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「一心同体・小室母子とやっていけるのか」夫婦喧嘩で理詰めされる眞子さまが目に浮かぶ

2021-04-27 11:30:00 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です

「結局、400万円を払うのか」1億国民を振り回す小室さん母子
「小室圭さん問題」はコロナ禍において、強力なコンテンツとしての1ジャンルを確立しています。アマゾンプライムやネットフリックスなどのドラマ配信サービスと同じく、人々の時間が費やされ、関連ニュースも日々発信されています。
4月8日に小室さん自身が執筆した28ページにも及ぶ文書も衝撃的でした。
この文書を巡って眞子さまのお気持ち文書も宮内庁から発表されました。振り返れば、渡米した当初に“小室ロス”になる人も出るのではないかとの報道もありましたし(実際はロスになる暇がないほど報道が相次いだ)、前回書いたように小室さんはNYの弁護士会の論文で賞も取りましたが、今回の28ページ文書はそれら以上にインパクトが大きかったのは確かです。
ただ、突然の「小室文書」を受けて、4月11日放送のフジテレビ「ワイドナショー」で、フリーアナウンサーの神田愛花が「私たち、そんなに小室圭さんに時間割けないじゃないですか」と語った言葉は印象的でした。
小室さんに割いた時間は2017年の婚約発表以降、累計「数十日分」
個人的には、2017年の婚約発表から小室さんに割いた時間を累計すると数十日分にはなっていそうです。そのくらい、キラーコンテンツである眞子さまと小室さんのドラマに夢中になっている、と言えますが、28ページにも及ぶ「小室文書」はさすがにボリューミィです。しかも、大量の注釈がつくなどして読解難易度が高かったことから、かなりの時間を吸い取られました。
この文書を報じた各ニュースサイトを見ると「24ページ」としているサイトがあったり、文字数も「3万4000文字」「4万文字」「5万文字」「6万文字」など諸説があったり、誰も正確に全体像を把握できていなかったようです。
情報番組では、「読むのに体力がいる」(記者)、「1時間半かかった」(弁護士)といったコメントが紹介されて、日本中の人々の時間と体力を吸い取る「小室文書」が恐ろしいです。
「A4用紙28枚に怪文書のような圧を感じました」
最初、28枚ものA4用紙が並んでいるニュース映像を見たとき、怪文書のような圧を感じました。
しかし後日、眞子さまが「今回発表された文書を読まれていろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」というコメントも発表され、実際は、眞子さまの思いも込められた愛の共同作業だったのかもしれません。怪文書とか言って失礼いたしました。
「小室文書」のインパクトが強すぎて、3月下旬に秋篠宮家の長男悠仁さまが「第12回北九州市子どもノンフィクション文学賞」に小笠原諸島を旅した紀行文を出して「佳作」に選ばれたニュースや、「歌会始」で、眞子さまが朱に色づく烏瓜(カラスウリ・朱色の果実と、夜間だけ開く花で知られる)に思いを託された雅な歌のニュースは、かき消されてしまいました。それが皇室的には大丈夫だったのか少し気になりました。
一方、全然大丈夫じゃないと思われるのが、小室さんの母・佳代さんの元婚約者Xさんです。400万円を小室母子に貸したと主張するX氏に対して、それはもらったものと主張する母子との金銭トラブル。これが要因で、X氏は数年前、ローンの返済に行き詰まって愛車と自宅マンションを売却したとも言われています。
弱り目にたたり目で、今回、28ページにもわたる小室文書の公開でさらに窮地に追い込まれています。小室さんによって、X氏が小室さん側に「(400万円を)返してもらうつもりはなかった」と証言した婚約解消時の言葉が何十回も繰り返し引用されているからです。
イラスト=辛酸なめ子
