この日、この瞬間に向かっていく恋の序曲だったのだ。

取材のために私に会う必要も
なくなり、会うのは「きょう
が最後だね」と、朝井さんが
何気なく、

名残り惜しそうな感じでもな
く、ぽろっとつぶやいた日。

最後だね、という言葉に、私
の胸はチクっとした。
私の場合、キュンじゃなくて、
チクとしたけど、これって何。



YouTube
Stacey Kent - Quiet nights of quiet stars (Corcovado)

https://www.youtube.com/watch?v=ICX-1VGvUpY

胸の中で、飛び魚が跳ねたー

わたしたちは、幸せだった。
とても幸せに暮らしていた。

捲っても、捲っても、
白いページは減らない。
まるで幻のように美しい、
本物の幸せ。

愛する相手に借りがある。

いつもそう感じている
人こそ、
本当に愛しているのです。


YouTube
Pat Metheny - Don't Forget 1996.wmv

https://www.youtube.com/watch?v=xPTsC8_-YJ0&list=RDxPTsC8_-YJ0

最後まで完成させることのできない物語

真夜中の海を照らす、灯台の明かりの
ようなあのひとの声

長電話すればするほど会いたくて
切れない心　置けない受話器


YouTube
Joe Sample - MELODIES OF LOVE

https://www.youtube.com/watch?v=luALcf1g0_0&list=RDluALcf1g0_0



※オーディオ開設、販売あり
アルファー波で脳が安らぐため
LPで音楽も従来通り聴けます。

金　K18　　　￥3350
プラチナPT950 ￥2700
【3月29日買取値】

佐久市野沢93番地十二町
ケヤキの木の真向かい
アーケード十二町側
　　～ヤナギダ～
☎0267-62-0220

「あなたに溶けて、重なっていたい」

あなたが躰で、わたしが心。

あなたが海なら、わたしは潮騒。
あなたが空なら、わたしは夕焼け。
あなたが問で、わたしが答え。

愛することしかできない。
それがわたしの答えなのだ。


YouTube
「Missing」 久保田利伸×平井堅×押尾コータロー

https://www.youtube.com/watch?v=DCc12jiF9iE


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「会えた、会えた、やっと会えた」

恋に猶予はない。

空を見上げったて
涙ぐんで手紙を書いたって
ダメです。

郵便局に日曜日があるように
“恋”にだって休暇があるの
ですから。

YouTube
槇原敬之×秦基博　「遠く遠く」

https://www.youtube.com/watch?v=KskaRUtyASc


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悲しみを乗り超える方法

それは、乗り越えようと
しないこと。

透けるほど見つめ、決して、
手放さず、自分の身の内に
取り込んでいく。
私自身が悲しみそのものに
なってしまうまで。

涙が決して涙を流さない
ように、

悲しみそれ自体も、決して
悲しんだりはしないのだから。

YouTube
BREEZE - Just the way you are (Bossa nova version)

https://www.youtube.com/watch?v=vVoZRwBVJwM


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「愛する人に裏切られたことある？」

人々が、私や、私の傷心、私の孤独
とは無縁の足取りで、通り過ぎてい
く。

一人残らず、道行く人たちは、これ
から愛する者の腕の中へ帰っていく
か、あるいはその温かい腕の中から
出てきたばかりのように、見える。

他の季節ならば、歩道までテーブル
や椅子がはみだし、パリジャンや
旅行者で一杯のこのカフェも、

今はガラスパネルに取り囲まれ、
内側の水蒸気のせいでガラスが汗
をかいたように濡れている。店内
はガランとしている。

私は今、パリにいる。昨日は東京
にいた。おとといはまだ、自分が
パリへ飛び出していくだろうなん
て、知らなかった。おとといはま
だ、私は幸福だった。

パリは灰色で、建物もくすんだ灰
色だった。マロニエの樹は、裸で
寒そうに風に震えていた。

“別れというものは、そのように
不意にやってくる。交通事故のよ
うに、だしぬけに襲ってくる“



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「本当のことだけ言って・・・」

「何も変わっていないよ」
と、その言葉に律は思いを
込める。
「―――私も」

鈴愛は下唇を軽くかみ視線を
落とす。
「知ってるよ」
と律は鈴愛の背にそっと手を
回す。

「僕たち、ひどい回り道をして
しまったね」
彼はしんみりと言う。

「言葉って、怖いわね。人って、
自分が思っていることの十分の一
の言葉も出して言わないのよ。

でも自分では、充分に言ったよう
な気になるの。私、あれからずっと
一種の失語症―――」

「僕のせいだ」
「いいえ、自分自身のせい」
「僕たち二人の過ちだ」
二人は、律の車が駐車してある
ところで歩みを止める。

「二度と同じ過ちはくり返したく
ないわ」
「僕もだ。あんな痛い思いは―――」

律は急に言葉を呑みこむ。そして
続けるかわりに女を腕の中で抱き
しめる。鈴愛の匂い。一度として
律の記憶から消えなかった鈴愛の
香り―――。

　　　―ROMANCE―
こわいことを思い出さないために
恋人の手をにぎった

こわいことを思い出しそうになった
から
恋人を抱きしめて
それがすぎていくのを待っていた