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晴蓮の中国語

会話とは仲良くなること!ビジネスや旅行にハッピーな結果を生むため、中国の健康法、食材、風水などを素材に学びましょう。

●なにげなく箸を置いたら -日本と中国の箸の文化(1)

2016-03-19 21:35:30 | 日中の交流
先日、4人の友達と中華レストランで食事しました。フランス人が二人、日本人が二人、そして中国人が一人、これは私です。

食事の途中で、フランス人のシモーヌが言いました。「ちょっと気がついたんだけど、箸の置き方がいろいろですね。手前に横向きにして置く人。右側に縦にして置く人。よく見ると、日本人は横置き、中国人は縦置きです。これ、なにか理由があるんですか」

私(晴蓮)「たしかに、そうですねえ。それぞれの習慣だと思いますが、置き方は昔から決まりになっているようです」

シモーヌ「どうして、そんな決まりになったんですか」

■便利な置き方

浩太さんが言いました。「中国では、大皿の料理をみんなで取って食べるのが普通ですね。そこで、箸の先がそのまま大皿のほうを向いているほうが便利じゃないんでしょうか」

晴蓮「そうですね。縦に置いてあるほうが、箸を右手で取ってすぐ使えますし、実用的です。日本では『めいめい膳』で、手元の皿から取るので、大皿のほうに向いている必要はありませんね」

浩太「唐の時代には横置きだったのが、その後に変化したと聞いたことがあります」

■優雅なマナー

亜美「中国に行ったとき見たんですが、食事が終わったときに手前に横向きに置いていました」

晴蓮「はい。中国では、食事中は縦に置いて、食事が終わったというサインのために横置きにするという習慣があります」

ルイ「わかりやすくて、いいマナーですね」

晴蓮「みんながしているわけではないですけれどね。そういえば、私は日本人の箸の扱いがとても優雅だと思いますよ」

ルイ「どういうことですか」

私が実演しながら話します。「右手の手の平を下にして箸を取り上げます。下から左手で受けて、右手の手の平を上にして持ち直し、左手を離します。日本でみんながしているわけではないですが、この動きは丁寧できれいですね。中国にはない習慣です」

ルイが真剣に真似しながら言います。「なんか、ぼくがやるときれいではない。スムーズにすると、たしかに素敵ですが」

シモーヌ「和服の女性がそれをすると、最高にきれいですね。こんど和服でやってみます」

■武士と結界

浩太「昔の日本では、武士が闘争の気持ちがないことをあらわすために横置きにしたという話があります。縦に置くと、箸のとがった先が正面の相手に向いてしまいますから」

ルイ「サムライの世界ですか」

晴蓮「それから、日本では箸が『結界』をあらわすんだと聞いたこともあります。自分の向こう側に置いてある食べ物は神様の世界。自分は人間の世界。その間を分けるのが箸の結界です。食べ物は神様がくださったものです。それを食べるには、まず感謝して、それから箸を取って結界を破る。そしていただくわけです」

シモーヌ「わあ、なんだか深い話ですね」

こうしてみると、箸の置き方ひとつとっても、日本や中国の深い文化が背景にあるようですね。その日のディナーは日本、中国、フランスの文化でずっと盛り上がっていました。

次回は日本と中国の箸のルールです。


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