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映画 ■■イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密■■

2015年03月26日 19時31分12秒 | 映画
惜しくもアカデミー賞を逃した作品
でも、評価がすごく高い
劇場から消えてしまわないうちに行って来ました



映画 ■■イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密■■

☆☆

Yahoo映画の評価 4.50(5点満点 2015年3月25日現在)



予告で
天才科学者だとか
天才であるが故に周りから理解されない...
みたいな言葉をよく見たので

すっごい天才的科学者で
すっごくクールでカッコイイ人を予想していたけど

実際には非常に不器用で
ドタバタの騒動を起こしてしまう
風変わりな印象を与える人でした



今回もネタバレ気味に書いていきますから
これから観る予定の方は
読まないでください



アランの対人関係に苦労するところ
アスペルガーの人の特徴に似てるなー
と思いながら観ました

誰もが人並みに持っている
「人の言葉の裏を読みとったり
表情から思っていることを察する能力」がなくて

言葉を、言葉通りに受け止めてしまって
その人の気持ちが分からず
心を通わせることが難しい

そして自分も
柔らかい言い方が出来なくて
ズバッと思ったこと言ったり
思いついたまま行動してしまうから
周りの人は傷ついたり
振り回されてウンザリしたり

でもアランは
自分の言葉や行動の何が悪かったのか分からなくて
不安を感じる



アランの能力のうち、数学に関する部分だけ
「天才」と呼ばれる程突出していて
その分、バランスを取るかのように
人とコミュニケーション取る能力は乏しくなってしまったかのよう



エニグマを解く程
難解な暗号を読み解く能力はあるけれど

同僚の言った言葉の「真意」は
なかなか読み取れない

当たり前の日常的な会話も
暗号よりも難しい

とても皮肉



でも、こういう「空気読めない人」って
空気読めてないことも気付いてなくて
人を困らせていることにも気付いてなくて
あっけらかんと、罪悪感なんか全然ない...って
思っていたのだけど

彼の場合は、かなり気にしていた
必死に空気読もうと
それこそ、暗号を解くように必死に
分かろう
分かってもらおうと努力していて
なかなか上手く出来ないことに
自己嫌悪したり、孤独を感じたりしていた



そして、同性愛が犯罪だった時代
ゲイであるアランはまたもや
自分に自信が持てない

世間から軽蔑の目を向けられる
異端者



エニグマを解いたという事実も
彼が生きている間は秘密にされて

第二次世界大戦の終結を早めたとか
コンピューターの概念の土台を作ったとか
数々の偉大な功績は公にされず

性犯罪を犯した犯罪者として
ホルモン治療を受けさせられた挙げ句
41歳で自殺してしまう

恐らくは「彼が救った命」によって
罰せられたのだろう



巨大な暗号解読マシーンの開発に取り組むエネルギーは
寮生活をしていた学生時代
思いを寄せていたクリストファーの死期が近いことを
感じ取れなかった悲しさが原点になっているのが
面白いと思った

彼を突き動かしていたのは
数字でもパズルでもなくて
「人」と分かり合いたいという欲求



同様に
今、PCやスマホに四六時中かじりついている人達も
その根底にあるのは
「人と繋がりたい」という
どうしようもなくジリジリと感じる乾きなのだと思いました

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