざらで試合もなかなか終わらないのが実情だ。そこで試合途中で終了とする訳だ。強いて例えればボクシングで言うTKOと言ったところか。高校野球の予選では5回を終わって10点差、7回を終わって7点差がついていると次の回に進まずに試合終了が宣告される。先の例で言えば「5回参考ながら完全試合を達成」のように表現される。
 
 これに対し後者はグラウンド状況などから見てこれ以上試合を続けるのが無理と判断された場合に宣告される。5回終了以前に宣告されればノーゲーム、5回を終了していればその時にリードしていたチームの勝ちとなる。余談だが野球の試合は何故か5回に拘り、勝ち投手の権利も先発したピッチャーは5回を終了しないと貰えない。逆に言うと5回を終了すると試合が成り立つので、よく○試合連続出場などの記録を達成した選手が5回終了後に試合成立となりその時点でアナウンスされ花束を渡される光景は目にしたことがあろう。5回で試合成立とするのは5回が試合(9回)の約半分という所からだろう。

 話しを秋田県予選に戻す。このケースは両方のコールドゲームが入り混じっている。本荘高校は6回終了時点で9-1と秋田高校に7点差を付け、点差コールド勝ちの権利を得ている。しかも7回表にはダメ押しともい得る3点を追加しこのままならコールド勝ちは決定的であった。しかし説明した通りたとえ12対1と圧倒的にリードしながらも7回終了以前に雨天によるコールドゲームを宣告されるとその時点でノーゲームとなり、再試合となる。そこで秋田高校側は不自然な投手交代や故意と思われる四球で試合を引き伸ばしに掛かり、ノーゲームを狙ってきたという。本荘高校としては、7回までに12点も取り勝ちが見えているのでこの時点でノーゲームは納得がいかないだろう。しかし納得いかないからといってもルールはルールだから仕方がない。だから何としても試合は成立させたい。そう思うのは当然だ。そのために普通なら打者には「粘るな」「早打ちしろ」なんて指示が出る。この場合はボールを連発され、相手側が四球作戦に出たので、それならと故意の三振作戦で対抗し早めに切り上げようとしたのだろう。
 
 監督とは試合に勝つために指示を出す立場の人間だ。この試合では逆転される事は事実上ありえず、相手がノーゲームを狙ってきたので本荘高校側としては試合を早めに切り上げる作戦に出た訳である。これのどこがいけないのだろう?例えば柔道でポイントをリードした選手が勝ちに持ち込もうと逃げの態勢に入り終了のブザーを待つという作戦が悪いのだろうか?面白いか面白くないかは別にしてそれ(ポイント制)がルールなのだから何の問題もない。逃げに入った選手だって下手をすれば警告を出され逆にポイントを奪われる危険性だってあるのだ。そんな中敢えて自分のリードを守りきろうと自らの攻撃を積極的にしないのは批判される事でもない。この試合は丁度そんな感じである。

 10年程前、東京の新鋭強豪校が試合の中でホームインできるタイミングなのに本塁に突っ込まず話題になった事がある。突っ込まなかった理由はその走者が生還するとその時点でコールドゲームが成立してしまうからであった。控え選手を試合に出場させたくてもう少し試合を引き延ばそうとの意図であった。
 監督としてはレギュラー以外の選手も試合に出させたいという親心がある。それに準レギュラーの子どもたちなら試合に出して経験を積ませたいと思うのもチーム作りのためなら当然だ。どこが非難される事が理解に苦しむ。コールドゲームを成立させようとすれば非難され、引き延ばしに掛ろうとすれば非難されるでは立つ瀬がない。

 ここで思い出されるのは平成4年の夏の選手権大会、石川県代表の星陵高校と高知県代表の明徳義塾高校の試合である。もうあまりにも有名な“事件”なので敢えて説明はしないが星陵高校の4番、松井秀喜三塁手に対し5打席連続敬遠をし、これが”フェアプレーに反する“と物議を醸したのだ。今は左手首の骨折からリハビリ中だが、大リーグきっての名門ニューヨーク・ヤンキースの主力打者として活躍している松井選手。当時は超高校球のバッターとして恐れられていた。この年の春の選抜大会から甲子園のラッキーゾーンは撤廃された。奇しくもその開幕試合に出たのが星陵高校。松井選手はラッキーゾーン撤廃などまるで関係ないといったように2本の本塁打をセンターバックスクリーンに打ち込んだ(筆者の記憶)。ここまで凄い打者なら明徳義塾高校監督鳴らずとも相手にしたくないのは十分に理解できる。敬遠も立派な戦法であるし、それが1アウト2・3塁の場面でゲッツー狙いで使われようが2アウトランナーなしの場面で使われようが構わない。

 ソフトバンク王監督の全盛時代、初めて三冠王を獲得した年はやはり2アウトランナーなしの場面で敬遠された事があった。しかし、王の凄まじさを伝える事はあっても非難はなかった。
 高校野球に大人の勝手な思いこみでフェアプレイ精神を押しつけるのはもう止めた方が良い。


以下の分は関係ありません。
本荘 1024203 12
秋田 0001000 1
普通なら三振よりも1球目から打ってアウトになる方が回転は速いが下手にヒットになっても困るし、エラーされるのも怖かったのかもしれない。
 後でその試合状況をネットで調べてみた。負けた
もう一つが雨などの天候により試合続行が不可能な場合である。前者は
ネットで記事を読むと案の定あたかもそれを批判するような色合いだ。さらに