晴晴ブログ

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日本の「民度」は?  

2021-06-07 11:25:36 | 日記
民度とは特定の地域・国に住む人々または集団の平均的な知的水準、教育水準、文化水準、行動様式などの成熟度の程度を指す。『Wikipedia』より。

麻生財務大臣の「民度のレベルが違う」発言が話題になった事がありますが、新型コロナウイルスへの対応が緩かったにもかかわらず、感染者数、死者数ともに欧米諸国に比べて桁違いに少なかった「日本の奇跡」を「民度」という言葉で表現した発言です。
そもそも、新型コロナウイルスで事業の継続に苦慮している人たちを支援するプロジェクトで、ほとんど運用実態のない幽霊会社を通して何10億円もピンハネするような政治がまかり通っている日本の民度が、高いレベルとは到底思えません。また、河井法務大臣の選挙違反、菅原元経済産業大臣の選挙違反、黒川東京高等検察庁検事長だった検事が賭けマージャンの常習者だったという国の民度は、ほんとに高いのでしょうか。

下記の基準で民度の判断材料としますと。
*教育水準(大学進学率)
22位:日本51%(1位:オーストラリア96%)。 
大学進学率はOECDの平均63%を大きく下回っている。
*貧困の度合い(貧困率)
「貧困率ランキング」で見ると、(OECD、2017年より)
15位:日本15.7%。貧困率が最も低いのはアイスランドの5.40%。少なくとも、日本はアメリカ(17.8%)や韓国(17.4%)よりも貧困率はわずかながらも低いから、民度が高いとも言える。とはいえ、日本の貧富の格差は拡大し続けていると言われ、新型コロナによって、その格差はさらに拡大する可能性が高い。
*治安(犯罪発生率)
治安がいい国、というのが日本国内では定着した日本のイメージと考えられていますが、本当にそうだろうか。「国連薬物犯罪事務所」(10万人当たり)の調査によると「殺人発生率」では、日本は174カ国中168位:0.24件。アメリカは5.32件。犯罪率が低いからといって、イコール民度が高いともいえない。日本の場合は他の国と異なる点が2点ある。一つは、一度逮捕されたら勾留期間が長期に及ぶこと。「代用監獄制度」が機能していて、どんな軽微な犯罪であっても2週間程度は警察に勾留される。ほとんどの犯罪が数時間程度で釈放される欧米諸国に比べると、その強権度合いは大きい。更に、日本の刑法犯の場合、一度起訴されてしまうと99.8%が有罪という「有罪率」の高さも際立っている。仮に、この強権的なシステムが日本の民度の高さを維持しているとしたら、素直に喜んでいいものかとも思う。
*雇用環境(失業率)
2019年のIMFの調査によると、日本の失業率は105カ国中98位、2.36%と完全雇用の状況に近い。所が、日本では相変わらず、総務省が発表した5月の失業率は前月比0.3%増の2.9%にとどまっている。ブルームバーグも指摘しているが、日本では休業者を失業率に含めないために低くなっており、休業者を全部失業者とすれば11%程度になるそうだ。
*道徳観(パワハラ発生率)国際ランキング
パワハラの多少でその国の民度がわかるとも言われる。例えば「この5年間に、職場の上司や同僚から、いじめや身体的・精神的な攻撃といったハラスメントを受けたことがあるか」というアンケートに対して、日本はワースト4位にランクされている。
*腐敗の度合い(汚職や賄賂の社会的認知度)
政治家や政府、公務員などの公的分野での腐敗度を示したデータに「腐敗認識指数というのがある。2019年の数値を見ると、日本は20位。
(2021年3月時点)
*衛生観念(健康な国かどうか)
ブルームバーグが2019年2月に発表した「健康な国ランキング」による
と、1位はスペイン。日本は4位。
*賃金(最低賃金)
OECDの2018年の世界の最低賃金ランキング(時給)
1位オーストラリア12.1ドル。日本は11位の8.1ドル。
OECDの「平均年収ランキング(2018年)」で見ると、日本はOECD加盟国35カ国中19位。

こうしてみると、確かにある部分では欧米諸国よりも高い水準のモノもあるが、日本だけが特別に優れていることを的確に示しているものは特に見当たらない。
統計は、あくまでもその分析方法によって、また別の結論が導き出されることも多いため、何とも言えないが……。

最後に、国政選挙の投票率が52.7% と余りにも低すぎる。
投票率の低さは民度の低さ?

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