ムッシュのブログ:日日是曠日

SAXと音楽を中心に……趣味に関するよしなし事を。

石原慎太郎批判

2011年03月16日 | オピニオン
石原慎太郎がとうとう馬脚を露わした。「天罰」発言である。

未曾有の大災害に家族や家を失いながらも、秩序を保ち節度をもって行動する被災者の姿は、外国メディアの感嘆を見るまでもなく称賛に値する。その彼らに向かって「天罰」である。

石原は日本人(たぶん自分はその中にはいないのだろう)の我欲に対する「天罰」と言いたいのかもしれないが、言葉をよく知らないようなので教えてさしあげると、天罰とは悪事を働いた当人に天が下す罰のことである。元小説家のくせにこんなこともわからないとは。
いや、元小説家といっても、知られているのは『太陽の季節』くらいで、男性のモノで障子を破るというエロ小説まがいのワンシーンで有名になっただけの駄作である。これが芥川賞をとるのだから噴飯ものである。選考委員の目が節穴だったか、どこからか圧力がかかったとしか思えない。ちなみに、現在この男は芥川賞の選考委員を務めている。文藝春秋よ、いったい何を考えている?

さすがに選挙前にこの発言はまずいと思ったのか、翌日に記者会見を開いた。

「まず、行政の長であります私が使いました、『天罰』という言葉が、添える言葉が足らずに、被災者の皆様、国民・都民の皆様を深く傷つけたことから、この発言を撤回し、深くお詫びいたします」

全然謝罪になっていない。どんな言葉を添えようと、天罰の意味は変わらない。



石原慎太郎はファシストである。あらゆる言動がそれを裏付けている。
本多勝一は今から36年前の1975年、こう看破した。

「(石原は)靖国神社復活に精魂を傾ける極右集団『青嵐会』の有力メンバーとなり、日本の核武装を積極的に主張し、ファッショ台頭に一種好都合な『天下大乱』の世相があらわれるにつれて、たくみに浮動票を集めて政治の場に出てきた」(「石原慎太郎という小説家の体質」本多勝一集 第21巻所収)

これに付け加えるとすれば、「弟の七光りを最大限に利用して」というところか。
この年、石原は都知事選に出馬した。この文章はその直前に書かれたもので、このあとこう続く。

「私はこんな男の『支配』する東京都にいることなど、恥ずかしくてとても耐えられない」

幸いなことにこのときは美濃部候補に敗れたが、悪夢は28年後にやって来たわけである。


心ある他府県の人々は東京都民をわらっている。いいかげんに目を覚まそうではないか。


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2 コメント

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爺の反論 (佐々木博己)
2011-03-17 04:32:03
被災者への論談ではないと言うことがなぜ分かりませんか、靖国に祀られた救国の先人を蔑む
あなたの心底を伺いみたい心境です。
現在の、親子が罵り合い殺しあう惨憺たる日本を見たら、国のため死んで行った先人に何と詫びて良いのか、私の心がうろたえます。
確かに言葉を知らない都知事ではあるが、彼の言葉をもっと冷静に判断して下さい。
Unknown (管理人)
2011-03-17 09:10:16
佐々木様

ご意見ありがとうございます。
拝読したところ、深い人生経験と教養をお持ちの先輩とお見受けいたします。重みのあるお言葉、痛み入ります。
しかしながら若干の誤解をお持ちのようなので、若輩者のたわごとと一笑されるかもしれませんが、お聞きください。

まず、本文にもそう書いたつもりですが、日本人全体への「天罰」という意味で発せられた言葉の可能性は高いと私も認識しています。それを差し引いても、あまりといえばあまりな発言であり、そこには政治家としての決定的な欠陥が見受けられるという批判です。
私は高度成長期が始まったころに生まれました。当然戦前・戦中は知りません。しかし、人権という言葉を知らない権力者が支配していたその時代と比べたら、現代日本はずっとましな世の中だと思っています。おっしゃるとおり、目を覆う事件が多発し、問題点は山積しているでしょう。でもそのことと靖国神社を結びつけて論じても、何の解決にもならないと考えます。
問題なのは、都知事には人権意識がほとんどないということです。彼にリーダーの資格はありません。

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