今年の佐賀城下ひな祭りの際、「山の困った物だ」を代表する孟宗竹(モウソウダケ)をを材料にしたオブジェを数箇所に展示した。
作者は、自称竹仙人こと田邊Y。田邊は、国内に現存する孔子廟では足利学校(栃木県)、閑谷学校(岡山県)についで古く、なかでも最も壮麗と言われる多久聖廟の近くにアトリエを構えている。
コラボレーションの依頼以降数回会っただけだが、年齢、妻帯の有無を問うたことはない。
容貌は、仙人と自称するだけありエキセントリックである。かと言って、挙動・言動に怪しさはない。ただ、問いかけに対してかなり間を置く独自性がある。
田邊は平成15年、佐賀県美術展入選以後、新聞・TVで紹介され、地元佐賀で数回、今年一月には福岡のシーホークで個展を開いている。作品は高さ60cmから2m位のものまである。
加熱して広げたり、ひねったりした形も様々だが、いたってノーマル。辛口な表現をすれば、日本人が持つ竹のイメージの埒から出てはいない。
しかし、丁寧に皮を剥ぎ、ウレタンコーティングが施された色合いはエキセントリックの面目躍如たるものがある。深みあり、透明感あり。田邊の深層心理が滲出したかのようである。
仙人であるからして、妙な押し出しに勝算を感じさせるが、商才には恵まれていないようだ。
今のところ、甘口に言えば「作品を世に問う」段階なのだろうが、個展を開くあたりを考えると、矢張り、雲を食っているのだ。
作品の値付けは2~6万円。特段人を食った設定ではない。価値とは、それを見出す者のみが決めるのであり、時代の風次第でもある。「自価」であり「時価」でもある。
田邊にTPOの「P」と「O」、具体的には、店舗の装飾にあたる作品を作らないかと話したことがある。先のブログに書いた「ペルソナ」である。田邊の返事は「・・・・・・・・・。」
アーチストとアーチザンの違いは何か。無知蒙昧を曝し、或る一面だけを根拠に言えば、高邁が見過ごせない物を紡ぎだす者、そうでない者が気になる物を造り出す者ではないかと思う。驚愕と感動で心中をざわつかせ、人を日常から刹那切り離すのがアーチストの作品なら、我々の日常を満たすものは、アーチザン、職人と言って良い彼らが日々造りだす物ではないかと思う。
鉄・土・木・竹・ガラス等を操れる野のアーチザンが結集すれば・・・。
彼等の腕・技と英知を集積しプロデュースするのが、仕事の一端なのだが。
田邊は7月中旬、NHK佐賀放送局のラウンジで作品の展示を行う予定。
彼のEメール
e-mail: shochikuyumekobo@minos.ocn.ne.jp
作者は、自称竹仙人こと田邊Y。田邊は、国内に現存する孔子廟では足利学校(栃木県)、閑谷学校(岡山県)についで古く、なかでも最も壮麗と言われる多久聖廟の近くにアトリエを構えている。
コラボレーションの依頼以降数回会っただけだが、年齢、妻帯の有無を問うたことはない。
容貌は、仙人と自称するだけありエキセントリックである。かと言って、挙動・言動に怪しさはない。ただ、問いかけに対してかなり間を置く独自性がある。
田邊は平成15年、佐賀県美術展入選以後、新聞・TVで紹介され、地元佐賀で数回、今年一月には福岡のシーホークで個展を開いている。作品は高さ60cmから2m位のものまである。
加熱して広げたり、ひねったりした形も様々だが、いたってノーマル。辛口な表現をすれば、日本人が持つ竹のイメージの埒から出てはいない。
しかし、丁寧に皮を剥ぎ、ウレタンコーティングが施された色合いはエキセントリックの面目躍如たるものがある。深みあり、透明感あり。田邊の深層心理が滲出したかのようである。
仙人であるからして、妙な押し出しに勝算を感じさせるが、商才には恵まれていないようだ。
今のところ、甘口に言えば「作品を世に問う」段階なのだろうが、個展を開くあたりを考えると、矢張り、雲を食っているのだ。
作品の値付けは2~6万円。特段人を食った設定ではない。価値とは、それを見出す者のみが決めるのであり、時代の風次第でもある。「自価」であり「時価」でもある。
田邊にTPOの「P」と「O」、具体的には、店舗の装飾にあたる作品を作らないかと話したことがある。先のブログに書いた「ペルソナ」である。田邊の返事は「・・・・・・・・・。」
アーチストとアーチザンの違いは何か。無知蒙昧を曝し、或る一面だけを根拠に言えば、高邁が見過ごせない物を紡ぎだす者、そうでない者が気になる物を造り出す者ではないかと思う。驚愕と感動で心中をざわつかせ、人を日常から刹那切り離すのがアーチストの作品なら、我々の日常を満たすものは、アーチザン、職人と言って良い彼らが日々造りだす物ではないかと思う。
鉄・土・木・竹・ガラス等を操れる野のアーチザンが結集すれば・・・。
彼等の腕・技と英知を集積しプロデュースするのが、仕事の一端なのだが。
田邊は7月中旬、NHK佐賀放送局のラウンジで作品の展示を行う予定。
彼のEメール
e-mail: shochikuyumekobo@minos.ocn.ne.jp