X氏は、「週刊女性」(2019年2月12日号)では、「まだ20歳前後の圭くんを傷つけたくなくて、金銭が(婚約破棄の)理由だとは言えなかった」と述懐しています。
そのような思いがあったから、別れの時にお金を返してほしいと言わなかったのかもしれない、と推察できますが、結果的には小室さんのほうが何枚も上手だったのかもしれません。「返してもらうつもりはなかった」というX氏の言葉を、小室さんはすかさず録音していました。さすが弁護士の卵、交渉ごとにも慣れている感じがします。
同じ週刊女性の記事でX氏は「お金を返してもらえるなら、例えば“和解金”という名目などでも納得して、この件は打ち止めでかまいません」と、語っています。
「小室文書」では小室さんは「本当の意味での解決にならなければ、解決金をお渡ししても借金だったことにされる可能性は否定できないままで本末転倒になる」と、自説を展開していました。
「切実に名誉の問題」だったはずが…解決金支払いの方向
だから、X氏にお金を返済しないという理屈でしたが、小室さんの代理人弁護士は4月12日、メディアの取材に応じて、一転、小室さんの母・佳代さんと元婚約者男性との金銭トラブルをめぐり、小室さんが「解決金」を渡すことを検討していると明かしました。結局、「小室文書」を出して世間の反応を見てから、「解決金」を支払うことに決めたようです。
お金を返す行為だと借金だと認めてしまうことになると書いていたので、「解決金」ならプライドは保てるのでしょうか。「切実に名誉の問題」と書いている通り、文書の端々にはプライドの高さが垣間みられました。
小室さんの絶対的な自信の源は、母親からの溺愛と眞子さまの愛
弁護士になるための司法試験の勉強中の身なのに「複数の弁護士に相談したうえであらゆる可能性を考えて方針を決める必要があった」とか「元婚約者の方との話し合いを担当してもらう弁護士を選定するまでに相応の時間がかかった」など、弁護士を雇っている感を出していることに違和感を覚えたのは私だけではないのではないでしょうか。
優に数百時間を小室さんに費やしてきた私が思うに、小室さんの絶対的な自信の源は、母親からの溺愛を受けて育ってきたことと、皇女であらせられる眞子さまの愛を得ている、ということでしょうか。
もし夫婦喧嘩したら、眞子さまは理詰めで責められてしまいそう
ただ、文書を拝読する限り、母親の交際事情を掌握するなど小室さんは母と一心同体です。もちろん母親を大切にするのは良いことですが、眞子さまがこのディープな母子関係の間に入っていけるか、老婆心ながら心配です。
さらに、この文書から推察すると、晴れてご結婚された場合、夫婦喧嘩にでもなったら、不利な証拠を列挙されて詰められることになりそうです。
こうして部外者が勝手に心配しても眞子さまのお心には届かないことでしょう。小室さんが世間に批判されればされるほど眞子さまが燃え上る図式もありそうです。
しかし、率直に申し上げて、お金を返さない論理を28枚にもわたってつづる行為は「ノーブレス・オブリージュ精神」とは真逆なものと言えるでしょう……。31文字の歌に思いをこめる雅さともかけ離れています。皇室との価値観の違いは埋められるのか……。それとも解決金で全てがうやむやになるのでしょうか。
「小室文書」には多くの矛盾点や未解決な部分が残されていますが、司法試験の勉強の合間をぬって、28ページもの文書を書き上げた底力は認めざるを得ません。「非常に丁寧に説明されている」と宮内庁長官も陥落。解決金を支払えば、このまま小室ファミリーの勝ち逃げとなりそうな予感です。
ちなみに今回、世間を騒がせた「小室文書」が、「国立公文書館」(歴史的に重要な公文書の収集・保存をしている施設)に収蔵されるのか気になったので、電話で伺ってみました。
「省庁で重要な書類だと判断されたら当館に来るかもしれませんが、今のところは当館では判断しかねます」と、丁寧なお返事をいただきました。
もし今後、「小室文書」が「国立公文書館」に納められたら、小室さんプライドはさらに満たされるに違いありません。
辛酸 なめ子漫画家/コラムニスト


