能登ワイン・地酒と言えば七海屋(しつみや)!~今日もうまい酒呑まんかいね!~

能登ワイン・清酒「歩」・麦焼酎「能登宝水」の七海屋店長トミーが、家族・仲間と共に能登の復興のために今日も汗をかいてます!

温泉旅館の破綻2(裏事情)

2009-12-10 02:33:37 | 能登半島地震・復興
8日付けで破綻した和倉の温泉旅館。当店にとっても大きな損害を被りました。

9日、該当旅館の社長と面談してきました。そこで語られた事実とは・・・(以下はフィクションと致します)

12月8日(火)AM10:15 前触れもなく旅館に弁護士が助手を連れ、社長を訪ねてやって来ました。突然の訪問に戸惑う社長に、弁護士は礼状を手に「裁判所の決定に従い、御社の清算手続きに入ります。11時に全社員をロビーに集めてください」。そして集まった社員を前に弁護士から「本日をもってこの旅館を清算します。今日以降の宴会・宿泊の予約を全て断ってください。皆さんは本日をもって解雇致します」との説明がありました。
阪神大震災や2年前の能登半島地震、昨年のリーマンショック不況と数々の苦境に直面しながら何とか経営の軌道を取り戻しつつあった矢先の出来事でした。


旅館は政府系金融資金をS銀行を窓口にして借りていました。S銀行は金融ビッグバンによる再編のあおりで、A銀行との合併を決めました。すると両行はその主導権争いのために、自行の健全性を装飾し始めます。一つの手段として、不良債権(予備軍含む)の処理があり、銀行は旅館の債権を東京の債権回収会社に売却しました。そして債権回収会社は返済の長期化を嫌がり、11月2日に金沢地裁に破産手続きを申し立て、12月7日付で同地裁が開始決定したのです・・・・。


ここには現代日本の持つ経済体質の問題が見え隠れします。
かつて竹中平蔵氏が提唱した金融ビッグバン(国際競争化)で再編が進む中で、中小零細企業への債権処理が加速し、結果として倒産・清算される事業所が後を絶ちません。その多くが町工場だったり、地方の企業だったりします。しかし、町工場が現代日本の高い技術力を支え、地方の中小零細企業が地域の経済を支えてきました。すなわちそれらは日本の国力そのものを支えてきたのです。
今回のような、東京の金融の身勝手とも言える強引なやり方による破綻は、地方の経済をますます悪化させ、地方の疲弊を招きひいては日本そのものを弱体化させていくことでしょう。そのことがいち早く理解され対処されないと、今日もどこかで同じような破綻が重ねられていくのです・・・。
日本は、どうなっていくのだろう?

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