samuraiの気になるmono事(「気になる映画」別館)

気になるmono事について、ちょっびっと語っております。

「北岳登山 -その2- 」

2008-08-04 21:44:58 | 日記
明け方3時過ぎぐらい、出発準備をする人が何人もいました。北岳頂上で御来光を待つ人ですね。日の出は4時44分と言う事なので毛布にもぐって待ちます。周りのいびきの大合唱と、寝た場所がトイレへの通り道だったので、一晩中誰かが頭の上を通っていた気がします。寝られない時は「目をつぶって横になってりゃ体は休まる」と考える主義なので気にしませんでした。(笑)

 4時になったのでトイレに行くため表に出てみました。そうです。トイレは外なんですよ。なんと雨と霧で視界20m、テンション20%ダウンです。御来光は諦めて5時に朝食をとります。ご飯とみそ汁がお変わり自由なのが嬉しいです。

 6時過ぎ、雨が上がったので出発しました。霧が濃く視界は不良です。頂上までは30分弱、案の定視界はありません。残念!!
「山登りって言うのはねぇ~。頂上からの景色は関係無いんだよね~。その山に登ったっていう事実が大切なんだよね~」
「今日も藤岡弘ですか。それが雨の原因じゃないんですか」
「ごめんなさい」(笑)
 
 八本歯のコルに向かって下って行くと、花の宝庫でした。

八本歯のコルから大樺沢二俣への下りは、左にクライマー憧れの北岳バットレスが望め、木製のハシゴが次々に現れる楽しい下りです。登るのは遠慮したいですが。(笑)
大樺沢二俣に到着すると雪渓の上を横断します。軽アイゼン持ってきたら近道できたのにちょっと残念でした。ここからは来た道を戻る事になります。

1時間30分ほどの長い下りが続きます。昨年は登山に行く度に帰り道の下りで、右膝外側側副靭帯が痛くなってしまいました。昔キックボクシングで痛めた古傷です。最後に登った尾瀬の至仏山では、右膝を庇ったたる左膝も痛めてしまいました。そこで年末から筋トレで大腿四頭筋をひたすら鍛えました。そのかいあって今年はここまで膝痛無しです。そして今回はもうひとつのアイテムが登場。「トレッキングポール」です。今までは「杖」なんてと思ってましたが、両手持ちのは膝の負担を軽減するよと知人から勧められて気が変わりました。

今年になってからいろいろ物色してたんですが、なかなかコレと言うのがなかったんです。ぴったりのを見つけました。BLACK DIAMOND社のコントワー・エリプティック・ショックです。伸ばすと140cmで身長178cmの私でもちょうど良いし、進行方向に楕円形の断面で強度も充分です。メーカーのセールスマンではないですが、お勧めです。下山後も膝の痛みは出ませんでした。筋肉痛は思いっきり出ましたが。

帰宅後、夜映画を観に行きました。その段階では筋肉痛もあまりありませんでした。一番後ろの席で映画を観賞し上映終了後、階段を降りようとしたら足がガクガクで階段を転げ落ちそうになりました。(笑)

「北岳登山 -その1- 」

2008-08-04 21:43:01 | 日記
「山頂なんにも見えなかったけど、北岳に何しに来たの?」
「キタダケ~、なんちゃって」(笑)

 北岳登山隊総勢3名(うちの嫁は諸事情で欠席)は圏央道あきる野を4:30に出発、6時過ぎに芦安温泉に到着しました。ここからはマイカー規制で一般車乗り入れ禁止です。無料の大駐車場に車を止めると平日なのにかなりの車が。ちょっとびっくり。
 
 乗り合いタクシーを探すと「7時に出ますよ」との事、ああ出発時間があったのね~と一人1,200円なりを支払いしばし休憩。ちゃんと調べとけ~俺。(笑) 12人乗りのワンボックスに9人乗車、35分ほど山道を揺られて北岳登山口のある広河原に到着しました。甲斐駒ケ岳や仙丈ヶ岳に登る人は、ここから更に市営バスか乗り合いタクシーを利用して北沢峠まで行く様です。

