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都民に透明性のある政治を

日の丸・君が代が、かわいそうだ

2007年03月08日 | Weblog
鈴木邦男愛国者は信用できるか(講談社現代新書 2006.5発刊)を読んだ。
鈴木氏は1943年福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、学生時代から右翼・民族運動に飛び込み1972年に「一水会」を創設(99年から顧問)。「新右翼」の代表的存在という方だ。

鈴木氏は早大時代に、生長の家学生道場で6年間暮らし、毎日朝夕、国旗掲揚国歌斉唱を行った。その後40年間の右翼・民族派活動のものも合わせると5000回を超えるという。「数から言えば、『大愛国者』だ。愛国者のノルマ、絶対量を軽く超えている。今、「愛国心は必要だ」「学校で君が代を歌わせろ」と叫び、強制している人達だって、僕の十分の一も歌っていない。僕こそが、本当に日の丸・君が代を尊重し、実行してきた」という。そんな鈴木氏は(都教委の監視員が卒業式に来校して、起立しているかチェックしていることに対し)「そこまでして「君が代」を強制する必要があるのだろうか。かわいそうだと思う。教師や生徒もそうだが、日の丸・君が代もかわいそうだ(略)ガヤガヤとうるさい生徒に、それもいやいや歌われるなんて」と書く。
さらに「中学・高校に『日の丸・君が代』を強制しているのが、さしずめ『思想善導』ということになるのだろう。意味も教えないで、ただ、強制する。これでは、反撥が起きるのは当然だろう」とも書いている。
わたくしも、まったくそのとおりだと思う。
2月10日(土)夜、中野ゼロで開催された集会で鈴木氏と小森陽一氏(東京大学)の対談を聞いた。対談のなかで「愛国心は自己申告なので、声の大きい人が勝つ傾向がある。(自分以外は)売国奴、非国民で、それなら『殺してもよい』ともなりかねない。愛国心を教えられたために、放火・殺人をする人も出てくるかもしれない」ともおっしゃっていた。
対談の名手、小森氏のリードで、会場は爆笑の渦に包まれた。集会後のサイン入り著書即売会でも本書はすぐに売りきれ。
本の一節にはこんな箇所も・・・
「こうして見てくると、愛国心というのは「一体感」なのだ。個人と集団(共同体・国家)がつながっていると思うこと。自分は一人ではないと思うこと。これだけなのだ。一体となって、得られる快感か。ではセックスと同じものなのか。一体となって、つながっていると感じる。そんな、ほのぼのとしたもの。「愛国心」とはそれだけでいいのだ。」

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