井泉短歌会

ようこそ、井泉(せいせん)短歌会です。

創刊のことば

2005年03月22日 | 創刊のことば
創刊のことば

                             竹村紀年子

 本号をもって歌誌「井泉」を創刊する。
 この誌名は、師春日井建の第八歌集『井泉』に由来し、ご生前の同先生が、
この名で歌誌を立ち上げてはとお奨めくださったものである。当時すでに病篤
かった先生が、中部短歌で実った果実が方々で種をこぼし、新しい若々しい芽
が育ったら、それだけ私の分身が増えるわけで、それもどんなに嬉しいことか
と語られたお声は、未だ筆者の耳に鮮しい。
 先生への追慕の悲しみは到底尽きないが、病を越え、痛苦を凌いで凛(すず)しくも
成し遂げられた業績を仰ぎ、その高志を継いで、微力ながら「井泉」の誌名の
もとに、息長く学び合うことが会員すべての願いである。
 先生がかつて、新聞に寄稿された文章の中に「新人とは芸術の世界であれ、
勝負の世界であれ、変転きわまりない時や状況の最前線に立っている人達のこ
とだ。」と書かれている。新しく発足する本誌もまた同じであろうと思えば緊
張に耐えない。さらに続けて「いずれにしろ新人は、<永遠の孤独>に立ってい
る。その仕事は時代の前線で進行中である。審判をくだすのは<時>だ。」と
ある言葉を肝に銘じ、会員相互のあたたかい心の和を力として、新しい出発を
することにしよう。そして湧き出る泉のように豊かな作品や作者が生まれてほ
しいと、心から願う。ちなみに、歌集『井泉』の帯文には、「井泉」とは湧水
する歌の源泉であると記されている。


(創刊号、平成17年(2005年)1月1日発行)

第二号目次

2005年03月09日 | 目次
「井泉」第二号 目次 (2005年3月)
表紙絵 春日井建

招待作品
 葡萄のみどり・・・坪内稔典 2

題詠「顔」
 若草の猫 ・・・金竹眞木子 4
 ×(バツ)・・・喜多昭夫 5

作品(一)・・・6

リレー評論 短歌の今を考える
 井泉のごとく一日は・・・小塩卓哉 22
 若い歌人たちの歌に関するメモ・・・彦坂美喜子 26

江村彩歌集『空を映して』評
 古楽器を抱いて・・・紺野万里 30
 アトラスをたどる・・・真中朋久 32

作品(二)・・・34

前号歌評(前)・・・岡嶋憲治 52
前号歌評(後)・・・竹村紀年子 54

作品(三)・・・56

評伝 春日井建(一)・・・岡嶋憲治 72

いずみ(随筆)
 コクトオの天使・・・大熊桂子 75
 「美男におはす井泉飛天」・・・堀田宏子 75

連載 現代短歌はどこで成立するか(50)・・・彦坂美喜子 77

歌会だより・・・80
会則・投稿規定
編集後記 


創刊号目次

2005年03月09日 | 目次
「井泉」創刊号 (2005年1月)
春日井建追悼特集号 目次    
表紙 春日井建「仕事をするときのけん」

創刊のことば・・・竹村紀年子 1

<特集>春日井建追悼
 手に応えて・・・佐藤通雅 4
 魂の自由・・・高野公彦 6
 読まざるの記・・・平井弘 8
 一本の煙草 春日井建さんへ・・・安森敏隆 10
 玉川温泉・・・雀部佐紀子 12
 兄弟 兄の「うた」を添えて・・・春日井郁 14
 豊饒の時・・・森久仁子 18
 入院中の夢 春日井建のブラックユーモア・・・岡嶋憲治 20
 悲しみもまた非在なる 春日井建の最後の歌と絵・・・新畑美代子 23

写真および絶筆・・・26
追悼歌・・・竹村紀年子 28

作品(一)・・・29

<特集>春日井建論
 「新しい歌空間」をもとめて・・・江村彩 46
 純白の一代男 青葦に寄せて・・・大熊桂子 50
 内面を透視する眼差し・・・喜多昭夫 53

作品(二)・・・56

<リレー評論>短歌の今を考える
 秀歌と愛誦歌とリアリティ・・・荻原裕幸 70
 「表現」をめぐる「今」・・・佐藤晶 74

作品(三)・・・78

<連載>現代短歌はどこで成立するか(49)・・・彦坂美喜子 97

規約・会則・運営委員
投稿規定
編集後記