草莽の記     杉田謙一

教育・防衛・慰霊・エネルギー・歴史についての意見

チベット支援はかつての恩義に報いる道

2008-03-19 11:39:40 | Weblog
 チベットは高貴な国である。決して暴発せず、歴史の荒波に耐え続けていまもいる。
 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世の特使団は、中国政府と断続的に交渉、同氏の帰国やチベット情勢などを粘り強く協議してきたのであった。
 ダライ・ラマ氏は侵略追放の悲哀を一身に抱えながらも隊中国批判を隠忍自重し、独立をうたわず、中国政府に「高度な自治」を求めてきた。武力を背景に植民主義を展開する中国に対して、大譲歩した小国亡命政権の悲哀を思う。

 しかし、中国政府のダライ・ラマ批判は止まず、チベット自治区のトップ、張慶黎・党委書記らは全人代で、北京五輪に向け「最大の不安定要素はダライ・ラマ集団。一日たりとも分裂活動を中止しない(分裂主義者)」と非難していた。

 そもそも中国、胡主席は、チベット自治区党委書記時代の八十九年、ラサ暴動を鎮圧し、その功績が故小平に評価され昇進につながったという。チベット弾圧の総司令官であったのだ。今回も全世界的中国批判を一顧だにせず、軍と経済力、さらに国連拒否権国の立場、さらにオリンピック開催国メリットを最大限利用し、チベット制圧を公然とはかろうとしている。

 いま、侵略へのチベット国民の平和的な抗議行動は、中国政府の強行突破方針のなかで、チベット各地のみか近隣自治州さらにアメリカ、フランスなど全国で激しく燃え盛ってきている。
 現行の中国統治下で、チベットの人々の心に深く根ざしてきた憤りの爆発を誘発した。五輪の前に国内矛盾を一挙に一掃しようとした強圧的政府の挑戦に、もはや我慢の限界点をこえてしまったのだ。そして現実を知った世界が動いた。スピルバーグ監督の父はチベット仏教の研究者という。その思いが巨匠の良心を動かし、オリンピックの選手の良心に伝わり、英国皇太子の平和への行動を導いた。
侵略と虐殺を許さぬ全世界的良心のあらわれが全世界的広がりを持ち始めてきた。

 この事態を受けて、ダライ・ラマ十四世は、遂に「自制なければ退かねばならない」事を表明された.

 これは重大事態である。
 
 穏健派でしかも精神的支柱の十四世を失えば、独立急進派がリーダーシップをとり、事態は泥沼化しそうな気配である。イスラムの怨念の再来とならぬとどうしていえようか

「これまで絶えず申し上げてきたように、武力行使による統一と安定は一時的な解決にしかなりません。武力支配下にあっては統一と安定を期待するのは非現実的であり、平和的、永続的な解決策を見いだす助けとなることもありません。したがって、私は、中国指導部に対して、武力の行使を中止し、チベットの人々との対話を通して、長年鬱積してきたチベットの人々の憤りに本気で取り組んでくださるよう訴えます。また、同胞のチベット人に対して、暴力に訴えないよう強く求めます。」
 
 かく声明を述べる十四世の悲痛な訴えをわが日本が積極的に答えなくてはならない。
 かつて大東亜戦争開戦時、連合軍の強力な要請を断固跳ね除け、対日批判に走らず、連合軍に参加せずに中立を守ってくれた、チベットの恩義に答える道である。


                               

                               

1 コメント

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Unknown (支持者)
2008-03-19 19:12:11
  土曜日、チベツト支援抗議集会
名古屋の高校生も、参加します。
二十二日午前十時
名古屋駅新幹線側に
ブログを読んでいる
全ての愛国者の皆様、
組織の枠を超え、
愛国者として、日本を護る
戦う国民として、参加ください。
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