原作:城平 京
構成:左 有秀
作画:彩崎 廉
「世の中の関節は外れてしまった。
ああ、なんと呪われた因果か、
それを直すために生まれついたとは!」
※「ハムレット」シェイクスピア 野島 秀勝訳 岩波文庫
「スパイラル」や「ヴァンパイア十字界」の原作者である城平京先生の新作です。
「スパイラル」はかなり好きでしたね。
ラザフォードの表紙に惹かれて買いはじめまいしたが、あっという間に出ている巻を全部買ってしまいました。
あの当時は6巻くらいまで出ていた時期ですね。なつかしい。
で、新作である絶園のテンペストはどうかというと
面白い・・・・けど、意味不明。って感じです。
ところどころに「ハムレット」の台詞を引用していますが、まあそれは置いておくとして、
(よく分かりませんし・・・今度、調べましょう。)
内容としては、家族を強盗に殺された不破真広が
鎖部葉風という「魔法使い」の一族のお姫さまから魔法の力をもらい、
家族の仇を見つけてもらうのと引き換えに世界を救うことになり、
それに不破真広の友人である滝川吉野が関わっていく。
だいたいこんな感じの話です。
戦いモノのようでいて謎解きモノのような・・・
主な視点は吉野なのですが、この少年も色々と腹に一物ありそうというか、
微妙に何を考えているのか分かりません。
真広の方が意外と分かりやすいのではないかと思います。
とりあえずシスコンで、家族の仇を殺そうとしているというのは確かなので。
吉野はそんな真広に隠れてその妹と付き合っていた訳で・・・
なんとなく思うのは、真広は不合理が許せないけど、
吉野は不合理はそのまま受け入れる。むしろ、不合理でも良いって考えの持ち主のようです。
真広の立場は変わらないかもしれないけど、
吉野は場合によっては立場を変えるんじゃないかと思ったり。
今は吉野が大人しくしているから二人の関係は上手くいっているように見えますが、
いつか破綻しそうで怖い・・・
で、葉風ですが
彼女は現在魔法を使うことの出来ない環境にいる為に
偶然メッセージを拾った真広に自分の一族の野望を阻止してほしいと頼んだのですが、
この巻の最後に彼女が実は死んでいる?みたいな話になりました。
じゃあ、現在吉野たちが人形を通して話をしているのは何なんだということですが、
実は彼女は未来に向けて会話しているとか、精神とか魂のみの存在となって孤島にいるとかいろいろ考えられますが
あの原作者ですからね。
どんなトンデモ話になるのか、まったく予想できませんね。
それに真広の妹・愛花の存在が何かの鍵になるのでは?とか、
実は何か知っていたのではないかと疑ってしまう・・・
う~ん。なんかスッキリしませんね。
とにかくよく分からないことだらけで困りました。
読んだ後、悩まされる漫画ってそうはないと思うんですけど。
次の巻を読んだら少しはスッキリするかな、それとも謎が深まるのか
楽しみなようで、少し怖いです。