日本人の5人に1人「糖尿病」じわり進行する怖さ

2021-04-27 08:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です

糖尿病は、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の5~6人に1人が罹患(りかん)している、いわゆる国民病です。
さらにこの調査では、「食事習慣に関心はあるが改善するつもりがない」人は全体の25%、「関心もなく改善もしない」人は13%にのぼりました。この原因としては、仕事や家事が忙しく時間が取れない、そもそも生活習慣を変えることが面倒などが主にあげられます。
確かに、糖尿病は少しずつ進行するため、テレビなどで「糖尿病は心筋梗塞を起こすので危険です!」などと言われても、いまいち危険性に対する実感がわかないかもしれません。
しかし、糖尿病は直接命に関わる病気になるような段階の前から、生活の質(QOL)が下がる症状が出ることを知っておく必要があります。
血液中に大量の糖が含まれている状態が「糖尿病」
まず、糖尿病とはどのような病気なのでしょうか? 「糖尿病」という名前から、尿の中に糖が出てくるもの、と思われがちですが、正確にはそれだけではありません。
本来、食べ物を消化したり、体内で産生したりすることで作られた糖(グルコース)は細胞のエネルギー源として、血液に乗って全身に行きわたりますが、糖が多すぎると細胞に取り込みきれず、血液中に糖があふれている状態となります。この血液が腎臓でろ過され、尿糖として身体の外に排泄されているのです。すなわち、尿だけでなく血液中に大量の糖が含まれている状態を「糖尿病」と呼びます。
このように、血管内に糖が多く含まれている(=高血糖)と、血管の壁が傷つきやすくなり、さらに脂質が血管内にたまりやすい状態にもなります。その結果、血液が通る道が狭くなり、かつボロボロになっていきます。これが進行すると動脈硬化となり、心筋梗塞や脳梗塞といった致命的な疾患につながります。
高血糖による血管の障害はジワジワと進行するため、心臓や脳の太い血管では症状が出るまでに時間がかかりますが、手足の先や眼、そして腎臓にあるような細い血管にはすぐに影響が出てきます。
まず手足の先ですが、手足の指の感覚が鈍くなる、足の裏にジンジンしたしびれが起こることが特徴です。さらに、足の指先の血管が障害されることで血流が行かず、しかも感覚が鈍くなっているため症状の進行に気づかず、気づいたときには足の指が壊死していることも稀ではありません。進行すると、指や脚を切断することになる場合もあります。
眼では、とくに「網膜」に障害が起こります。網膜は私たちが眼でみた映像を映す、カメラのフィルムのようなはたらきをしています。網膜には細い血管が張りめぐらされているため、糖尿病によって障害が起こると視力低下が起こり、進行すると失明の危険性があります。糖尿病による網膜の障害は、現在も日本人の失明の原因の1、2位を争っており、決して他人事ではありません。早期発見によりレーザー治療をすれば進行を止められるため、医師から眼科受診をすすめられたら視力低下などの自覚症状がなくてもすぐに病院へ行きましょう。
もうひとつ、腎臓については、尿を作る「糸球体」という場所に障害が出ることで腎臓の機能が低下します。症状としてはむくみや強い疲労感が出るほか、進行すると自分で身体の老廃物を排泄できなくなり、透析によって人工的に老廃物を出さなければならなくなります。この状態になると(程度によりますが)週2~3回、クリニックに通って透析を受けなければならず、とくに働く世代では生活の時間が圧迫され、非常に負担が大きくなります。
糖尿病を予防するには?
それでは、こうした症状を避けるためにはどのような予防法があるのでしょうか。
まずは自分の状態を知るために、職場や自治体の健康診断を受けましょう。健康診断の結果項目は一見複雑ですが、私の過去記事【いまさら聞けない「健康診断の結果」の見方】に糖尿病に関係する数値はどこを見ればよいかを解説していますのでそちらも参考にしていただければと思います。
そして、糖尿病は肥満がリスクであるため、食事習慣や運動習慣を見直すことで予防することが可能です。ご自身の理想体重は、身長(m)×身長(m)×25で求めることができます。現在の体重がこの数値を超えてしまっている人はいわゆる「肥満」ですので、理想体重に近づけることを目標としましょう。
とはいえ、ご飯は何カロリー、塩分は何グラムと言われてもなかなか実感がわかないですし、忙しい中で3食管理するのはとてもストレスです。そこで、日々の食習慣を見直すところからはじめてみましょう。
野菜による食物繊維を摂取することは糖尿病の予防に効果的です。牛丼を単品で特盛1つ!と頼むのではなく、ご飯の量を抑えてサラダやスープを加えるようにしましょう。食べる順番やスピードも大切です。野菜(食物繊維)やメイン(たんぱく質)のあとに米や麺類(炭水化物)を、よくかんで食べることで急激な血糖値の上昇をおさえることができます。
また、できるだけ規則正しく3食食べるようにしましょう。朝食を抜く、遅い時間帯の夕食、間食の取りすぎはよくないと言われています。テレビなどを見ながら、仕事しながらの「ながら食い」が習慣になっている方は、お菓子の袋から食べるとつい1袋食べてしまうことも多いため、小皿に取り分けて少しずつ、回数を分けて食べましょう。
1日30分以上は歩き、睡眠も長時間しっかりと
運動習慣では、1日の歩行時間を30分以上は確保しましょう。自宅から最寄り駅、最寄り駅から会社までの徒歩時間で足りない人は、階段の利用などをおすすめします。
このほか、6時間以下の短時間睡眠や、職場などでのストレスによっても糖尿病のリスクが上昇します。不眠やストレスそのものに加え、不規則な生活習慣や、ストレス解消のための衝動食いが増えることが原因と言われています。食事や運動だけでなく、メンタル面のケアを行うことも重要です。
新生活がスタートしたこの時期、日々の生活習慣もリニューアルすることで、健康な毎日を作っていきましょう。
上原 桃子 : 医師・産業医


