映画 ■■ヘルプ 心がつなぐストーリー■■

この映画のトレイラー見たとき
もう、だいたいのストーリーは予測できました。
「トレーラーで名場面を結構見せているな
これは、映画を観ても
意外性も驚きも感動もないんじゃないだろうか．．．」
と、少し不安でした。



映画　■■ヘルプ　心がつなぐストーリー■■





日本の Yahoo ムービーの評価　4.55（５点満点）



出ましたね！
今年初の☆５つです！！！！

泣いた～
面白かった～
観る前から、だいたいどんな映画で
どんな結末になるかも予測できたにもかかわらず。



トレイラーで、映画の結構おいしい場面を
ピックアップして使っているから
殆ど見たことあるシーンばかりなのでは？
と、思っていたけど

いやいや
まだまだ、隠されていたエピソード
味のある登場人物、事件、名台詞が
たくさん、たくさん、次々に出てきます。

短いトレーラーに収まり切らないくらい
この映画は、たくさんの人生が詰まっています。



そして、黒人のメイド達の生涯を綴った
スキーターが書いた「The Help」という本
あのくらいの厚みの本には
収まり切らなかった、たくさんの黒人達の人生

たくさんの理不尽な、或いは涙をさそう
或いは感動的な場面が
ミシシッピー中に
いえ、アメリカ中に
散らばっていたんだろうな



自伝や伝記として出版されていない
「普通のメイド」の人生が
一つ一つ、美しく、とても尊い。

一人一人の人生は
一人一人の命は、とても愛おしい。
誰一人の命も、ないがしろにされたり
無意味に捨てられたりしちゃいけない。

改めてそう思わせる映画でした。



私はこういう映画が好きなんだな。
恋愛ものじゃなくて
社会問題を扱っているもの
実話に基づくもの

脳をフル回転で使って
しかも、ハートも揺すぶられ満たされる作品

自分の人生について
反省させられるもの。



黒人達は、自分たちに対する扱いが
間違っている
人道に（或いは神への信仰心に）反する
と、思っても

それを口にすると
仕事が奪われ、生きていけなくなってしまうし
何より
白人の反感をかって殺されてしまう危険性もある。



黒人のメイドを理不尽に扱う
暴君のような白人主婦を見ていると

自分の、女性としての地位の低さ、不当な扱いに
不満を感じつつも
それを正そうとせず

自分より地位の低い人間を苦しめることで
ストレス解消しているように見えました。

そして「自分はあの人達より優れている」と
間違ったプライドを育てているようです。

メイド達はストレス解消のための
スケープゴートのような存在。

誰かをスケープゴートにして
嫌がらせをし、精神的苦痛を与えることで
ストレス解消しているという図

間違ったプライドを心の支えに生きている図は
今の社会にだってしっかり残っていると思いました。



しかし
多くのメイド達は
白人から受けたストレスを
白人の赤ちゃんを虐待したり憎んだりして
仕返しをすることなく
逆に、惜しみない愛情を注いで育てていることが
感動的でした。
（実際にはいろいろなケースがあったのかも知れませんが）



子ども達は、子どもの頃は
メイドが大好き
でも、大きくなると暴君に変わってしまう。



でも、時々
子どもの頃メイドからもらった愛情を忘れず
いつも感謝の気持ちに溢れている白人達もいます。

そういう人たちの存在が
とても嬉しかった。



そういう人たちは
白人と話すときも、黒人と話すときも
全く態度が変わらず、とても自然。
分け隔てがない！

クリントン元大統領も
そんな家族に育てられて
白人だろうが、黒人だろうが
全く同じように一緒に遊んでいたそうです。

クリントンさんはごく当たり前に
ただ、遊びたいから遊んでいたんだけど

大人になってから
「当時、黒人と遊ぶ白人の子どもは
あのエリアではクリントンだけだった」
と、言われたとか。



今ではオバマ大統領が、史上初の黒人大統領となりましたが
ここまで来るまでに
死の恐怖を抱きながら戦ってきた人たちの存在
払われてきた多くの犠牲に
あらためて気づきました。

メイドに自分と同じトイレは使わせないなんて
今となっては笑い話のようなエピソードです。



タイガー・ウッズが以前
「自分が（黒人だから）プレイ出来ないゴルフ場が
まだアメリカの中にはいくつかある」
と、言っていましたが
今もなくなっていないのでしょうか？



映画の中のエピソードが今
とても時代錯誤でばかばかしく見えるように
今なお残っている差別も

数年後には
「なんて時代錯誤な！」と、笑えるように
なっているといいな、と思いました。