 7:50分いよいよ登山開始です。北岳山頂付近を見上げると厚い雲に覆われているのが気になりますが、とりあえず大樺沢二俣を目指し沢沿いの道を歩きます。ここから大樺沢まではガイドブックを見ると3時間、緩やかな登りと言う事なので、まだまだ元気な3人は快調に歩を進めます。私はマイブームの藤岡弘の物真似を連発「山っていうのはね~。ふふっ」「恋っていうのはさぁ~」などとやり続け嫌がられます。(笑)

 一時間半ほど歩いたところでついに恐れていた雨が。それもスコール級の大粒で、カッパを着遅れてしまった3人はかなり濡れてしまいました。テンション20%ダウンです。足元を見ながら黙々と登り続ける3人。しかし可愛らしいサンショウウオを2匹発見。さらに馬鹿でかいヤツワクガビルと言う蛭まで見つけてしまいました。ネットで検索したら伸ばすと30cmぐらいになるそうです。気持悪っ。

 さらに一時間ほど歩いたところで雪渓が見えてきました。テンション20%上昇です。そして噂のバイオトイレがある大樺沢二俣に到着。雨も上がったのでびしょ濡れのシャツを着替えて昼食にしました。バーナーでお湯を湧かして暖かいコーヒーを飲み更にテンション上昇。雪渓を離れ右俣コースから小太郎尾根を目指します。けっこうな登りが続きますが、やがて絶景ポイントに到着。正面に鳳凰三山、左に甲斐駒ケ岳、右に富士山が見えました。苦労が報われる瞬間です。

小太郎尾根に出ると強風です。寒いですが景色は最高、高山植物の花々も咲いています。写真を撮りつつゆっくり登ります。ライチョウは見られませんでしたが、可愛らしいイワヒバリを何羽も発見しました。すばしっこく歩くのでカメラに捕らえるのが大変です。

やがて北岳肩の小屋に到着しました。午後2時10分、登り始めから6時間30分弱が経過していました。私ともう一人のH君はひそかに今日中に北岳に登り反対側の北岳山荘泊まりを計画していたのですが(笑)、最年長のT隊長の鶴の一声「ここに泊まるぞ」で本日の行動は終了しました。

平日というのに小屋は凄い混雑です。あたえられたスペースは180x50ぐらいでしょうか、仰向けに寝ると横のH君と肩が当たります。
「H君~、まさに肩の小屋だねぇ~。ふふっ」(笑)

 小屋の前でコーヒーを湧かして飲んでいると、味の干物を焼いてるおじさん(私もおじさんですが)に声を掛けられました。
「お兄さん干物食べなよ。ビールもあるよ」
「ええ~、いいんですか。じゃ遠慮なく頂きます。ありがとうございます」すっかりご馳走になりました。話を聴くと静岡の伊東からいらしたそうで、この小屋の常連さんだそうです。クーラーボックスにはおじさん自家製干物が30匹ほど入っていました。

 夕食は交代制です。さほど大きくないテーブルに8人掛け(当然肩が当たります)x6卓で一度に48人。2回戦と10数人でしたから100人ちょっと、素泊まりの人もいたでしょうから、130人ぐらいが宿泊してたんでしょうね。ガイドブックを見ると定員は150人と記載されていました。

 寒かったのでカッパ以外の着れる物全部着ました。(笑)そして食堂横のストーブの側の特等席に座り、さらにビールを飲む私。さすが3000m夏でもストーブです。消灯の8時もせまり、そろそろ寝るかな~と部屋へ戻ると、ただでも狭い我々3人の寝場所が周りの団塊世代集団に浸食され、2人分ぐらいしか空いていません。なんじゃこりゃ~。参ったなぁと辺りを見ると、荷物置き場の横にたたみ四畳ぐらいのスペースがあります。顔の一番恐いH君に、小屋のアルバイトの男の子に聞いてもらいました。
「寝場所が無くなっちゃったんだけど、ここに寝ていいかな」
「もうお客さん来ないですからいいですよ」
ラッキーです。速攻移動しゆったりと寝ました。幸せです。ハッピー度50%アップ。
「睡眠っていうのはさぁ~。ふふっ。大事なんだよ~。人生の三分の一は寝てんだよねぇ~」
「藤岡弘はもういいから、寝て下さいよ」
「すみません」