ソープカービングふたたび

2011年06月17日 | 日記
また石鹸を買いに行こう。

日本に帰ってきてからあっという間に月日が経ち、まもなく3ヶ月となる。北京から同じ頃に帰国した友人達が泊まりがけで遊びに来るのを機会に、滞っていた細々した物の片付けを終わらせた。最後に残るのは「必要でないが捨てられない物」、古い手紙や写真、お気に入りの缶や小さなぬいぐるみ、買い集めた雑貨などだ。結局分類して箱に入れてしまっておくことにした。収納には余裕があるのでまあ良いだろう。

家の中は片付いたので次は就職活動…と言いたいところなのだが、これもまたかなり難しい問題だ。私は大学を卒業してからほぼ同じ金融系の会社に社員として、時には派遣社員として務めていた。その会社の事務手続きや入力方法はよく知っているが、WordやExelで書類を作るという作業はしたことがない。ネットのハローワークで検索すると、大抵がこのスキルを求めている。PCは扱えるが堂々とこの手のビジネスソフトを使えるとは言い難い、更に6年も無職のいい年をした人間を雇う奇特な会社はそうないだろう。とりあえずはダンナのお弁当や夕食も冷凍食品やレトルトは使わない、掃除もマメにしてダンナの家事分担はゴミ出しのみ!という「家事がんばってるぞアピール」で現在専業主婦となっている。

しかし折角日本に帰ってきたことだし、何か趣味のものでも始めたい。しかし私に収入が無いのであまりお金はかけたくない…とネットをあれこれ見ていたとき、ふと以前北京で習ったフルーツカービングの事を思い出した。試しにスクールを検索したところ、比較的近いところにかなりの数のカービングを教えるスクールが見つかったのだ。大抵の教室は1回だけの体験コースがある。と言うことで、一番近い教室に問い合わせをして予約を取り付けることが出来た。フルーツカービングでもソープカービングでも良いと言うことだったので、個人的にお気に入りのソープでお願いすることにした。

メールで細かい打ち合わせをし、こういう物を彫ったことがあると伝えると、ではバラを彫ってみましょう、ということになった。当日はこの先生の定期クラスに混ぜて貰う形で、それぞれ自分のレベルの作品を作っているらしい。先生は生徒にそれぞれこの日のメニューを指示し、ぐるぐると生徒の間を回って指導する。分からないことは随時聞けるし、生徒の皆さんも気持ちよく迎えてくれて一安心だ。

基本的に以前習った事とほぼ同じなので迷うことはないのだが、一番困ったのは石鹸の柔らかさだ。北京では空気が乾燥している上、市販の石鹸の配合も多分日本とは微妙に違うのか、買ったばかりの石鹸でもカチカチでナイフが上手く入っていかない。そこで濡らしたタオルに包んで電子レンジにかけるという作業が必要になる。日本から彫りやすいという石鹸を取り寄せたりしたが、彫っている間にどんどん乾燥して結果はあまり変わらない。ソープカービングはそういうものだと思っていたが、使った石鹸は柔らかくて粘りがあり、するするとナイフの刃が入ってしまう。それは良いのだが、柔らかすぎて刃が明後日の方まで滑ってコントロール不可になるという事もしばしばだ。更に先生に指摘されたのが、どうも私は彫る向きが違うと言うことだった。右手にナイフを鉛筆のように持ち、手前に引くようにして彫っていたのだが、どうやら逆で左から右に、押しながら彫るようにするのが良いらしい。やってみると、何故か彫った面がとてもきれいになるのだ。目から鱗!だが、これになれるまで一苦労、先生の手伝いもあってなんとか2時間かけて作品を作ることが出来たのだった。

しかし残念ながらこのスクールは現在空きがないと言う。多分前もって休みを申告された人数分だけ、こうして体験希望者を参加させてくれるらしい。現在空き待ちの方が既に居る上、現在の生徒さんはまだまだコースの途中の方ばかりだそうだ。このクラスに参加は断念せざるを得ないが、とにかくお復習いも出来、指導もして貰えて良い経験になったと思う。

帰りに練習用の石鹸を買い、翌日早速復習してみた(写真)。花の部分は今回習ったやり方、蕾と葉は以前習ったデザインの物だ。素人の域はでないものの、自分としては今までで一番納得いく出来だと思う。手元に以前買ったテキストもあるし、暫くはこうして自宅で地道に彫っていこうと思っている。そこで思い出したのが先生を始め生徒さん達が使っていたカービングナイフだ。私の持っているのは初心者向けの物だが、あの教室では古典スタイルの非常に薄い刃のナイフを使っていた。ああ、あのナイフを使ってみたい…!石鹸は買ってあるので、今度はあのナイフを買ってしまおうかとネットで検索する日々を送っているところだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