さとちゃんのダイアリー

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『とと姉ちゃん』 ラスト三日間が凄かった

2016-10-08 14:11:00 | テレビ番組
先週の10月1日に最終回を迎えた『とと姉ちゃん』。ラスト三日間が凄かったですね。何度観ても号泣してしまいますわ。その三日間を振り返りたいと思います。

「花山、常子に礼を言う」(154)
花山> 常子さん、すまんが、もう一つ筆記を頼みたい。
常子> でも、今日は、もうお休みになったほうが。
花山> いやあ、平気だよ。
常子> 分かりました。何の原稿ですか?
花山> あとがきをね。
常子> はあ、では。
花山> 書き出しはそうだなぁ、今まで『あなたの暮し』をご愛読下さった皆様へ。私が死んだらね、そのときの号のあとがきに載せてほしいんだ。
常子> まだお元気なのに。何をおっしゃっているんですか。もう、めったなことを言わないでください。
花山> 人間、誰だって、いつ死ぬか分からない。帰りに交通事故にあって、君が先に死ぬかもしれないよ。書いてくれないか? 常子さんにしか頼めないことだ。
常子> 分かりました。
花山> 読者の皆様、長いこと『あなたの暮し』をご愛読くださり、ありがとうございます。昭和22年の創刊以来、27年経って、部数が100万になりました。これは、皆様が一冊一冊を買ってくれたからです。創刊当初から、本当に良い暮らし作るために、私たちがこの雑誌で掲げてきたのは、庶民の旗です。私たちの暮らしを大事にする一つ一つが、力が弱いかもしれないぼろ布、端切れを繋ぎ合わせた暮らしの旗です。世界で初めての庶民の旗。それはどんな大きな力にも負けません。戦争にだってや負けはしません。そんな旗を揚げ続けられたのも、一冊一冊を買ってくださった読者の皆様のおかげです。広告がないので、買って下さらなかったら、とても今日まで続けることはできませんでした。そして、私たちの理想の雑誌を作れなかったと思います。力いっぱい、雑誌を作らせてくださり、ありがとうございました。それに甘えて、お願いがあります。今まで、『あなたの暮し』を読んだことがない人、一人に、あなたが『あなたの暮し』をご紹介して下さり、一人だけ、新しい読者を増やしていただきたい。それが私の最後のお願いです。(間)。さあ、もう帰りなさい。
常子> (涙声で)花山さん。もし、花山さんがいなくなったら、私、どうしたらいいんですか?
花山> 常子さん、大丈夫だよ。君はね、27年一緒にやってきて、大体僕の考えと一緒だよ。君の考えだけでやっていけるだろうけど、悩んだときは君の肩に語りかけろ。君に宿ってやるから。おい、花山、どうしたもんじゃろのう、と。
常子> ふふふ、はい。

⇒ 花山の遺言に涙しましたわ。「庶民の旗」、この言葉を聞いて、あたしは小田和正さんの『the flag』を思い起こしていました。常子が必死に涙をこらえる姿にも感動しました。
そして、「悩んだときは君の肩に語りかけろ」。このセリフが(155)の伏線になっていたとは! 

常子> 花山さん。
三枝子> あなた、寝ていませんと。
花山> これをね、忘れていた。次号の表紙だ。
常子> 素敵な人ですね。
花山> 初めて私の絵を観た時も、君はそんな顔をしていた。
常子> (回想 「素敵な家ですね」)
花山> 常子さん。どうもありがとう。
常子> 嫌だわあ、花山さん。また来ますね。
花山> (やさしい笑顔、やさしい眼差しで、常子に手を振る。)

⇒ バッ、キューン! もう、アカン。涙がぼろぼろこぼれてきましたわ。唐沢さんと充希ちゃんの演技が素晴らしすぎる。
そして、『(回想 「素敵な家ですね」)』が、(156)の伏線になっていたとは!



「花山、常子に礼を言う」(155)
三枝子> 常子さん。お忙しいところ、すみません。先ほど、花山が息を引き取りました。
常子> 分かりました。すぐに伺います。失礼します。(美子とともに、花山家へ向かう。)

三枝子> ごめんなさい。容体が急変してね。間に合わなかったわ。
常子> いえ、お知らせくださり、ありがとうございます。
三枝子> 花山の顔を見てあげてください。あなた、常子さんと美子さんがいらしてくださいましたよ。
美子> (花山の顔を見て、号泣)
三枝子> あの日、常子さんが帰られた後、花山は満足そうでした。これから、この国がどうなっていくのか分からないけど、『あなたの暮し』は、常子さんに任せておけば大丈夫だとも申しておりました。
常子> (涙声で)そんなふうに褒めてくださったのは、初めてですね、花山さん。
みのり> ジイジ、絵、描けたよ。起きて。ジイジ、起きて。
常子> (こらえきれず、号泣)
茜> みのり、ジイジは眠っているから、もう少し、寝かせてあげよ。
みのり> うん。

⇒ バッ、キューン! もう、アカン。涙が止まりません。充希ちゃん、演技がうますぎる。まだ、「死」というものを理解できない「みのり」の台詞で、抜群のタイミングでの号泣。「あっぱれ」をあげたいですわ。

