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CFA受験対策

2009-09-13 | CFA
日本語でのCFA試験の情報はネットで検索してみてもまだまだ少ない。

コメントでJamesさんからリクエストを頂いたのと、自分の記録、それと今後受験される方へ少しでも参考になればと思ったので、私が使った勉強方法などをここにまとめておくことにした。


【前置き】

まず、CFAとはChartered Financial Analystの略で世界全国共通の英語で行われる資格試験です。
日本でも日本証券アナリスト(CMA)の資格があり、内容は重なってる部分もあると聞いたことがありますが、詳しいことは分かりません。
実は日本で仕事をしてる時期にCMAにチャレンジしてみようかと思ったことがあったのですが、会計・ファイナンス用語の日本語が分からず挫折しました。(苦笑)

CFAの試験はレベル1から3まで3段階あって、レベル1は6月と12月の年2回受験可能で、レベル2と3は毎年6月に年1回だけ受験が出来ます。
私は2008年6月にレベル1に合格。翌年2009年6月にレベル2に合格しました。

試験対策は、英語力、個人の金融知識レベルによって違ってくると思います。
私の場合は英語に困ると言うことはなかったのと、今までの仕事の経験が直接CFAの内容に当てはまる部分が多かったのはプラスだったと思います。
なので、私が取った勉強方法が誰にでも当てはまるとは思いませんが、参考にしてもらえれば・・・と思います。


【勉強開始時期】

これは個人差があると思います。
私はレベル1もレベル2も年明けから勉強を開始しました。
レベル2は新年明けても怠け癖が抜けず、本格的に始めたのは1月末だったかな。
でもこれは出遅れた分を5月になっても取り返せず、後悔しました。

基本的に年末はサンクスギビングからクリスマスまでの時期はイベントなども増えて出かける機会が多くなるし(日本でも年末は忘年会やクリスマスパーティーなど状況は同じだと思います)その度に「CFAの勉強をしなきゃいけないのに」と罪悪感を感じるのが嫌だったので、12月いっぱいは家族や友人と楽しく過ごして、新年が明けてから心機一転で試験までの約5ヶ月勉強すれば、レベル1も2も十分だと思います。

っていうか、あまり早くから始めても最初の頃に読んだことを6ヶ月以上先の試験までretain出来るのか?ということもあるし、精神的にburn outしてしまう可能性もあります。
CFAの試験は100点を取らなくてもいいのです。
70%以上取れば大抵は合格と言われています。
そしてこの試験は短距離走ではなく、どちらかというとマラソンに近いです。
短期間に詰め込んで合格できる人は、きっとよほど頭の切れる人か最高に記憶力に優れた人だけだと思います。
だから試験の本番にピークを持っていくように、自分の時間とペースを上手くコントロールするのが大切です。

CFA Institute(CFAI)は最低250時間の勉強を奨めていますが、実際には5ヶ月ちょっとの期間にみっちり勉強したら250時間は軽く越えると思います。

私の場合は平日は週10-12時間、終末に12-15時間ずつ約5ヶ月間勉強時間に費やしました。
2年連続、最後の2週間は仕事も休みを取ったので朝から晩まで勉強してました。
レベル1も2も400時間くらいだと思います。
(注:勉強途中の休憩時間や、やる気がしなくてつい本屋の中をうろうろしたりネットサーフしていた時間も含みます。)


【レベル1】

使用教材:
Schweser Notes - Book 1-6 (including Practice Exam Book 6)
Schweser Pro Q-Bank CD

今は試験に登録すると自動的にCFAIからテキストが送られて来て、登録料にテキスト代も含まれていますが、正直言ってCFAIにお金を取られるだけ損してる気もします。
(注:段ボール箱に6冊の分厚いテキストが入っていてかなり重いので、持ち上げる時に気をつけないと腰を痛める危険あり。笑)

Schweserは分厚さで言うとCFAIのテキストの3分の2くらいなので、特にレベル1はある程度基本的な会計・ファイナンス知識がある人ならSchweserだけで勉強すれば十分だと思います。
私はCFAIのテキストはEthicsのセクションと各科目の章末の問題以外はレベル1では殆ど使用しませんでした。

さらにSchweserは全てのLearning Outcome Statements(LOS)が文中に記載されていて、LOS毎に内容が区切られているのが私の好みに合っていました。


シアトルのCFA SocietyがSeattle Univと提携してレビューコースを提供しています。(詳しくはコチラから)
1月から4月末まで毎週土曜日に2~3時間のコースです。
CFA Charter HoldersまたはSeattle UnivやUWの教授がそれぞれの科目の講義をしてくれます。
今思うと内容的にはレベル1は受ける必要はなかったかとも思いますが、私の場合会社が費用を全額出してくれたので、レベル1から受講しました。

