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定年後に1500万で田舎に移住…「意外すぎる騒音」で地獄を見た、元役員の末路

2021-04-14 13:30:00 | 日記

下記の記事は現代ビジネスからの借用(コピー)です

長野県に移住を決めた
いつかは小鳥のさえずりで目を覚まし、夜は虫の音を聞きながら星空を眺めて…。
アメリカに駐在していた頃のように、日本でもそんな生活をと夢見ていた元商社マンのAさん(64歳)は、子会社役員の任期も終え、長野県は佐久平に1500万円ほど遣って居を構えた。
「佐久を選んだ理由は、何かあれば東京まで新幹線ですぐに行けること。病院も近く、移住者らも多く住んでいるので、自治体も都会目線での移住者対応にも慣れていることも大きかった」
米国駐在時代は、ニュージャージーの自宅にも鹿が現れるなど、「自然に囲まれながら都会の生活」に仕事の疲れも癒やされた。
そんな思い出を忘れられず、コロナ禍が始まる前に、長野県・佐久に居を構えた。
「軽井沢にも近いので、アウトレットや買い物など、都会の雰囲気が恋しくなればすぐに足を延ばせるのも魅力でした」
なぜ、軽井沢ではなかったのか。問うと、Aさんはこう答えた。
「軽井沢は、仕事時代の同僚や取引先の知人もたくさんいるのがちょっとね……。仕事時代のことを忘れたいのに、逆に老後も仕事時代の人間関係が延長するようでちょっと気が重くなりまして」
そこで、洗練された軽井沢の空気を楽しむことができながら、しかも適度な距離感が保てる佐久に移住先を決めたのだった。
東京から150km、信越道と新幹線という二大インフラが整備され、インターから車で10分走っただけで、浅間山の火山灰の大地の上には適度な木立が広がっている。
傍には渓流が流れているのも魅力だった。
「太公望をやってみたいな、と。たとえ釣れなくても、一日中、釣り糸を垂れて、若い頃の思い出に浸りながら老いて行ければ幸せだなと」
寝付けなくなったワケ
Aさんのそんな思い描いた移住生活は、「これは、誰のせいでもなく、僕自身の感性によってね、無理だと思った」ものだったという。
自身でも神経質だと認めるAさんは、夜でも物音ひとつですぐに目が覚め、寝付けなくなってしまうのだった。
深夜、とばりが下りるとともに、闇のなかに立ち現れるのは、期待した静寂ではなかった。
「家内と暖炉に薪をくべながら、おしゃべりしたりしている時はいいんです。問題は、布団に入ってからが」と、Aさんは笑う。
深夜、そばを流れるせせらぎの音が、じわり家の中に入り、耳に届くのだ。
「不思議なことに、耳って、一度音を拾うともうずっと意識しちゃうものなんですね」
車の音もなく、雑音のない森の中で、水の音はこれほどまでに大きいのかと思うほどに、脳裏に響いてくる。
「水道ではなく、川だから、蛇口を閉める訳にもいかない」
昼間は癒やされた岩の上を滑り落ちる小さな音が、これほどかというほどに大きく聞こえてくる。
寝付けない日々が続き、移住後半年もすると、Aさんは睡眠不足に陥った。
別の「騒音」も…
さらに、夏場を迎え、日の出が早くなると、鳥のさえずりも寝起きが早い。
「朝の4時から鳴き始めると、どんなに綺麗な音色でももう雑音にしか聞こえません」
夏になればオオルリがやってきて、春先は繁殖期を迎えると、そのオオルリの美声もさらに激しさを増す。
「静けさの中での自然の音がこれほど大きいものだとは知りませんでした。天然の音や色を求めて移住してきたのに、自分自身がそれに耐えられなくなるっていうのは皮肉なものでした」
Aさんは結局、二回目の春を迎える前に、移住者向けに分譲されている新興の住宅地にさらに転住した。
「ヨドバシでこんなのまで買ったのにね」
とAさんはまるで野球場のスポーツカメラマンが使うような大きな超望遠レンズを見せてくれた。
春は鳥のさえずり
夏は水のせせらぎ
秋は虫の音

そんな花鳥風月を楽しみにしての移住暮らしが、実は、静寂の中では「騒音になってしまった」。
Aさんは都会時代の生活をこう振り返る。
「今、思い返すとね、都会っていうのは騒音ばかりなんで、逆に些細な音が気にならない、そんな生活だったんですよね。都会人の生活にはむしろ静寂がないから、耳や身体が音になれてしまっていて。でも、森のなか、山のなかで静かな暮らしに入った途端に、たとえ綺麗で小さな音でも、大変な騒音ほどに大きく響いてきてしまうっていうことなんでしょうね」
二重サッシの室内はほぼ無音だ。今は、趣味のクラシックを気の向くままに楽しむ毎日だ。
「田舎暮らしと言ってもね、結局、都会で生きてきた人間は、田舎でも都会暮らしをすることでしか満足できないのかもしれないな」
自嘲気味にそう言って、小さく笑う。
「虫がいるなんて聞いてなかった」
地元の不動産業者が言う。
「移住者が増えるのはありがたいんですが、でも、突拍子もないクレームも増えてます。川のそばがいいからっていうから仲介すれば、川の音がうるさい、水の音がうるさい、鳥の鳴き声も、繁殖期には凄まじいですから。それにセミもすごいです。
あとは、虫がいるなんて聞いてなかったとかね。虫は田舎に限らず、都会にだっていますよ。虫がいるなんて聞いてないってね。だったら、工場のクリーンルームにでも住めばいいんですよ。まあ、都会からくる人たちはワガママですよ。今がブームとか言いますけど、早晩、また都会に引き上げて行くでしょうね。その時はこっちはまた売ればいいから、商売としてはありがたいんですけどね」



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