公開 1978年(米)
監督 マイケル・チミノ
出演 ロバート・デ・ニーロ/メリル・ストリープ/クリストファー・ウォーケン/ジョン・サベージ/ジョン・カザール/ダイアン・アボット/ジョージ・ズンザ/他
1968年、アメリカの小さな炭鉱の町で働く5人の若者達。
その後、激しくなっていったベトナム戦争によって人生を大きく狂わされてしまいます。
ベトナム戦争の悲惨さ、兵士達の苦悩が痛い程伝わってくる映画でした。
中でもロバート・デ・ニーロら3人が徴兵されていく前日のシーンでバーに集まった仲間が大合唱する「Can't take my eyes off of you」(邦題「君の瞳に恋してる」)・・・。
曲の歌詞とは裏腹に 3人のこれからの悲惨な境遇を暗示しているかのようでなんともやりきれない気持ちにさせられました・・・。
特に北ベトナム軍の捕虜となり、ロシアン・ルーレットが強要されるシーン・・・。凄かったですよね・・・。
そんな地獄のような経過の中、映画のテーマとしても流れている「カヴァティーナ "Cavatina" 」の美しいギターの調べは今でも心に響いています。
賛否両論の論評があるこの映画ですが、ベトナム戦争で死んでいった米兵たち一人一人に決して罪はないと思うのは私だけでしょうか・・・。
それとカヴァティーナという曲、何とも悲しい曲に胸がジーンとしました。
派手な戦争映画だけで喜んでいるだけでなく、こんな悲しい事も実際あったんだと認識して行かなくてはいけないんだなと考えさせられます。
アメリカはいまだにベトナム戦争の後遺症を引きずっているようですね。
アメリカ国民は、あの戦争で心や体に傷を受けた兵士を戦争に負けた兵士、国を救えなかった兵士ということで尊敬をしなかったそうです。
その結果、彼らは 国の命令で異国で戦ったにも関わらず プライドを失い、社会的にも国のために戦ったということが決してプラスにならず、アメリカ社会にとって非常に悲惨な事態を招いています。
なんともひどい話ですね・・・。
第二次世界大戦は、ナチスドイツからヨーロッパを解放したという正義がありました。
しかしあのベトナム戦争は、一体なんだったのでしょうか。
この事は、簡単には答えが出ないと思いますが、これからも考えていく必要があると思います・・・。