題詠「手」(第6号)より抜粋
童画のうしろ 久志歌代
いまだ解(げ)せぬ幼きころの遊び歌<蟻の手と手と手々と手と手と>
手をつなぎ夕焼け見てゐし幼どち今は童画のうしろ姿よ
歌留多あそび晴着のたもと気にしつつ早いお手付き何時もわたくし
立読みの吾(あ)を探しあて暗がりゆ頻り手招く母、怖かりき
手形捺(お)しし手帖いつしか見失ふ 朱(あけ)のもみぢの小さきてのひら
くるりくるり手首の回転リズミカルに編みゐし歳月いまも色濃し
握手欲る手にてありしか ふと触れて潤みたる眼に笑みて別れ来
舞う手踊る手 山根木よしたけ
春いまだ浅き十二歳(じゅうに)の槍踊り翳す双手の震えやまざる
身の回り舞い手踊り手芸尽くめ脂粉の香りに包みこまれて
折りもおり大阪松竹歌劇(OSK)と手をつなぎ菖蒲池遊園地(あやめがいけ)にも円形劇場
男装の麗人達の輪の中で戀の手習いレッスン・ワンを
踊り子に感化されしにあらざれど舞の手さばき舞踏に変わる
足拍子(サバテアート)・手拍子(パルマ)・指鳴らし(ビート)に魅了され母に背いてアンダルシアの
母は逝きあの日のスター”K”も逝き手に茫茫と蒼い月虹
(それぞれ、連作13首から7首を抜粋しました。)
(第6号、2005年11月1日発行)
童画のうしろ 久志歌代
いまだ解(げ)せぬ幼きころの遊び歌<蟻の手と手と手々と手と手と>
手をつなぎ夕焼け見てゐし幼どち今は童画のうしろ姿よ
歌留多あそび晴着のたもと気にしつつ早いお手付き何時もわたくし
立読みの吾(あ)を探しあて暗がりゆ頻り手招く母、怖かりき
手形捺(お)しし手帖いつしか見失ふ 朱(あけ)のもみぢの小さきてのひら
くるりくるり手首の回転リズミカルに編みゐし歳月いまも色濃し
握手欲る手にてありしか ふと触れて潤みたる眼に笑みて別れ来
舞う手踊る手 山根木よしたけ
春いまだ浅き十二歳(じゅうに)の槍踊り翳す双手の震えやまざる
身の回り舞い手踊り手芸尽くめ脂粉の香りに包みこまれて
折りもおり大阪松竹歌劇(OSK)と手をつなぎ菖蒲池遊園地(あやめがいけ)にも円形劇場
男装の麗人達の輪の中で戀の手習いレッスン・ワンを
踊り子に感化されしにあらざれど舞の手さばき舞踏に変わる
足拍子(サバテアート)・手拍子(パルマ)・指鳴らし(ビート)に魅了され母に背いてアンダルシアの
母は逝きあの日のスター”K”も逝き手に茫茫と蒼い月虹
(それぞれ、連作13首から7首を抜粋しました。)
(第6号、2005年11月1日発行)