14歳の少女が精神病院で体験した「極限の地獄」

2021-04-26 15:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です

「かゆいときも自分ではかけず、寝返りもいっさい打てません。一度大嫌いなクモが天井から降りてきた事があり、動かせない顔の数センチ横に落ちましたが、どうにもできませんでした。身体拘束された77日間で、『死』よりも『いつ地獄が終わるのかわからない生』のほうが、とてつもなく恐ろしいと知りました」
14歳の時に摂食障害(拒食症)で都内の総合病院の精神科に入院し、77日間にわたり身体拘束された女性Aさん(27歳)は当時の経験をそう振り返る。
「思ったより体重あるんだね」の一言をきっかけに
Aさんは中学2年の冬からダイエットを始めた。「始めたきっかけは単純で、学校の友達に『思ったより体重あるんだね』と言われたという、ささいなことでした」
この連載の一覧はこちら
完璧主義者だったAさんは、ほんの少しでも体重が増えると摂取カロリーを過度に抑えるような食事制限を自らに課していた。生理がなくなったりふらついたりする状態を心配した両親とともに、中学3年の春となる2008年5月にこの病院を受診し、入院した。
「医学知識はありませんでしたが、拒食症という病気であるならば治さなければならないと思い、また開放病棟での任意入院と聞き安心し、入院にも納得していました」
受診後、入院するまでの数日間、Aさんはどこかで入院生活を楽しみにしている自分もいたと話す。「今まで病気らしい病気になったことがなかった自分に病名がつき、皆が自分の体を心配してくれることがうれしくすらありました。入院中、友達に手紙を書きたいし、家族の面会も楽しみ、同じ病室・病棟の子と仲良くできたらいいな、などと考えていました」
ところが入院当日、そうした浮かれた考えは一気に打ち砕かれた。案内されたのは病棟の奥にある、ベッドとポータブルトイレだけがある、無機質な独房のような個室だった。鉄格子のついた窓の外はつねに日陰で、その日の天気もわからなかった。
「両親は『頑張ってね』と泣いて私を見送りましたが、私も両親もまさか次にお互いの顔を見ることができるのが、約4カ月半も先になるとは想像もしていませんでした」
入院にあたって、まず行われたのが持ち物検査だ。眉をそるためのカミソリはおろか、携帯電話や音楽を聴くためのiPod、書籍や筆記用具、コンタクトレンズまで持ち込みが許されなかった。一つひとつ選んで持ってきた大切なぬいぐるみは手乗りサイズ1つを残し、すべて持ち帰りが命じられた。
ベッド上に寝たままで勝手に動かないように
入院後、Aさんが主治医からきつく課されたのが、ベッド上に寝たままで勝手に動かない(床上安静)ということだ。ベッドサイドに腰掛けることも認められない。また個室内の衝立(ついたて)のないポータブルトイレすら勝手に使うことが許されず、看護師の許可を得て利用し使用後確認させることが求められた。
つまりAさんが自由を許されたのは、個室のベッドの上で横になり、小さなぬいぐるみをひたすらなでることだけだった。
同じく主治医からは、出された普通食を3分の2以上平らげることを厳しく求められた。しかも病院ではそれまで胃が受け付けないと避けていた、天丼やカレーなど重い食事が頻繁に提供された。揚げ物の衣の油がきつく、できれば食べたくなかったが、そうできないのには訳があった。
「主治医との最初の面談で、3分の2以上食べなければ、鼻から胃に直接栄養をいれる『経鼻胃管』に切り替えると告げられており、胃もたれに苦しみながら必死で食べ続けました」
テレビも読書も音楽も禁止され、両親や友人との面会はおろか手紙や伝言も許されないなど、外界とつながりが隔絶された日々に、Aさんの病院と主治医への不信感は高まっていった。入院から約1週間後、Aさんは両親に会いたいとの懇願を看護師にあしらわれると、一連の処遇への不満から点滴を自己抜去した。
駆けつけた主治医に、Aさんは思いの丈をぶつけた。「ほかの精神科へ転院させてください」「それが無理なら小児科病棟に移してください」。主治医に却下されると、最後の希望をかけて、「私は任意入院だと聞いています。権利があるはずなので退院して自宅に帰ります」と訴え、出ていこうとした。
そのAさんに主治医から非情な一言が告げられた。
「ああ、今から医療保護入院になるから、それは無理だよ」
本連載で何度も取り上げたとおり、医療保護入院は精神科特有の入院制度で、本人が拒絶しても、家族など1人の同意に加え、1人の精神保健指定医(経験年数やレポート提出など要件を満たした精神科医)の診断があれば強制入院させられる。Aさんの両親は入院時に主治医から求められて、あらかじめ同意をさせられていた。
「『もういいかな? じゃあやっておいて』と主治医が手慣れた様子で言い放つと、病室に入ってきた4人の看護師が手足を押さえつけ、手際よく柔道着の帯のような平たい頑丈なひもを私の体に巻き付け、ベッドの柵の下側に結んでいきました」
両手、両足、肩の身体拘束が終わると、次に鼻の穴から、経鼻胃管のチューブが挿管された。チューブは胃カメラのときに入れるものよりも太くて固い。それが常時入れられたままになる。
「経鼻胃管をされると、24時間ずっと鼻とのどに食べ物や飲み物が詰まっているような、何ともいえない違和感があります。例えるなら、柱がのどに突き刺さっているような感覚です。とにかく、苦くて痛い、そして苦しくかゆいとしか言いようがありません」
意識が鮮明ゆえの「極限の地獄」
排尿は、尿道バルーンが自動的に尿を吸い出す形で行われた。拘束が外れた後も筋力が回復して自力でトイレに行けるようになるまで、2カ月半ほど付け続けた。
「経鼻胃管の痛みと違和感が強すぎて、尿道バルーンの痛みや違和感はそこまで記憶していません。ただ、恥ずかしさはとても大きかったです」
より恥ずかしかったのは排便だ。おむつを付けさせられたうえ、排便時にはナースコールをして看護師におむつを脱がされ、お尻とベッドの間にちり取りの形をした「おまる」を入れられ、そこにしなければならなかった。
「排便時もおなかに1枚タオルをかけてくれたぐらいしか、プライバシーへの配慮はありませんでした。3日に1回お通じがなければ浣腸され、無理やり排便させられました。恥ずかしいし情けないし、思い出したくない経験です」
当然のことながら、摂食障害で入院したAさんは意識も鮮明で、はっきりと意思の疎通もでき、もちろん幻覚を見たり幻聴を聞いたりすることもなかった。「意識が完全にクリアな中でされる身体拘束や経鼻胃管、尿道バルーンの経験は、まさに『極限の地獄』でした」。