ちなみにこのレビューコースにはSchweserの教材費も含まれています。
別途にSchweserの教材を購入しても$350またはCD付きだと$500-$600近くかかるので、このレビューコースは高くないと思います。


どのセクションから入るかは個人の好みだと思いますが、私はこのレビューコースのスケジュールに沿って勉強を進めました。
私にとってはこのレビューコースは何よりも勉強のペースをつかむのにとても役に立ちました。

私の会社の上司からアドバイスを頂いたのが、自分のノートを作る事でした。
とにかくレベル1の突破に必要なのは『スピード』と『広く浅い知識』。
ちなみに私は毎週土曜日にレビューコースに行く前の予習は全くしませんでした。(^^;)
講師も2-3時間の間に全ての内容を詳しくカバーするのは不可能なので、重要なポイントに絞って講義を進めていきます。

なので私が取った方法は

1.レビューのクラスに行って講義でまずそれぞれのトピックにどんな内容が含まれているのかを把握して、大まかに重要なポイントを把握する。


2.講義で内容を聞いた後、自分でSchweserのテキストをとにかく隅から隅まで読む。

3.講師の方がはしょった部分も含めて全体の内容を把握した後、自分で各Study Session(SS)ごとに講義を聴いて取ったノートとSchwerserのテキストを見ながら、自分では既に知っている内容も含めてもう一度自分の言葉でノートに書き出す。

これを全SS毎に繰り返しました。


基本的に私は『書いて覚える』タイプなので、面倒だし時間もかかりますが、このノートはファイナンス業界で仕事を続ける限り一生捨てることはないと思います。

ノートにまとめた時点でSchweserのテキストを既に2回はレビューした事になるので、この時点で内容はかなり頭に残りました。

そして1つのSSのノートを完成した時点でSchweserの章末問題をやりました。
そこで間違えた問題やクリアでなかった部分は見直して、ノートに書き忘れたことなどは随時書き足していきました。
その後CFAIのテキストの章末問題をSS毎にこなし、たまにSchweserではカバーされてなかった部分に関しての問題を見つけた時だけCFAIのテキストに目を通しました。

基本的に平日仕事が終った後の夜2時間くらい毎日スタバなどに通って、1トピックの全てのSSをノートにまとめSchweserの章末問題を終らせる。
大体1週間に1SSのペースだったと思います。
土曜日の午前中にレビューコースへ行き、次のトピックの大まかな内容を把握し、土曜の午後と日曜日にSchweserとCFAIのテキストの章末問題を解き、次のトピックのリーディングを開始する・・・という繰り返しでした。

とにかくレビューコースのスケジュールに着いていくようにすると、4月末までにはSchweserを2回読破しSchweserとCFAIの両方の章末問題を終らせることが出来ました。


5月に入ってからは1月、2月に勉強したことは忘れかけている事もあるので、Q-Bankの問題をやる前にノートを見直して復習しました。
Ethicsだけはもう一度CFAIのテキストを全て読み返しました。
この時に方式や暗記しなければいけない定義などをフラッシュカードに書きだして、バスの中などで見るようにしました。
そして科目ごとに自分のノートを見直した後、CDのQ-Bankで問題を40-50問ずつランダムに選んで解いていきました。

ここでノートを作っておいて良かったと実感したのは

1.復習の時間が短くてすむ。

2.Q-Bankの問題で間違えた箇所を見直すときも、Schweserのテキストをめくって探すより自分のノートだとどこになにを書いたか覚えているので探しやすい。

3.細かい内容だけでなく、基本的ないわゆるファイナンス理論の繋がりが確認できる。(レベル1はとにかく『広く浅く』なので、方式を完全に覚えていなくても本番ではコンセプトを理解できてれば選択肢の中から回答が導ます。)


Q-Bankである程度である程度点数が取れるようになって、最後の2週間でSchweserのPractice Exam(Book6)を3セット、CFAIのサンプルとMock Examをやりました。

SchweserのPractice Examは問題がやたら長くて120問を3時間で終わらせられなくて焦ったりしましたが、試験の5日前くらいにCFAIのサンプルとMock Examをみたら問題が簡潔に書かれていて時間にも余裕があったのでかなり安心しました。

本番の試験でもMockと同じような感じで、時間に困ることはありませんでした。

Schweserの難点はレベル1では計算問題を重視していて、コンセプトに関する質問が少ないことかな。
でもコンセプトが分かっていなければ計算問題も解けないので、Q-Bankの問題は良い練習にはなります。
本番の試験ではコンセプトに関する問題が多く、計算機がなくても解けるものが殆どでした。


本番の試験でもかなり手ごたえがあったし、結果は全ての科目で70%以上のスコアで合格できました。

If it's not broken, don't fix it.ということで、レベル2でも基本的には同じ勉強方法を取りました。

長くなったので、レベル2については科目ごとに苦戦した箇所などを書いていこうと思います。