(小橋家へ戻ってきた常子たち)
美子> それ?
常子> 三枝子さんからお預かりした、花山さんの最後の原稿よ。(みんなに、手渡す。)
美子> 花山さんの字。
たまき> ん? これ。(小橋三姉妹への思いを綴った花山の手紙を発見。)
(常子がその手紙を読み上げる。)
花山(声)> 美子さん。初めて出会った頃、きつく責める私の言葉に、必死に涙を耐えていた君の顔は、今でも覚えている。それから、私が一時期会社を辞めたとき、説得しに来た顔もね。君の情熱がなければ、『あなたの暮し』はあのとき終わっていたかもしれない。鞠子さん。今でも君が仕事を続けていたらと、どうなっていただろうと考える。だが君は、結婚で大きな幸せと、たまきさんという素晴らしい娘さんを得ることができた。たまきさんは、きっと会社を支えるいい編集者になるだろう。常子さん。君に感謝を伝えるには、原稿用紙が何枚必要だろうね。たくさんのことを君に教えた。それとともに、たくさんのことを君に教えられた。君がいなければ、今の私はいなかった。ありがとう。
美子> 見て。(花山が描いた社員の似顔絵をみんなに見せる。)

⇒ バッ、キューン! 花山と小橋三姉妹との絆が明瞭に描かれたこのシーンに感動しました。

(「日本出版文化賞」を受賞し、テレビに出演することになった常子。)
(本番前、緊張する常子)
常子> (左手で右肩をポンポンと叩いて)花山さん、花山さん、どうしたもんじゃろのう?

⇒ おお、ここで出てきたか! 見事な演出ですね。



「花山、常子に礼を言う」(156)
常子> あの~?
竹蔵> やあ、常子。
常子> とと?
竹蔵> どうかしましたか?
常子> いえ、少し驚いてしまって。
竹蔵> そうですよね。突然こんなふうに現れては、驚くのも無理はありません。
常子> ととは、あの頃のままですね。
竹蔵> 常子は大きくなりましたね。
常子> 大きくなったといいますか、歳をとりました。今では、ととよりも年上です。とてもご自分の娘とは思えないでしょう。
竹蔵> いくつになっても、常子は僕の娘です。
常子> そうでしょうか?
竹蔵> そうですよ。(間)ここが常子の作った会社なんですね?
常子> はい。
竹蔵> 案内してくれますか?
常子> はい、喜んで。あの、こちらは商品試験をする場所です。今は扇風機の性能を調べる試験をしています。
竹蔵> 暮らしに役立つための商品試験ですね。
常子> はい。47名以外の社員にもテスターさんがいらっしゃって、150名ほどの方がこの会社にかかわってくださっています。
竹蔵> そんなに大勢の。
常子> はい。とと、二階も見ていただけませんか?
竹蔵> はい。
常子> こちらです。もともとは鞠子と美子と、それから編集長の花山さんと4人だけで始めた会社だったんです。(小橋三姉妹の写真を手渡す。)
竹蔵> 鞠子も美子も立派になりましたねえ。
常子> はい。
(間)
竹蔵> よくぞ、ここまで。
常子> いろんな方と出会って、助けていただきました。皆さん、一人一人のお力添えがあったから、こうして。
(間)
常子> とと?
竹蔵> (泣きながら)ここまで来るのには、相当な苦労があったでしょう。
常子> いえ。まあ、平坦な道のりではなかったですけど。
竹蔵> 僕が常子に、父親代わりを託したために、随分と苦労させてしまったね。すまなかった。
常子> そんなことはありません。とと、私、ととの代わりだから、とと姉ちゃんって呼ばれているんです。
竹蔵> とと姉ちゃん。
常子> はい。出版社を起こして、女の人の役に立つ雑誌を作りたいっていう夢が持てたのも、私がとと姉ちゃんだからです。それに、鞠ちゃんもよっちゃんも結婚して、子どもも3人授かって、今では8人で暮らす大家族ですよ。もう、毎日が賑やかで、楽しくて、皆なと過ごすささやかな日常が、私の生きる糧です。私は、とと姉ちゃんでいられて幸せです。
竹蔵> 常子。
常子> はい。
竹蔵> 頑張ったね。(優しく常子の頭をなでる。)ありがとう。
常子> ふふふ。(うれし泣き)

⇒ バ、バ、バ、バ、バッ、キューン! 頭なでなで。もう言葉にできません。脚本の西田征史さん、NHKのスタッフさん、このシーンを作ってくださり、ありがとうございました。実は、番組が始まった当初は、「ととを演じる西島さんと、常子を演じる充希ちゃんの共演はない」と言い切っていたんですよね。でも、物語が進むにつれて、考えが変わったようです。

(夢から目覚める常子。寝室の壁に、花山が描いた「素敵な家」が飾られている。)

⇒ めっちゃ、細かい演出。花山の御霊が、とと、竹蔵に会わせてくれたのかもしれませんね。
いやあ、『とと姉ちゃん』、素晴らしいドラマでした。脚本も良かったし、キャスティングも良かったし、演技力も良かったし、演出も良かったし、テーマ曲も良かった。非の打ちどころのないドラマでした。それに、各週のタイトルが「常子、~する」というふうになるよう、何か「こだわり」が感じられましたわ。また、丁寧な言葉遣いを終始使っていて、日本語の美しさが感じられた作品でした。本当に、感動を届けてくださり、ありがとうございました!


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