入浴もできず、数日に一度の看護師による手か足の部分浴か清拭のみがなされた。
「点滴が落ちるのを見ることぐらいしかできない身体拘束中は、1分1秒、時間が経つのがとても長く感じました。その間、私はどうしたらこの拘束が解け地獄から抜け出せるのか、必死で考え続けました」
禅問答続きでの拘束継続
主治医からは身体拘束の理由について、「自分を見つめなおすため」「自分と向き合う時間を作るため」といった抽象的な説明ばかりで、Aさんのその時点での状態の説明や治療目的、どうすれば拘束が外れるかの具体的説明などは、何ひとつなかった。
「だからいろいろな話し方をして、試してみました。時には身体拘束を含めすべてを受け入れるような従順な発言や主治医を信頼しているような発言をしてみたり、別のときには激しい口調で反抗的な態度をとってみたり。それでも『どうしてそう思うのかな?』などと返させる禅問答続きで、一向に状況は変わりませんでした」
いつまで続くかわからない身体拘束から逃れるべく、必死で考え続けるAさんを前に、主治医はこんな雑談をしたこともあった。
「この前、映画の『崖の上のポニョ』を娘と見に行って楽しかったと言って、こんな歌なんだよと、『ポーニョ、ポーニョ、ポニョ、さかなの子~~』と主題歌を歌いだしたこともありました。私から奪い取っている外の世界の楽しい様子をなぜ私に聞かせるのか。私がこんな目に遭っているときに、この人は人生を楽しんでいるんだろうなと、絶望的な気持ちになりました」
考え続けた結果、Aさんが生育過程での母親との関係性の悪化について話をするときだけ、禅問答のような聞き返しがなく、Aさんの話を納得したように黙って聞いてくれることに気がついた。
「主治医はこの病気の原因を母親との親子関係に結び付ければ満足してくれるのだと思い、その方向で話を合わせるようになってからは、拘束が緩んでいくのが早くなりました」
結局、全拘束が解除されたのは8月上旬、5月下旬から77日間にわたって、24時間拘束が続いたことになる。両親と面会が許されたのは、それからさらに1カ月半先の9月末のことだ。退院はさらに2カ月後となる11月末、入院からちょうど半年が過ぎていた。
退院後、両親との関係は悪化した。
「両親に対して、どうして拘束に同意したのか、どうして早く助けてくれなかったのかと何度も責めました。両親は面会や連絡が許されない中、『拘束しなければあなたが死ぬって、主治医が言うから仕方なく同意した』と言いますが、それにしてもなぜあんなことを許したのかと、わだかまりは残りました」
半年間の入院で体力が落ち通学自体が肉体的にきつく、さらに半年にわたり主治医から自分の意見を否定され続けたため、親しい友人たちともうまくコミュニケーションが取れなくなっていた。「緊張してどもってしまったり、文字が書けなくなったり、逆に1人で話しすぎたりと、円滑な関係を築くことができなくなっていました」。
結局、復学後、数カ月で不登校になり、進学した高校も1日も登校できず退学を余儀なくされた。専門学校やアルバイトも続かなかった。
「このころは1日2時間くらいしか起きていられず、あとはずっと寝たままでうつ病状態となり、薬の過剰摂取を繰り返し、救急車で搬送されたこともありました」
Aさんは19歳のときにいまの配偶者と出会い、結婚。それをきっかけに精神的な面はだいぶ回復し、2018年5月、不当な身体拘束を受けたとして、この病院に損害賠償を求める裁判を起こした。現在、東京地方裁判所で係争中だ。
身体拘束は患者の行動の自由を完全に奪う、最も強度な身体の自由に対する制約だ。精神科病院における身体拘束は、精神保健福祉法で
① 自殺や自傷の危機が切迫
② 多動や不穏が顕著
③ 患者の生命に危険があるなどのときに、ほかに方法がないと精神保健指定医が認めたとき
のみ、行うことができるとされている。
裁判所に提出された準備書面によれば、原告側の複数の専門医たちは、Aさんの入院当時の体重は、各種医学文献や摂食障害におけるガイドラインに照らしても、生命に危険が及ぶおそれがある数字ではなかったという。
またAさんは治療の必要性を理解し、身体拘束されるまで入院中の食事を経口摂取できていたこと、点滴抜去の防止のために拘束以外の代替手段を検討した形跡がないことなどから、身体拘束は要件に欠いた違法なものだと主張する。
これに対して、病院側は取材依頼に対して、「個別案件についての取材には、応じかねます」とするが、裁判所に提出した準備書面では、「拘束を中止したら、(点滴の)自己抜去や自殺企図、自傷行為の恐れ、安静を守れず過活動や運動もあると判断した。身体拘束以外に代替方法はなく、継続が必要だった」「両親や友人との交流を避けることが症状改善に必要なので、治療の一環として当面は家族との面会連絡を行わない治療方また病院側は「身体拘束を内省や医療従事者に心を開く手段として用いるようなことはしていない」と主張する。だが、2020年11月、裁判所での証人尋問で、この担当医は耳を疑うような発言をしている。
「(身体拘束されている患者は)付きっきりのように、もうほかの患者と比べれば、数倍もの時間を医師も(費やしている)、ですから御本人さんが身体拘束が外れたときにものすごく寂しいと言って、特別な座から降りるんだと、まさにそのような、もう病棟患者さんから見れば、ものすごい羨望を集めるような特別待遇なんですよ」
今も続くフラッシュバック
この言葉を聞いたAさんは憤りを込めて訴える。
「精神科医にはぜひ、いつ解除されるかわからない身体拘束を、一度体験してみてほしい。結果的に1時間で終えたとしても、当事者が訴える、先の見えない底なしの恐怖の一端は感じ取ってもらえると思います。私は結婚して精神的に安定した今でも、急に手首を握られたときなど、身体拘束のフラッシュバックに苦しめられることがあります」
今年2月下旬、厚生労働省は精神病床における身体拘束の実態に関する、初めての調査結果を発表した。2017年夏に当時の塩崎恭久厚労相が近年の身体拘束の急増についての調査と対処に言及してから、すでに3年半が経っていた。
そこでは患者に対する身体拘束のうち約3割で、1週間以上の拘束指示がなされていたことが明らかになった。最大日数は15年半におよぶ5663日と、驚くべき数字となっている。
密室性が高く、情報公開意欲にも乏しい環境の中で、身体拘束のような人権侵害の度合いの強い行動制限が柔軟に行われている日本の精神医療の現場では、患者と医療関係者間の力関係の差は歴然としている。そうした中で昨年、ある西日本の病院で大規模な患者虐待事件が発覚した。針で了解を得ている」などと主張している。


