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Second Effort

撚れたり挫折したり。上手く行かない方が多い。それでも、次の努力、チャレンジを忘れずにいたい。

スッポンを捕る

2007-06-29 08:44:43 | 生き物
田植えをしていてスッポンを捕った。
トロトロと機械を進めて田植えをしていると、何かが突然波を立て左手後方へ走った。
水深は3cm程度、波のたち具合から魚類、ウシガエル等ではない。先日近くの小川で見かけたスッポンだと直感。カメはこれほど早くは動けない。

機械を止めて、そいつが潜りこんだ辺りの泥中を探ってみると、少し柔らかいものに触れた。大きさを確かめるため甲羅をなぞると、結構でかい。頭がどの方向を向いているかが判らない。皮手袋をしているとはいえ、噛まれてはシャレにならない。ポリバケツで泥ごと掬い取った。先日見かけたものより大きい、甲羅の大きさが25cm程あるスッポンだ。

この辺りは、治水の神様と称される成冨兵庫が城下を氾濫から守るために行った築堤の外側にあたる。平地ダム内の低平地と言って良い。圃場整備がなされておらず、小川は今も変わらず板と土で護岸されている。低平地であるが故に相対的に水位が高く、川を堰止めれば田に水を引き入れることができる。その際、ハヤやナマズ、コイなど川の生き物が入って来る。生命の行き来が可能なのだ。

この小川でスッポンが見られるようになったのはここ数年である。水質、水底の土壌に変化があるのだろうか。或いは、彼等がエサとするものが増え、個体数が多くなったスッポンがこの辺りにまで進出してきたのだろうか。増加したエサとして考えられるのはジャンボタニシである。
白石では、稲苗を食害するジャンボタニシを駆除するためにスッポンを放していると言う。しかし困ったことに、スッポンを捕る人が出て来たとも聞く。これも食物連鎖の図式ではあろう。
昨今の報道を見聞する度に暗澹たる気分に陥る。駆除されるべきは人の傲慢ではないか。糾弾されるべきは驕慢ではないか。ヒエラルキーのトップに在りながら恥はおろか足るを知らない。

アオウオが佐賀にいるかも

2007-05-18 16:38:56 | 生き物
 中国四大家魚と呼ばれる魚たちがいる。淡水魚釣りに詳しい方はご存知だろう。ソウギョ・ハクレン・コクレン・アオウオだ。

Web「青魚倶楽部」の資料によると、明治期から昭和初頭まで農林水産局により食料増産を目的にソウギョを主に中国から移入される。輸出地での選抜的な採捕、幼魚期の選別が困難だった為ハクレン10%、コクレン・アオウオが1%以下の割合で混じったと思われ、繁殖が確認されている利根川水系における現生息数比に繋がっているのではないかとされている。

4種とも大きく育ち1mを超えるものも珍しくないといわれるが、30cm位から飼育を始めたソウギョはコイ主体の混養の為か1mになるのに15年程かかった。

その後も全国各地で、水草の繁茂抑制・除去を目的として放流は続けられているようだが、佐賀・福岡の筑後川水系でソウギョ以外を目にしたことはない。他種の放流数が少ないのが主な要因だろう。
久留米市の北、筑後川に架かる両筑橋で「イルカほどの魚がジャンプするのを見た。」という話を聞いた。
後日、「地元の名人がその巨魚に挑み、針がかりはさせたものの、その走りを止められなかった。」との記事も雑誌で目にした。

淡水大型魚のジャンプといえばハクレンを想像するが、この辺りでは、霞ヶ浦などで見られるヘラブナ釣りをパワーアップしたような浮子釣りをあまり見たことがない。そのような釣りをしているベテラン釣り師の話を聞く機会が一度あったが、彼はレンギョを知らなかった。大方の釣りが専らブッコミ釣りであることを考慮に入れるとハクレンと特定するのは難しく、泳層・食性を変えて棲み分けをしているとされるコクレンかどうかの特定はより困難だ。
しかし四大家魚のうち表層にいるとされるソウギョが、岸辺に浮かせたヨシの葉、底を1m切った胴突き仕掛け、底に落としたイモにもヒットするのも事実だ。

佐賀新聞社刊「佐賀の淡水魚」がハクレンを「1978年に筑後川で記録あり」、コクレンを「1982年 有明海」と写真付で紹介している。1985年7月26日朝刊記事として写真で紹介しているのはアオウオだろう。記事引用の経緯もあってか、「ソウギョ 全長1.48m、胴回り85cm、重さ55kg 筑後川」と記しているが、体長と重量の関係、何よりソウギョよりもザラツキが目立つ鱗、頭部の形状及び目の位置などから判断している。

環境に変化を及ぼす要因となる筑後大堰は1985年4月に稼動を開始している。
果たして現在もハクレン・コクレン・アオウオがこの流域に生息しているかは判らないが、繁殖が確認されていないソウギョが、数を減じた印象を与えることなく見受けられるのは、継続的な放流によるものだろう。
そこに3種が混入する可能性はとても低いが。
この流域での大型魚釣りは、ルアーによるスズキを例外に殆どコイが対象で、イモがエサとして用いられている。
ヘラブナに似た食性を持つレンギョ、甲殻類を主食とするアオウオなどは外道として釣り上げられる可能性が低いのではないか。
この辺りを拠り所に彼等の存在を想う。

中国の国鳥がタンチョウヅルに?

