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私的な備忘録です。

世界規模のボックス相場?!大恐慌再来? (つづき)

2012-06-27 23:58:11 | Weblog
つづき

ECB(欧州中央銀行)を中心にEU加盟国の金融機関が破綻したときに補てんする金の準備が整いましたよ~というメッセージを市場に送ったくらいでは、収拾がつかなくなっているように思う。また金融緩和しますよう~というメッセージも、場当たり的な対処方法(麻酔薬)でしかないことも市場に見透かされているように思う。

成長戦略を考えるとか、スペインの金融機関はストレステストをやり直すとか聞こえてきたが、その程度でお茶をにごしても破綻してしまったら、どんどん処理の選択肢はなくなりゲームは詰んでしまう。

バブル崩壊の処方箋は、金融緩和、公的資金の投入等あらゆる金策を準備した上で、市場に狙い撃ちされる前に、不良債権処理を一気呵成に終えてしまい、株式や不動産等のバブルが発生し、お金が流れ込んだ市場に、これ以上お釜の底が抜けることはありませんよ。ここがだれが考えても底値ですよという安心感をマーケット参加者全員に共有させることがただ一つの解決策なのだろう。

ジャパナイゼーションという言葉は、数年前はヨーロッパ人は小ばかにしていたが、日本のバブル崩壊後の例を出すまでもなく、小出しにやっているとどんどん傷が悪化してしまい、支援する金額も雪だるま式に増えていき、すべてが手遅れになる・・・(もしかして既に手遅れかもしれないけど・・・)

ギリシャについては、その経済規模から言っても、個人的にはユーロから離脱させるべき(自国通貨を復活させるべき)なんだと思う。しかしながらドイツ国民が声高に叫ぶような自己責任ありきの無慈悲なギリシャの排除や破綻を求めるわけではない。ドイツ人が期待するような癌の切除方式は、ギリシャの崩壊を招くばかりか既に信用不安という癌は、すでに広範囲に転移しているわけで、ユーロ全体への衝撃も大きくなることも忘れてはいけない。

あまり案としては聞こえてこない気がするが、自国通貨を復活させて通貨安で暴落させたところをEUが支援するようなアイデアはどうだろうか?市場に売り込まれたところでギリシャ債権等をEUが買い取る段取りを決めておいてからEUから切り離す(自国通貨を復活させる)のである。

ハゲタカ(短期的な投機利益のみを簒奪する意図をもった国や組織)に底値で買い取られるのは、ギリシャ国民にとっても、その他EU加盟国にとっても不幸である。中長期的にギリシャ経済を復活させる為に具体的な方策をもって支援することが可能な欧州各国や近隣諸国が、ギリシャ経済を成長軌道に乗るように具体的に支援を継続できるようにインセンティブを作り出すことが大切なのだろう。安値で買ったギリシャ債権が自分らの支援により資産価値が高まり、損をしないようにまじめに支援させるわけである。

EUがドラクマ建ての債券を安く買って、ギリシャがⅤ字回復することになれば、通貨価値の上昇と相まって債権国も利益を獲得(信用の創造・再構築)することになる。計画倒産と支援の準備を時系列上はっきりさせればドラクマの暴落も幾分和らげることができるかもしれないし、再生プランがしっかりしたものであれば、底値買いをしたいその他大勢の投資家も集めることが出来るだろう。

今年はギリシャの観光収入が15%減少する見通しもある。まずは貴重な収入源を元通りに戻せるように治安の回復に努める必要があろう。国が崩壊して観光資源を破壊させるのはもったいないのである。ユーロ導入前の通貨安の国に戻れば、観光収入も上向くだろう。スペインやギリシャはもともと物価が安いことも観光客をひきつける魅力の一つであったはずだ。治安が回復し通貨安を定着させて人件費の安い国に戻れば、ヨーロッパ各国が計画的にギリシャに工場を誘致するプランを立ててもよいだろう。軽産業については、近いのだから輸送コストも考慮すれば中国に工場をつくって輸入するよりメリットがあるものもでてくるだろう。

EUが紙切れ(20~30%減?)となったドラクマ建て債券の価値を高めるように、EU支援国が利益を獲得できるように、EUが具体的な支援体制を構築していくことが理想だろう。

ギリシャの見通しを明るくすると同時に、銀行同盟も早々に立ち上げ、スペインとかイタリアとか切り離すには大きすぎる国の金融機関は、不良債権処理を粛々と行い、こちらも成長戦略の梃入れを地道にしていけば、時間稼ぎかもしれなが、破滅的な崩壊は避けられるように思う。
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