なぜホームレスはコロナに感染しないのか?支援団体が明かす究極の対策

2021-04-26 13:30:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です

新型コロナの意外な「安全地帯」は
貧困当事者支援
 コロナ禍が世の中の重大関心事となり始めて以来、すでに約半年が経過している。手洗いやマスク装着は世の中の“常識”として根付いているように見えるが、感染者は再び増加しつつある。
 しかも、感染発生は「クルーズ船」「施設」「夜の街」といった特定の場所に限られているわけではない。むしろ、増えているのは経路不明の感染例だ。何にどこまで注意すれば、「まあまあ安心だ」と思えるのだろうか。
 ホームレスを含む貧困層や低所得層の支援現場は、意外な“安全地帯”かもしれない。このような現場で感染が拡大した事例は、日本では皆無、世界的にも皆無に近い。貧困の当事者たちの多くは、心身の状況が良好ではなかったり、高齢であったり、持病を持っていたりする。さらに、しばしば「情報弱者」であり、基本的なリテラシーを身につける機会にも恵まれてこなかったことが多い。
 それなのに、こうした人々に対する支援活動を通じた感染拡大は、ほぼ皆無なのだ。ここには、あらゆる人々の「安全」「安心」のカギがありそうだ。
「特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい」では、東京都新宿区の事務所での対面相談に加え、東京都庁での食糧配布や相談会を行っている。しかし、新型コロナ対策の観点から、事務所での活動に際してはスタッフやボランティアの人数を制限し、「3密」すなわち「密閉」「密集」「密接」を避けている。高齢であったり持病があったりする人には、無理に参加しないように促す。
 また、その日の体調が思わしくない人には、参加を控えてもらう。もちろん、手洗い・マスク・消毒などの対策も行っている。「もやい」では4月以来、医師のアドバイスを受けて感染症対策をマニュアル化し、定期的な見直しを重ね、注意喚起を重ねているということだ。
「スタッフはもちろん、相談に来られる方にも遵守をお願いしています。守れない方には、参加をご遠慮いただいています」(「もやい」理事長・大西連氏)
 しかし7月に入ってから、日本全体、特に東京都では感染者が増加している。一団体の対策には、限界があるだろう。それでも大西氏は、「できることをしながら、柔軟に」活動を続けていくという。万一の感染者発生に備え、一定期間の活動停止を含む対応計画も、すでに作成しているということである。
有効な対策は拍子抜けするほど
「基本中の基本」ばかり
 ついで、「もやい」にアドバイスを提供している専門家の1人である谷川智行医師に、具体的にどのようなアドバイスを行っているのかを聞いた。
「一般的な“3密”を避けること、咳エチケット、そして消毒です」(谷川医師)
 拍子抜けするほど「当たり前」のことだけではないか。
「まず、支援者同士で感染させるようなことは、避ける必要があります。そのためにも、体調の悪い方は、活動に参加しないことが大切です。支援者の人数は減ることになりますが、これが大前提です。もしも相談に来られた方を感染させてしまったら、支援しているのか迷惑をかけているのかわからなくなってしまいます。また、活動全体も停止ということになりかねません。
 ですから、体調を含めて不安のある方には、参加しないでいただくようにしています。体調が良くないのに来られた方には、すぐ帰っていただくようにしています。実際に、何回かそのようなことがありました」(谷川医師)
 路上で行われている相談会に訪れる人々、その日初めて相談してみようとする人々に対しては、事前にマニュアルや対応を徹底するわけにはいかないだろう。
「相談に来る方にも、マスクを着けていただき、手指の消毒をしていただいています」(谷川医師)
 やはり、基本的なことだけだ。さらに谷川医師によれば、「屋外」という環境は感染予防において有利である。
「屋外では、3密の『密閉』はありません。リスクになり得るのは、接触です。そこさえ注意すれば、おおむね安全でしょう」(谷川医師)
もともと路上生活の人々は、感染リスクが極めて低い。
「路上生活よりも“ドヤ”(簡易宿所)や大人数のシェルターの方が、ずっと危険です。無料定額宿泊所は、この機会に個室化してほしいです。厚労省も新型コロナ対応で事務連絡を発し、個室化を求めています。『この事態下だから』ということではなく、この機会に今後も個室化してほしいです」(谷川医師)
 今回のコロナ禍を乗り切れば、「それで良し」というわけではない。
「感染症は、これからも次々に来るでしょう。2000年以後、世界的に流行した感染症の多くはコロナウイルスによるものです。他にも、ウイルスは多数あります」(谷川医師)
 2000年からの1000年間は、世界規模の感染症との闘いが繰り返されそうだ。今回の新型コロナウイルスへの対応によって、人類は新しい感染症への対応を学ぶ必要がある。感染症との闘いは、今後も異なるパターンで繰り返されるからだ。これは、世界中の専門家の共通した見方である。
根本的な解決法は、谷川医師によれば「人間が自然界に乱暴に入り込むのを止めること」である。その通りだろう。感染症との闘いは、生活のために自然破壊を余儀なくされる人々がいる現状を変え、気候変動に歯止めをかけ、災害リスクを減らすことと一体であるはずだ。
