のほほんとしててもいいですか

ソプラノ歌手 佐藤容子のブログです。よろしくお願いいたします!

レンブラント展

2011-05-03 | 『毎日のこと』
今日は雨が少し降っていますね。


上野の国立西洋美術館で「レンブラント―光の探求・闇の誘惑―」を見て来ました。



版画の印象が大きく変わりました、版画ってなんておもしろく表情豊かなんだろう。


レンブラントはご存知のように17世紀の画家で、油彩以外にも版画などいろいろな種類の作品を残しました。


「光と影の魔術師」「明暗の巨匠」とも呼ばれるようです。



17世紀後半、「黒い版画」と呼ばれるものがもてはやされた時代があったようです。


「アトリエの画家」という初期の作品で、私も今日気に入った一枚があるのですが、その作品では、レンブラントは絵画理念を視覚化しているそうです。

とても計算された構図でわくわくしました。

レンブラントは、初期はエッチングと呼ばれる技術を用い、金属を直に彫らないことから生まれる、スケッチのような絵画の風合いに仕上がる手法を使いました。


とてもおもしろく感じた点は、版画の特性から生まれる作品の多様性です。


原版に手を加えれば、一部変化した作品が作れることや、印刷する紙の違いによって質感の変化を得られる点です。


紙は象牙色の和紙、インド紙とも言われたカートリッジペーパー、別名オートミール紙 、中国紙と言われた画仙紙、べラムという子牛の皮など、紙の種類によっていろいろな作品の表情に仕上がります。


レンブラントは若くして巨万の富を築きますが、36歳で妻サスキアを亡くしたり、50歳で破産したりしています。


破産の理由の一つとして、高額な珍品のコレクターの側面もあったようです。収集した貝殻のスケッチもありました。


妻サスキアがモデルとも言われる「聖母の死」という作品は、レンブラントの死後30年以上経って和紙に印刷された作品で、こちらも印象的でした。


「矢を持つ女」を描いた頃の50代後半からは、視力落ちて細かい彫刻作業ができず、作品を作れなくなりました。



実際に見ると、白い部分の透明感が高く、対象が浮き出て生き生きとしていました。


白と黒で簡素かと思ったら、とても饒舌なモノトーンでした。


素敵な作品で、楽しかったです。






コメント
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