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鬼滅の刃 「鬼、再び」

2020-10-19 13:02:41 | 二次小説

pixiv、ハーメルンで以前投稿してい鬼滅、続編として書いています。

オヤジ、年上キャラが好きな作者なのです。

オリジナルヒロイン、煉獄槇寿郎、悲鳴嶼行冥などが出てきます

 

 

 

ははは、融合したぞ鬼舞辻 無惨を自分の中に取り込んだ、今までの鬼ではない、だが、もっと完璧、いや完全になる為には必要なもの、者がある。
 鬼殺しだと、鬼殺隊、だが、あやつらは人間ではないか、ただの人間だ。
 恐怖はない、だから、お前は手を取らなければいけないと呼びかけた女に。
 
 
 帰って来るなと言われたとき父は怒っていた、だからといって弟から手紙を受け取り相談されては見過ごすことなどできない。
 「実は数日前に遠出をなさって、それからなのです」
 珍しいと思ったのも無理はない、普段、家から殆ど出たことはなかったからだ、自分が鬼殺隊に入ってから父との交流は殆どない、疎まれているのではないかと最初の思うことがあった、母が亡くなってせいもあるのだろう。
 弟が不安になり、自分に手紙をよこしたこともあり一度、家に帰ろうと杏寿郎は思った、だが、近頃では鬼の出現が以前よりも増えている。
 昼間は大丈夫だと思っていると、日が陰る夕方、雨の降る日にも彼らは現れる、人を襲うこともあるが、何もせずに逃げる事もあるので隊員達は苛立ちを感じ、何かの前触れではないかと不安を感じていた。
 こんなときこそ、柱である自分達がしっかりとしなければと思うが、正直、杏寿郎は迷っていた、一度、親方様に相談してみようか、それから答えを出しても遅くはないだろうと考えていた。
 
 「煉獄さん、でしたよね」
 声をかけられて振り返ると女性がゆっくりとした足取りで近づいてきた、屋敷の離れに住んでいる女性は色々と噂のある不思議な女性だ、軽く右足を引きずっている、怪我をしたのかと尋ねると具合の悪そうに言葉を濁された。
 「鬼ではないですか」
 真っ白な髪の女は顔を上げると首を振りかけたが小さく頷いた。
 「親方様が呼んでいましたよ」
 「待ってくれ、聞きたい事がある」
 悲鳴嶼行冥と恋仲だったという噂がある女性は、今は、彼にそっくりな鬼と住んでいる、そのことに対して柱である悲鳴嶼行冥は何も言わない、だが、苦しんでいるのはわかるのだ、同じ柱の仲間として自分には何もできない事が無力で歯がゆい、そんな自分に女が小さな声で言った。
 「近いうちに、ここを出て行くんです」
 ぽつりと呟くようにだ。
 
 「よく来てくれた、煉獄槇寿郎殿」
 頭を下げられた、これで自分はと槇寿郎は拳をぎゅっと握りしめ、次の言葉をまった。
 「頼みたいことがある、断らないでくれるとありがたいのだが」
 ここまできて、そんな事をいうのかと目の前の男、親方様と呼ばれる青年に頭を下げた、数日前の呼び出しから答えを出すのに時間はかからなかった。
 「もし、断ると言ったらどうするつもりで」
 最後まで続かない言葉だ、だが、内心、ほっとする自分がいた。
 「君にしか頼めないと言ったら」
 
 そのとき、悲鳴が聞こえた、屋敷の、こんな近くで。
 
 鬼は両手を広げた、邪魔をする者はいない、柱に似たあの鬼は家の中だ、自分の手下達が足止めをしている、柱の能力を持ってしても、数ではこちらが上だ。
 そして、敵陣である鬼殺しの屋敷似近い場所とはいえ、柱の殆どはいない。
 「さあ、おいで一緒に行こう」
 生まれ変わった鬼は両手は両手を広げた、だが、女はわずかに首を振る、怯えているのだ、だが、それは鬼の自分に対する恐怖からではない。
 「ここにいれば、いずれ疎まれるだろう、お前の中に流れる血が鬼を、人を、男を惑わせる、それを断ち切れば楽になれる」
 
 強そうな名前ね、将来は何になるのと彼女は笑った、答えられなかったのは恥ずかしかったからだ。
 あの人は大人で背が高く、自分は子供で、ちびだった、だが、数年もしたら背も高くなる、体も大きく大人になって強い男に、そうしたら誰にも何も文句なんて言わせない。
 あなたを娶る、夫婦になって欲しいと言う、男だから自分から言わなければと思っていた、いつも子供扱いされていた、だが、あの日、初めて呼ばれた。
 
 「煉獄槇寿郎さん」
 
 だが、鬼に殺された、あの人は。