「支援を止める」という
選択肢はない中での対策とは
 ついで、医療をはじめとする多数の専門職がいる特定非営利活動法人「メドゥサン・デュ・モンド ジャポン」で、より専門的な視点からの意見を聞いた。この団体は「世界の医療団」として知られており、「すべての人に医療を」というスローガンを掲げて多様な活動を継続している。ハウジングファースト東京プロジェクトのパートナー「NPO法人TENOHASI」と提携して、路上生活者の夜回りや炊き出しも行っている。
 居住の貧困を解消することに主に取り組む武石晶子さんは、2月末、新型コロナが日本にパニックを引き起こしつつあった時期を振り返って、次のように語る。
「その時期、炊き出しが予定されていたので、厚労省のサイトを参考にして対策しました。炊き出しに来た路上の方々は、『コロナって何?』『感染したら、保険証がないから死ぬだけ』という声もありました」(武石さん)
 新型コロナは指定感染症である。通常の病院で、通常の診察の手続きで治療を受けられるわけではない。治療を受ける際には、必ず保健所を通すことになる。しかし路上生活の人々には、「保健所で門前払いされるのでは」という懸念もあった。
「まず、情報が届いていないんです。そこで、他の支援団体とも話し合い、『最初に情報の貧困を解消しよう』ということで、医療ボランティアに協力いただき、必要な情報をまとめたチラシを作成しました」(武石さん)
 そして武石さんたちは、感染予防や感染の可能性がある場合の対処など必要な情報を簡潔にまとめたチラシを、マスクや消毒剤とともに路上生活の人々に配布した。
 この配布活動は、マスクやアルコール消毒剤の入手難を乗り越えて、現在も続けられている。現在は、ファスナー付きポリ袋に数枚のマスク、ティッシュ、消毒剤または液体石鹸がコンパクトにまとめられた「衛生キット」の形となっている。そのキットの中に、チラシが入っている。
まずは「情報の貧困」を解決
これからは熱中症の対策も
 盛夏を控えた7月現在は、熱中症対策も重要な課題だ。チラシには熱中症対策についても記載されており、熱中症対策用の塩入りタブレットが留められている。炊き出しや相談会などに訪れた人々は、まず「衛生キット」を手にする。順番を待っている間に中を見て、タブレットを外して口にすることが多い。そのときに、チラシを読むことが多いそうである。チラシの内容に加えて、読まれるための配慮も怠っていない。
「コロナ禍で活動を中止することは、全く念頭にありませんでした。私たちが行っている活動は、医療相談も生活相談も炊き出しも、すべて命をつなぐものです。止める選択はありません」(武石さん)
 活動を止めない以上は、感染症対策を十分に行う必要がある。対策は、「3密」の回避と支援者側のリスク管理に加え、「ボランティアの人数を可能な限り減らすこと」「配布した食糧をその場で食べないよう、炊き出しから弁当の配布へと形態を変えること」「並ぶときは2メートル以上の距離を空けて」であった。
 またしても、拍子抜けするほど基本的なことばかりだ。しかし結果として、その基本的なことの積み重ねによって、活動の安全性が維持されてきた。
もともと路上生活者の
マスク着用率は高かった
「世界の医療団」が当初から心がけてきたことの1つは、支援者「が」ウイルスを持ち込まないようにすることだった。具体的な対応は「自らの健康管理をする」「話すときは必ずマスクを」「手指を消毒する」といったことだ。
「活発な経済活動をする人たちは、『密』になることも多くなるので、感染する確率は、路上の方より高くなります」(武石さん)
 感染対策の中心となった西岡誠医師は、コロナ禍に対する世の中の恐怖心が、「自分が感染させられる」という方向に偏っていることを危惧する。
「路上生活の方々は『3密』になりにくく、新型コロナウイルスに感染するリスクは高くありません。また、排気ガスや粉塵から喉を守るため、パンデミック前からマスク着用率が高いことも、有利に働いたと思います。しかし、高血圧、肺気腫、糖尿病など基礎疾患を持つ人が多いため、感染した場合の重症化リスクや死亡リスクは高いです。われわれ支援者が、路上生活者に感染させないための対策は重要です」(西岡医師)
本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 夏季には、マスクの弊害もある。
「夏場は、マスクによる熱中症のリスクがあります。『道を歩いている時や、周囲に人のいない場所では、マスクを外す方が良い』と伝えています」(西岡医師)
 様々なリスクがある中で、誰もが限られた資源を活用して対応しなくてはならない。厳しい状況にある人々ほど、対応の難易度は高くなる。
 西岡医師は、日本の現状に関して、世界各国の感染拡大地に比べれば、「今のところは、感染者数も死亡者数も抑えられている」という。日本の「3密」の効果は世界で評価されており、WHOが「3C」として採用したばかりだ。中でも最も効果があるのは、ソーシャル・ディスタンスを保つことであるという。
 ともあれ、基本的な対策は十分に有効だ。感染者数に一喜一憂せず、日々の感染対策を積み重ねることが、自分自身と大切な人とを守ることになるだろう。
(フリーランス・ライター みわよしこ)


