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AC5★誰もがアダルトチルドレン?・・その概念と適応パターン

2006年04月01日 14時51分51秒 | 心理学・健康・その他
これまではモラルハラスメント(精神的虐待)の “うける側” そして “与える側” と連鎖の関係について書いてきました。
それらによって身体症状、または精神的な影響があることも説明しました。これらのただ中にいる人々を称して“アダルトチルドレン(症候群)”と呼ぶことができると思います。
今回はいよいよ、アダルトチルドレンの特徴について、きちんと整理していきたいと思います。

◆アダルトチルドレンの概念
『アダルトチルドレン(AC)』は精神病や神経症などの病名ではありません。また、誤解している人も本当に多いのですが、「大人になりきれない子供っぽい大人」といったような誹謗中傷の言葉でもありません。
「問題のある家庭で育ち成人した、かつての子供」という意味です。
ACを忌まわしいもののように考え、それを捨て去ることだけに囚われることで、逆に、親との関係を整理することを放棄し、親を美化したまま、「いじめられっ子がいじめっ子になる」ように、自分の子供や身近な弱者を抑圧してしまう、という危険の方がより大きいのではないでしょうか。
それらを回避するためにも、やはり、ACの自覚・自己診断がその第一歩だと思います。

◆ACの特徴的な心理パターン
ACに特徴的な徴候として以下のようなことがあげられています。半分以上該当したら、ACの疑いが濃い、と考えていいでしょう。

・自分の判断に自信がもてない
・常に他人の賛同と称賛を必要とする
・自分は他人と違っていると思い込みやすい
・傷つきやすく、ひきこもりがち(孤独感・自己疎外感)
・感情の波が激しい
・物事を最後までやり遂げることが困難
・習慣的に嘘・他人の悪口を言ってしまう
・罪悪感を持ちやすく、自罰的、自虐的
・過剰に自責的な一方で無責任
・自己感情の認識、表現、統制が下手
・自分にはどうにもできないことに過剰反応する
・世話やきに熱中しやすい・必要以上に自己犠牲的
・物事にのめり込みやすく、方向転換が困難
・他人に依存的。または逆に極めて支配的
・リラックスして楽しむことができない

◆なぜACは“問題”なのか?
こうして並べてみると「ACの特徴なんて、誰にでも当てはまるじゃないか」という意見もあろうかと思います。
まったくその通り。誰だって親との問題はあるでしょう。
それをあえて声を大にして言ってみたところでどうなる、という意見もあろうかと思いますが、

ACは、みずから自覚すれば、何らかの癒す術があるはず

そして、最悪の世代間連鎖を断ち切ることが重要である


という思いが、調べていくうちに私の内で、強くなってきたのです。

人は、無理をして自分を抑えた結果、疲れてしまいます。自分では納得出来ない不安な状態でい続けるのは本当に“生きづらい”──。
大切なことは、ささいなことから重篤な症状までを含めて、自分がそれを“生きづらい”と感じ、何とか原因を探ってそこから回復したいと願うかどうか、ということだと思います。
この世に「完璧な親」がいない以上、すべての人が多かれ少なかれAC的な要素を抱えて生きています。ですから、ACというのは精神医学的に厳密な定義のない、自己申告のための言葉です。自分で自分はACだと思うなら、基本的に誰でもACだと言えるのです。

◆ACの生活面での適応パターン
実生活において、ACには特徴的なパターンがあげられます。
「他人からはどのように見えるか」「その内面はどうなのか」「家庭でどのような行動をとるか」「ACとして援助がない場合の子供の将来」
これらについて、簡単にまとめてみました。
たくさんあるうちの一例ですので、あくまでも参考としてお読みくださいね。

<一家の英雄タイプ>
*外面・・・ちいさな大人、ちいさな存在に見られがち。融通がきかない、ガリ勉
*内面・・・傷つき、不適応感を持っている、罪悪感、自尊心が強い
*家庭内では?・・・尊敬を得るために家族や他人に自分の評価をおしつける、集団主義・独善的な態度をとる傾向
*援助のない子供の将来・・・仕事中毒(依存)、依存的な人と結婚、人を支配し操作したい、完全主義者

<問題児タイプ>
*外面・・・反抗的態度、ひきこもって陰気、常に反感をもたれるような行動、張り合おうとしない
*内面・・・傷つき、見捨てられ、怒りと拒絶、不適応感を持っている、低い自己評価
*家庭内では?・・・問題を起こして注目を集める。「それ見たことか」と言われ、答えは→「ほっといてくれ」で、会話を断ち切る
*援助のない子供の将来・・・アルコール依存症か薬物依存、ゴタゴタの種、性的快楽に安易におぼれる、早期結婚、犯罪を起こしやすい

<いるかいないかわからないタイプ>
*外面・・・顔を見なくても誰も気にしない、無口で陰気
*内面・・・孤独、傷つき、見捨てられ、恐れ、あきらめている、挫折感
*家庭内では?・・・少なくとも手がかからない、心配させないという意味では良い子
*援助のない子供の将来・・・優柔不断、孤独、「NO」と言えない、行き当たりばったり

<一家のマスコット(ピエロ)タイプ>
*外面・・・過度にかわいく子供っぽい、か弱くて保護を必要としている
*内面・・・自己評価が低く、恐れ、孤独、無力感
*家庭内では?・・・ふざけ、ユーモア、常に家族の笑いと注意の対象
*援助のない子供の将来・・・ひょうきん者、ストレスを処理できない、一家の英雄タイプと結婚、いつもヒステリー寸前

以上、ほんの一例をあげてみました。(※これが全てではありませんのでご注意ください)

以前、タレントの東ちづるさんが、自らをACであると世間に公表したことを覚えていらっしゃるでしょうか?彼女は“一家のマスコット(ピエロ)タイプ” で、父親の妻(東さんのお母さん)へのモラルハラスメントが絶えず、彼女はその中で、ずっとピエロを演じていた、という告白でした。
彼女はその後、適切な援助(カウンセリング)を受け、無事にACを脱出しました。
このように、地獄のように思われるACにも脱出口があります。
「どうしようもない」とあきらめるのは、短絡的です。自分はACだ、と思うことも一つの解決への道にちゃんとつながっています。
まずは“自覚する”こと。そして“要因を正しく見極めること”が大切だと思うのです。

またまた長くなってしまいました…。次回はACから生ずる共依存、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、境界例、そしてその背景に隠れている要因について説明していこうと思います。
くどくて申し訳ありませんが、興味のある方は、どうかお付き合い願いますm(__)m

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