赤とんぼは、今夜のコンサートで,歌おうと思っています。
10年前は、赤とんぼを歌うなんて考えられなかった。
童謡とかは、すこしかっこよくない、と思っていたから。
いまでは、オペラでも,ジャズでも,シャンソンでも,アニメでも、これだーっと思ったものは、声で表現してみたいと思っている。
うちには、みよちゃんというおばあちゃんがいる。
いまでは、声も出せなくて,ご飯もチューブで栄養をあげていて、寝たまま。
お母さんがつきっきりで24時間いっしょにいる。
おばあちゃんが、まだ、病床で話せたころ、もう2年以上も前だけど、
容子ちゃん、わたし、歌を聞きに行きたい、と言ってくれて、
聴きにこなくても、いま歌ってあげるよ、と言って、歌を聴いてもらったりしました。
もう、つじつまのあわない話をするようになってからも、テレビの歌声が聞こえたりすると、
容子ちゃんの歌かしら?、と気にしてくれているようでした。
元気なころ、この、赤とんぼが好きで、おばあちゃんはこの歌詞そのまんまのような子供時代だったよ、と言っていました。
特に3番の歌詞の,お姉さんがお嫁に行った後の寂しさは共感できる、と言っていました。
いまは、話し掛けても,何も反応できないので、こちらの声が聞こえているかもわからないけど、神奈川に来たときは,赤とんぼを聴いてもらいます。
でも、みよちゃんが生きているから,このようなことが出来るわけで、みよちゃんがいてくれる間はずっと、聴いてもらおうと思っています。
赤とんぼ
三木露風 作詞
山田耕筰 作曲
夕焼、小焼のあかとんぼ
負われて見たのは
いつの日か
山の畑の桑の実を
小籠に摘んだは
まぼろしか
十五で姐やは嫁に行き
お里のたよりも
絶えはてた
夕やけ小やけの赤とんぼ
とまっているよ
竿の先