「小室圭文書」を読破してわかった母子の野心のありかと嫌われる理由

2021-04-26 11:00:00 | 日記

下記の記事は論座からの借用(コピー)です

小室圭さんが解決金を支払う方向だと、ネットニュースが教えてくれた。4月12日、夕刻のことだ。すごい勢いでコメントがついていた。概ね、不評である。
 秋篠宮家の長女眞子さまとの結婚が延期されて3年と2カ月。改めてというか、やっとというか、とにかく母・佳代さんと元婚約者との「金銭トラブル」について説明する文書を4月8日に公表した小室さん。「(解決金を渡してしまうと)早期解決と引き換えに借金でなかったものが借金であったことにされてしまう」「将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続ける」と大見えを切っていたのに、わずか4日後、一転して支払い方向への方針転換。うーん、小室さん、どうも腰が定まらない。
 一貫して、眞子さまの恋心を応援してきた私である
婚約が内定し、記者会見にのぞむ眞子さまと小室圭さん= 2017年9月3日、東京・元赤坂の赤坂東邸、代表撮影
 皇室に生まれた女性は、誕生の瞬間から「男性でない」存在だ。それってつらいに違いないだろう。眞子さまは、「ここではないどこか」を求めている。だから小室さんとの結婚を望んでいる。それだけが「天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と皇室典範に定められている「皇族女子」の選択肢。そう思って応援してきた。
小室圭さん説明責任包囲網と、秋篠宮さまの「駆け落ちのすすめ」
眞子さまのお気持ち文書に山口百恵さんを見た
「小室圭文書」と橋田壽賀子さんの「渡鬼」から結婚と夫婦別姓の隘路を思う
 だから、小室さんの「方針転換」が「結婚への道」になるなら大歓迎だ。が、どうもそうならないのがつらいところ。小室さんの代理人弁護士の説明によれば、方針転換の理由は「話し合いでの解決を目指していたという方針を明らかにすることができたので」だという。うーん、だったら最初から、セットで支払う方向も示せばよかったのでは?と私でも思う。
 それに加えて代理人さんときたら、「解決金を支払うことがダイレクトに結婚に結びつくかは分からない」と語ったそうで、まるで評論家みたいな口ぶりではと思ってしまう。説明文書も方針転換も、眞子さま同意の上だとも報じられていて、お二人、大丈夫かなあーと思ってしまう。
「理解してくださる方」は1人でいいの???
 小室さん、「国民の理解を得られない」沼に落ちている。それが、最大の問題だ。結婚延期の発表から半年、2018年8月にアメリカの大学へ留学した。
米国に向かう小室圭さん(中央列、手前から3人目)=2018年8月7日、成田空港
 1年目が過ぎ、よい成績を修めている、論文で賞を取ったなどと報じられても、一向に風向きは変わらなかった。初年度途中の19年1月に金銭トラブルの経緯を説明する、この時は短い文書を発表したが、効果なし。
 それから2年3カ月、今回の文書は満を持してのものだった。普通、逆転サヨナラホームランを狙うものだろう。が、そうではないというか、そうなるかどうか瞬時にはわからないほどの長尺。その上、最初と最後に書かれていたのが「理解してくださる方が1人でもいらっしゃいましたら幸いです」。
 えー、1人でもいいの? これって、謙虚さの演出? そんな悠長なこと言ってる場合?
 全国1億2000万人が思ったのではないだろうか。なぜなら秋篠宮さまは18年11月、記者会見の席で「多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ」納采の儀は行えないと条件をはっきり示したのだ。「多くの人」と求められているのに、かなり追い詰められているのに、「1人でも」って。お二人、大丈夫かなー。2度目の感慨だ。
秋篠宮家の長女眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんと、選択的夫婦別姓が似ている。4月8日に小室さんが公表した文書を読んで、そう思ったという話を前回の最後に書いた。
「小室圭文書」を読破してわかった母子の野心のありかと嫌われる理由
 文書から見えたのが、楽ではない境遇を生きた母と息子の、さながら昭和の物語。何としても息子の教育を守ろうとする母と、一時は婚約していた男性からのお金。息子はそういうもろもろを背景に、眞子さまとの結婚という道を進んでいく。
 作家の林真理子さんは、文書公表前だったが彼のことを「背伸びしすぎている印象」と表現した(「「小室圭文書」を読破してわかった母子の野心のありかと嫌われる理由」)。背伸びしすぎた上昇志向が人を苛立たせ、嫌悪になる。一度そうなってしまうと、「双方が良いなら良いではないか」という結婚一般への理屈は通用しなくなる。嫌悪が際立ってしまい、一般論をふさいでしまうのだと思う。
小室圭さんは、母親の元婚約者に「解決金」を払うというが……
 これって、選択的夫婦別姓への賛否と同じ。そう思った。「選びたい人は別姓を選ぶ、同姓がいい人は同じ姓をどうぞ」。賛成する人間(私もそうだ)には、何の問題もなく呑み込める理屈。それがどうしても通じない。眞子さまの結婚以上に単純な理屈だと思うが、もう長きにわたり通じずにいる。「なぜだか、全然わからない」と憤っていたが、少しわかった気がしたのだ。「嫌なものは嫌って、こういう感情なのかもなあ」と。
「渡る世間は鬼ばかり」における苗字の多用
 小室さん発、選択的夫婦別姓行き。結んだのは、橋田壽賀子さんだった。4月4日、橋田さんが95歳で亡くなったことをきっかけに、しばし彼女の作品を思い起こした。あの「おしん」(NHK)が放送されたのは、社会人1年目の年だった。仕事で失敗すると「おまえも大根飯食っとけ」とからかわれ、思い返せばその先輩は朝ドラなどを見るタイプでは全くなく、それこそが「平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%」の証左なのだが、私はといえば忙しすぎてゆっくり見たことは一度もない。
 その点、入社8年目、1990年から始まった「渡る世間は鬼ばかり(通称、渡鬼)」(TBS)は時々見たぞ。なにせ2019年に3時間スペシャルが放送されるまで続き、一時は秋になると始まって、1年間も放送されていた。あの一家のことは基本的によく知っている。そう頭でたどるうち、はたと思い出したのが、渡鬼における「苗字の多用」だった。
 ご存じでない方のためにざっと説明するなら、「おしん」で大抜擢された泉ピン子さんが主人公・五月を演じている。高校2年で家を飛び出し、住み込みで働いた中華料理店「幸楽」の跡取り息子と結婚して、子どもが2人。怖い姑と五月の闘いの日々が、渡鬼の中心だった。五月の実家は岡倉という姓で、今の五月は小島姓。五月は実家を「実家」と言わず、必ず「岡倉」と言う。小島家の人々も「岡倉」と言う。
 「今日は岡倉に、少し顔をださせていただきます」。五月はそんなふうに言う。「岡倉のやり方がここでも通用するなんて、そんな道理、あるとでも思ってるのかい」などと怖い姑が言う。ちなみに「道理」という単語と「こしらえる」という単語は、渡鬼頻出用語。どちらも橋田さんの愛する「消えゆく日本語」なのだろうと耳にするたびに察していたが、それはさておき、苗字の使用例をもう少し。
「渡る世間は鬼ばかり」の発表会見で橋田壽賀子さん(中央)を囲む「岡倉ファミリー」=2010年9月
 岡倉家は5人姉妹。五月は次女で、