日記

日々のあれこれ

「陽明文庫・国宝展」へ行く

2010年10月19日 | 広島案内
けさは広島市外熊野町の「筆の里工房」で開催中の「陽明文庫・国宝展」へ行く。我が家からは広島道路、海田大橋、熊野トンネル経由で約30分。山のなかにあるので、車以外では不便です。



陽明文庫は近衛文麿が1938年、家伝来の古文書類、道具類そのほかを後世に残すため、京都市内につくった倉庫兼展示場。五摂家筆頭近衛家には、国宝8、重文60などを含めて約20万点の古文書があるとか。

本日の展示は国宝8、重文9ほか合わせて57点でした。国宝は藤原道長直筆の「御堂関白日記」、後鳥羽天皇筆の「熊野懐紙」、伝藤原行成(三蹟!!)の「和漢抄」などなど、近衛家に伝わる至宝の数々を間近に見られます。他には小野道風(こちらも三蹟)、紀貫之、尊円親王(お家流始祖、書道の達人!!)、藤原定家(新古今選者)などなど。もうびっくり。

墨とはシンプルに炭素だけ、千年経とうが保管がよければきちんと読める。どれもとってもいい字。道長は字はそう上手くないけど、丁寧ないい字を書いている。すごいなあ~~

表装している布地がまたすごい。ペルシャあたりの織物とか、手の込んだ刺繍とか、見ごたえ充分。

みなさん御存じとも思うけど、細川元首相のお母さんは文麿の娘。家系の絶えた近衛家の名前を元首相の弟がついで、ついでに皇室からお嫁さんももらうという、昔から皇室とは親戚づきあいのお宅。本物はやっぱり素晴らしい。

で、なんでそんな立派なものがこんなところに。。。。と思ったが、熊野町は昔から農閑期の副業に筆づくりをしていたそうで、国産の筆の8割がここで作られています。「筆の里工房」は筆作りの歴史やミュージアム、ショップ、レストランなどがあり筆のいろいろを勉強できます。流麗な筆文字の数々、ここにこそふさわしいのかも。そして電車バスではたどり着けないのもありがたみがあるのかも。



展示もいろいろ。こちら軸や穂先。最近は化粧筆なども作ります。



手描き友禅の講座もあります。右から左へ、糊を置いて染める方法が説明されています。



先生に教えてもらって、訪問着を自分で染められるそうです。こちら図案の一例、秋草模様。材料費、講習料込みで35万円から!!!!!。ひょえ~~。失敗したらやり直せるんだろうか。。。。



テラスに出ると遠くがよく見えます。周りは山、足元にため池、保育園か幼稚園の子供たちが遊んでいます。のどかな秋の日です。

このあと熊野町郷土館へ寄るも休館。土日祝のみ開館だそうで。来た道を帰って昼過ぎには自宅着。熊野町は近いと実感。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
« お絵描き修業中 | トップ | 昼夜織りの思い違い »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
勉強になります (きもの大好き)
2010-10-19 19:14:53
良い物を見に行かれましたね
そんなところがあるなんて知りませんでした
筆というと、京都や奈良のイメージです

それにしても自分で描く訪問着なんて大丈夫でしょうか?
よっぽど筆遣いが慣れている人でなくては…着るのが恥ずかしいものになりそうです(汗)
きもの大好き様へ (旅と着物と本と・・・管理人)
2010-10-19 23:22:38
昔、関西へ出稼ぎに行った帰りに筆を仕入れ、行商しながら帰っていたのが始まりだそうです。

今回は特別で、ふだんは芸能人の絵や書もよく展示しています。いろいろな筆も買えます。ちょっと分かりにくい場所ですが呉から30分くらい、機会がありましたら是非どうぞ。

訪問着は…35万出して買った方が早いですね。(買えないけど)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

広島案内」カテゴリの最新記事