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映画 ■■6才のボクが、大人になるまで。■■

2015年01月05日 23時03分06秒 | 映画
6歳の少年が高校を卒業するまでの12年を描くため
父、母、姉、弟の4人はキャストを替えずに
12年間、少しずつ撮影し続けたという
画期的な映画



その時々に流行していたゲーム機やSNSを
小道具や話題に入れたり
大統領選応援活動がエピソードに盛り込まれたり
同時多発テロや湾岸戦争が話題に出て来る
それぞれの時代をリアルタイムで描いているから
12年の時の流れがとても興味深かったし
説得力があった

本当の親子のように自然だった
この少年がどんな若者に成長していくのか
ドキュメンタリーを見ているようなリアリティーがあった

この映画を撮る前から
結末はもう決まっていたのだろうか

もしそうなら
脚本に書かれていた18歳のメイソンを
6歳の子役が将来演じることが出来ると
確信を持っていたのだろうか



もし、この子が
イメージと全く違うマッチョなスポーツマンタイプに
成長していったら?
勉強かスポーツの方に興味が移って
「役者の道は断念する」という決断をしていたら?

...かなりリスクの高いプランだったと思う



この役を演じることが
役者エラー・コルトレーンの人格形成に
影響を与えなかったのだろうか

それとも仕事が終われば
「仕事は仕事、本当の自分は全然別」と
切り離していたのだろうか



映画 ■■6才のボクが、大人になるまで。■■

☆☆

Yahoo映画評価 4.02(5点満点 2015年1月5日現在)



意外とYahooの評価高い!



ネタバレするのでまだ観ていない人は
読まないでくださいね



私が感じたこと...



子どもは親を選べない
人生の選択権がない

両親が離婚する度に父親と別れ
友達とも先生とも、通い慣れた学校とも別れ
新しい環境に飛び込んでいかなくてはならない



特に2番目の父親
知的な大学教授、誠実そうな人がらに惹かれて結婚したが
実はアル中の暴力夫

前の母親との間に2人の子どもがいて
4人兄弟として暮らしていたけれど

夫の暴力から逃げる時母親は
「(前の母親の子ども達は)自分は血縁関係がないから
保護権を認められないので
連れて行くことが出来ない」と
自分の子ども達だけ連れて逃げ出す

残された2人の子どもはそれからどうなったか
最後まで語られないのだけど
もう、あの2人が気になって気になって...



それから更に数年後
再び新しい父親を迎えた頃
中学生~高校生って本当に多感な時期で
大人に対して、口数が減るというか
立ち居振る舞いがぎこちなくなる

そんな難しい時にまた新しい父親
子ども達にとっては赤の他人との暮らしが始まる

それでも、身勝手な母親の決断に
大反発することもなく
ハグ&キスしたり
フレンドリーにおしゃべりしたり
彼らなりに必死に受け入れ
新しい環境に適応しようとする



母親が家を売る決断をしたのは
不景気の影響で
両親の責任ではないかも知れないが

でも、結局はうまくいかなかった相手を
結婚相手に選んでしまった
過去2回の離婚から何も学んでいない
何も懲りていない母親の短絡的な人生設計に
子ども達は巻き込まれているような気がする

しかも
思い出の部屋や品々を処分しなくてはならないことに
不満を言う娘に
「子育てはもう終わりよ!」と
まるで今まで子ども達が重荷であったかのように
突き放した言い方をするのが私には許せなかった



メイソンが大学に行くため実家を離れるとき
母親が
「離婚して、引っ越して、再婚して
大学で教える仕事を手に入れて
また再婚して、子ども達が高校を卒業して
でも、これからはもう何もない
自分の葬式だけだ」
と、泣き出したんだけど
同情なんて出来なかった

この間は突き放して「出ていけ」に近いことを
言っていたくせに



大人は勝手だ



それに対するメイソンの答えが
「(葬式だなんて)あと40年も先の話だよ」
と、これまた冷たい

笑ってしまった



子どもは親の背中を見て育つ



今まで散々振り回されて
両親が選んだ人生の中に閉じ込められて
生きてきた

今、ようやくその家から自由になったのだ
これから
自分の生活の選択権は自分にある
自分の人生を歩いて行ける



でも、メイソンも
両親と全く同じように
なんだかとっ散らかった支離滅裂な
雑然とした人生を生きていきそうな予感がした



家に帰って散らかった部屋を片付けたい!
という衝動にかられましたよ

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