年末も差し迫った大晦日の午後に、我が家の庭先の塀に付いていたサナギから、蝶が羽化した。
以前にもプランターの植物でサナギ化していたが、その時は巧く羽化せずに死んでしまっていたので、ちゃんと蝶となったことは大変喜ばしいことであった

…が、しかし、時は年の瀬、しかも、あろう事か、羽化して間もなく雪が降り始めた(これが昨年の初雪だから何ともはやw)

寒さもあって、ずっとサナギの殻に掴まったままだった蝶は、一日中そのままでいた。
そして、新年、大晦日の雪は止んでいたが、蝶は…そのままいたw
最初、羽化を喜んでいた子供らも、段々と不安になってきた

私も気になるので、折を見ては様子を見ていたが、午後になり、サナギに留まっていないのを見て、『いよいよ飛び立ったのか?でも何を食するんだろうw』と思ってその辺を見渡したところ、…いた!
すぐ下のコンクリで覆われた地面で羽を広げた形でじっとしていた。
すぐに手に取り、全体をくまなく視てみたが、大きな外傷らしきものはなかった。
いや、最初気付いていなかったので、誤って踏んでしまっていないかと思ったのだ””
家に持ち帰り、手の平に載せた状態で様子を見ていたら、人肌で温まったためか、少し動けるようになった。
ハチミツを少しとって口元にやると、ストロー状の舌を伸ばして吸おうとしたが、ハチミツが粘ついて上手くいかなかった””(結局、このハチミツそのままというのは大失敗で、後々まで響くw)
ぬるま湯で湿らせた脱脂綿にハチミツを少しだけ滲ませてやってみたが、ハチミツで粘ついた舌が体に張り付き、巧く動かせない。楊枝でそうっと舌を剥がしてやり、そのまま脱脂綿に誘導してやると、少しだが、グイグイと動かして、なんだか摂取している様子

何度か、ゆっくりと羽ばたくが、飛び立てそうにないw
仕方ないので、しばらく手の上で暖めた後、プラスチックの飼育ケースに、ティッシュ(留まれるように)と、ハチミツ入りの湿らせた脱脂綿を一緒に入れた。
しばらくは、飼育ケースの中を歩き回り、蓋の裏に留まる形で落ち着いていたが、脱脂綿には見向きもしなかった。
翌日、今度は、脱脂綿に、ぬるま湯で溶いた砂糖水を染み込ませて与えてみた。
それでも、さほど興味を示さない。よく見ると、また舌が張り付いているので、再び楊枝で剥がした。
そうして、その翌朝、見てみると、留まっていた蓋の裏から逆さまの形で底に落ちていたので、慌てて出してみた。
まだ死んではいなかった””
そのまま手の上で温めてやり、砂糖水の脱脂綿を口元に持っていった。だが、まだ舌が体に張り付くようなので、楊枝で剥がして誘導した。
すると、少し反応があったようなので、少しは飲めたのか?””
結局、あまり元気が出ないようなのでそのままそっとティッシュの上に戻した。
事もあろうに、この日から、三泊四日の予定で里帰りすることになっていたのだw
不安ではあったが、連れて行くのも酷な気がして、そのまま置いていくことにした。
帰省先から戻った時に、恐る恐るケースを覗いてみたが、出掛けた時のままの形で死んでしまっていた…

言い訳するようだが、おそらく、あのまま、様子を見ていたとしても、程なく死んでしまったように思われるw
画像では羽を閉じているが、広げた表の羽は、濃いめの山吹色で、黒い斑点模様があり、下羽の縁には黒い帯と、虹色の小さな模様が入っていて、なかなかに綺麗な蝶であった。
幼虫の頃は、真っ黒で赤い斑点模様のある芋虫だったが、これはなんという蝶なのだろう?
家にある、小さな虫のガイドブックには載っていなかった。
今度また、内の庭先でサナギになることがあるとしたら、季節を間違えずに、温かい頃に羽化できるよう祈っている