2007-05-16 23:13:54 | 生き物

一週間位前の新聞だったかWebだったか詳細に憶えてはいないが、“国鳥を制定していない中国で、国鳥に相応しいのは何か調査した結果、タンチョウヅルが一番多くの人に支持された。”という記事を読んだ。

中国に国鳥がなかった事に少し驚いたが、その記事の下りには驚いた、感心した。
飽くまでも国鳥制定を想起しての事だろうが、“タンチョウヅルの学名に日本を意味する文字が含まれるのは好ましくない、学名を変えるべきだ~。“とあったからだ。
学名はラテン語で記される。属名と種小名の二名法である。
タンチョウヅルの学名は Grus japonensis。Grusはツル属を表す。その後のjaponensisに拘ったのだ。

ラテン語は既に進化?今日化を停止しており、学名他一部でしか使用されていない言語だろう。
進化・変化をしないことで、事象を誤謬・曲解なく説明できるのかも知れない。種小名は制定に際して持ち込まれたサンプルの採集地などの補足ではないかと思う。
日本に於いて既に絶滅したトキはNiponia nippon。10回繰り返せばバレーボールの応援だ。

分類学の父と言われるリンネに始まったとされるこの分類法も、システムは兎も角、オペレートを誤れば悪弊をもたらす例に漏れない。
コマドリをご存知だろうか?姉妹でなくてもいいのだが~。
鳴き声が「ヒンヒンカラカラ」と馬のいななきに似てるからとされる彼の学名は Erithacus akahige。
ラテン語は大方ローマ字発音と同様だろうと思っている。種小名は「アカヒゲ」だ。
精力剤をアピールする九州の某薬局を思い出してしまうが~。
同属の近縁種にアカヒゲがいる。未だ実物を見たことがないが、彼の学名はErithacus komadori。
種小名は「コマドリ」。登録時に両者を取り違えたのだ。流石に英名は正しいが変えようがないらしい。

学名の変更を望む声に、一部賛同しても良いと最近思っている。如何に由緒正しき分類による学名とは言え、始まりがリンネだからだ。
リンネは18世紀の人。彼は三角貿易、人身売買を肯定するかの如くアフリカ大陸に住む人種を「ホモ モンストロスス」と規定している。
モンストロススとはモンスターの語源であろう。アフリカ(黒の意)に住む者は怪しく、非文明的な生き物だから捕縛・飼育し、我々が指導・活用しなければならないとする当時のヨーロッパの傲慢・驕慢・無知をリンネはそのまま引き写したのだ。
これが一部賛同の理由だ。
学名も中国の人々がそう言うのなら変わるかも知れない。
混迷と頑迷を背景に、多数決・資本主義、ここにビジネス特許を練り込めば。現在想定し得る最強の三位一体の出来上がりではないか。何事かならざらん。

学名以下、英名・標準和名がある。この三者を見比べると、その言語を用いる人がどのようにモノを見ているかが判る。上記したコマドリは鳴き声により、アカヒゲはその容姿により夫々を日本人は認識して来たのだろう。
何時だったかこれも忘れたが、同じテキストなのにどうして、さつまいもとサツマイモが出てくるのか教職の者に尋いたことがあった。国語科は「柔らかい中身が伝わらないから平仮名がいい。」理科は「理科ではカタカナで表記する決まりです。」双方一理ある?二桁の掛け算をマスターするのが先か?

しかし、その先は一体どうなるのだ。さつまいもは柔らかいだけでなく、サツマイモは理科に縛られてはいない。
区別を覚えて人はどうなった。彼は彼である。見る者の数だけ姿・形・触感・食感など様々な光を彼は放っている。
せめて漢字表記にできないか。薩摩芋はどう?硬口鰯、胡麻鯖はどうだ!
レブンアツモリソウ→礼文敦盛草。礼文島にある敦盛草と類推できないか?
それならば、クマガイソウ→熊谷草。何か感じられないか?平敦盛も熊谷直美も実在した人物ではないか。
それが何故植物に冠されている?名前は未知の扉を開くキー。

人が手前の都合で勝手に貼り付ける名前。せめて、実態の一部分を知る喜びも与えてくれる、手がかりとなるものにできないか。名付け親の光栄に与った人に望む。今日あるのは、茫漠の中一筋の道に導かれたからではないか。名前とは、英知を次代に託す指標でもあろう。

リンネは許せないが。タンチョウは変えてほしくない。自国名で満足して貰えないだろうか。